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2011活動報告活動報告レポート : OMOIYARIプロジェクト

OMOIYARIプロジェクト

今、私たちを取り巻く世界情勢は、歴史や文化の違う国々が自国の利益のみを重視し、覇権と支配の構図の中で空虚な争いを続けています。われわれが目指す真に恒久的な世界平和を実現に導くためには、1つの価値観を押し付けることなく、多様であることを認め合い、お互いを尊重し、共通目標として平和を希求していかなければなりません。

「OMOIYARI運動」は2005年の発足以来、これまで世界各地のエリア会議などで展開され、「OMOIYARI」という言葉が、「相互理解」「いつくしむ心」「OMOIYARIの心を備えた人間としてするべきことをする」という意味であることは、世界で認知されつつあります。

本年度は、「OMOIYARIプロジェクト」が地域市民の運動へと発展するように働きかけるとともに、その運動がより活発に行われるように、情報共有や支援を目的としたネットワークを拡大することを目指して活動してきました。

各地域の事業では、地域の方々に相互理解を深めお互いを許しあう心を養う「OMOIYARI運動」や「OMOIYARIセミナー」、親しみやすい「OMOIYARIのうた」などを通じてOMOIYARIを体感していただき、他者依存や無関心を払拭したOMOIYARIあふれる人材を育成することを目指しました。

海外での運動

本年委員会では、発展途上国の方々を対象とした「OMOIYARI運動」に重点を置いて活動してきました。2月のモンゴルミッションではエルデネット、ダルハン、ウランバートルの3都市でメンバー向けに3回、市民向けに2回、トレーナー向けに1回のセミナーを行いました。これは、急激な経済発展に反比例して、モンゴルの人々の心が利己主義になりつつあるという危機感から、モンゴルに「OMOIYARIの心」を広めてほしいという要望があり、実現するにいたりました。メンバー対象のセミナーだけでなく、市民を対象にしたセミナーを開催したことで、直接市民に「OMOIYARIの心」を伝えることができました。また、このモンゴルミッションの模様はモンゴルの国営テレビでも特集され、広く報道されたことから、モンゴルにおける「OMOIYARI」の認知度も上がり、「相互理解」や「いつくしむ心」「するべきことをする」という「OMOIYARIの3つのポイント」も伝播することができたと確信します。

3月のモルディブミッションではマーレを訪れ、「メンバー向け」「トレーナー向け」「市民向け」のセミナーを開催しました。モルディブのメンバーにはワークショップを通じてOMOIYARIを理解していただき、最終日の「市民向け」セミナーではお手伝いもしていただくことができました。あるモルディブのメンバーには、「OMOIYARIこそが人々を幸せに、豊かにすると思う。日本青年会議所の活動を通じてそれを実現したい」とまで言っていただき、このミッションが成功であったことを示しています。

2月に訪問したモンゴルでは、私たちの帰国後、OMOIYARI運動が盛んに行われ、全国大会ではモンゴルの子どもたちが「OMOIYARIのうた」を日本語で歌っていただいたり、モンゴル人歌手が歌う「OMOIYARIのうた」のミュージックビデオが作られたりしました。「OMOIYARIの心」がモンゴルのメンバーに根付き、OMOIYARIを理解する3つのポイントの3つ目「するべきことをする」を実践していただいた形になります。このように各地域での独自のOMOIYARI運動が花開くことが、OMOIYARI運動の理想形だと考えます。

国内での運動

■OMOIYARIセミナー

本年度、1400名を超える方々に、市民向けセミナーを受講いただきました。国内では、子どもたちのキャンププログラムや、中学校を訪問してのセミナー、地域の方々、教育関係者、企業経営者などを対象にした各地会員会議所(LOM)の例会などにてセミナーを展開しました。子ども向けセミナーでは難しいパワーポイントだけではなく、チームでのアクティビティを通じて他者を思いやることの重要性を体感していただけるようにプログラムの改良を行いました。主催していただくLOMの要望も取り入れ、より深く「OMOIYARIの心」を理解していただけるように対応しました。

■OMOIYARI音楽会

歌手・藤田恵美さんによる「OMOIYARI音楽会」を通じた運動も、全国37ヵ所で展開することができました。子どもたちは「OMOIYARIのうた」の歌詞を憶えることや合唱の練習を通じて「OMOIYARIの心」に触れることができます。合唱においては仲間との協調性や、相互理解、いつくしむ心が大事になります。また、それを聞く大人は子どもの合唱を通じて「OMOIYARIの心に」触れ、涙を流す教職員の方や保護者も多数いらっしゃいました。「OMOIYARI」は私たちの心に関係しますので、音楽であればより深く感じることができると考えます。

■被災地でのOMOIYARI音楽会の開催

2011年3月11日に発生した東日本大震災。津波や原発事故により多くの方が避難生活を余儀なくされています。さまざまな物資の支援が行き届き始めた4月17日、避難者の心のケアを目的に、国際グループによる支援活動が行われました。場所は福島原発30km圏内の緊急避難準備区域に指定されていた福島県南相馬市・原町第一小学校。その中で藤田恵美さんにご協力をいただき、音楽会を開催しました。住民のほとんどが市を離れ、寂しさと将来への不安を抱いた地域の方々。音楽会を通じてわずかでも安らぎを感じていただけたのか、避難している方々の笑顔を見ることができました。

