
家に家紋があるように、都市にはその都市のシンボルマークともいうべき市章があります。その多くは、都市名を図案化したものですが、中には都市の歴史や土地柄を物語るユニークなものもあります。名古屋市の市章である八などはその一つといえるかもしれません。
■八は尾張徳川家の合印
○に八の字を書いて。都市のシンボルマークとしては一風変わった意匠ですが、これが名古屋市の市章です。制定されたのは明治40年10月のこと。明治40年代には神戸市や横浜市でも市章が定められており、当時は市を表象するマークを制定しようという動きが各地にあったようです。
折しも名古屋は、名古屋港の開港、市制20周年を間近に控え、市勢の発展ぶりを内外に示そうという気運が高まっていました。
シンボルマークの制定にはうってつけの時期であったわけです。
制定に当たっては、懸賞募集で各方面に意匠を求めました。しかし、適当な図案がなく、議論百出の末、最終的には尾張徳川家の合印(注1)として用いられていた マークを採用することになったといわれています。
制定の経緯は定かではありませんが、「丸は無限に広がる力、また八は末広がりで発展を示す」というお目出度いマークであり、名古屋の歴史を大切にしながら、新たな発展を期そうという思いがあったようです。
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