6月4日には宮城県気仙沼を訪問しました。社団法人気仙沼青年会議所を震災以来支援してきた社団法人長岡青年会議所からの依頼でした。気仙沼には藤田恵美さんとつながりがある市民の方もいらっしゃり、久しぶりの再会のよろこびと、「『OMOIYARIのうた』を聞いて、がんばる勇気をいただいた」という言葉をいただけました。

2ヵ所の避難所での音楽会を通じて、避難している方が笑顔や涙などの感情を表に出していただくことができました。心を抑えなければいけないつらい避難所生活の中で、少しの時間でしたが感情を出していただくことでストレスの解消になり、心のケアにつながったと考えます。ご協力いただいた藤田恵美さんも避難所での音楽会についてブログでこのようにおっしゃっています。「この年になって、やっとこの歌の世界が、心の奥底まで響いた気がします」。

■地域市民によるOMOIYARI事業の開催

「OMOIYARIのうた」に感銘を受けた市民の方が実行委員会を立ち上げ、地域市民によるOMOIYARI事業が8月20日に三重県員弁郡東員町にて開催されました。事業名は、「『OMOIYARI』コンサート〜どんなにあなたを愛しているか伝えたい!〜」。地域の高校生が実行委員として企画段階から参加している点が特徴です。地元高校演劇部の演劇と「OMOIYARI音楽会」などが開催されました。また、1500名の「OMOIYARIメッセージ」が集められ、展示されました。日本青年会議所(日本JC)の「OMOIYARI運動」によって市民が影響を受け、「OMOIYARIの3つのポイント」の3つめ「するべきことをする」を実践したすばらしい事例であると考えます。たくさんの地域の方がこの事業にかかわり、さらに多くの方に「OMOIYARIの心」を伝播することができました。

長年にわたる日本JCの「OMOIYARI運動」が真に成果を発揮しつつある。1年間の運動を終え、強くそのように感じています。国外では恒久的な世界平和実現の旗印として「OMOIYARI」が深く心に刻み込まれ、各エリア会議、世界会議はもとより、モンゴルやモルディブ、スリランカでのセミナー開催が実現しました。

「相互理解」「いつくしむ心」「するべきことをする」。

この「OMOIYARI」を理解するための3つのポイントは誰の心にも秘められているもので、セミナーを通じてそれに気付いていただき、日々の生活で実践していただくことが重要です。「OMOIYARI」を実践している人が多ければ多いほど、私たちにとって生活しやすい社会が訪れ、ひいては恒久的な世界平和が実現します。

また、日本JCとして取り組んだこととして、トレーナーの育成と、ネットワークの確立があります。国内外のセミナーで400名を超えるトレーナーが誕生させることができました。また、FacebookなどのSNSを通じてOMOIYARIトレーナーのネットワークを構築し、世界会議では「OMOIYARIトレーナーズミーティング」を開催できました。今年は委員会の訪問なしでの独自開催が多かった年でもありました。その地域のトレーナーによる、その地域の「OMOIYARIセミナー」が開催されることは、OMOIYARIの伝播という点でも非常に効果があると考えます。また、次年度以降は独自開催の動きがさらに広がりを見せることと期待しています。

また本年は、3月11日に発生した東日本大震災により日本そのものがダメージを受けている中、日本人の心に注目が集まった一年でありました。震災の中、世界から称賛を受けた日本人の姿は「OMOIYARIの心」そのものです。これからも私たちは、世界に対して日本の「OMOIYARIの心」を示し続けなければなりません。

日本人の「心」に注目が集まり、国内でも「OMOIYARIセミナー」「OMOIYARI音楽会」には多数ご依頼をいただき、全国66ヵ所で開催するに至りました。日本JCの使命は「OMOIYARI」の伝播です。可能な限りの依頼に対応することを心がけ、また「OMOIYARI音楽会」に出演していただく藤田恵美さんとの連携を強化し、連絡調整を密に行いました。依頼が多く、ときにはスケジュールが過密になってしまうこともありましたが、快く一緒に活動していただいたことに深く感謝しています。

特筆すべきは、日本JCのメンバーだけのセミナーに終わることなく、地域の方々や子どもたちを対象とした事業を各地の会員会議所で計画していただいた点です。私たちの運動は地域の方々に届き、インパクトを与えることができて初めて成功といえます。「OMOIYARIの心」に触れていただき、ディスカッションを通じて考えていただいたことは、非常に有意義であると考えます。

JCI 公益社団法人 日本青年会議所

若きチカラでよりよい社会づくりを目指す

20歳〜40歳までの社会的リーダーを志す会員で構成。
現在、全国704ヵ所、4万人の会員が、ボランティアや行政改革等の社会的課題に積極的に取り組んでいます。
また、世界124の国と地域に活動拠点を持つJCI(国際青年会議所)に加盟。世界を舞台に様々な活動を展開しています。

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