キャッチフレーズを入力してください

会長意見書

  • HOME »
  • 会長意見書

 

「未来(あす)の岸辺に、夢の船を漕ぎ出そう」

一人ひとりには限られた生命、与えられた生命がある。
この生命を何のために使い、生きるのか?

1949年、先達は敗戦という混沌の海に、次代の私たちのために夢の船を漕ぎ出された。
夢も目標も描く暇もないうちに、ただ明るい未来があることを信じて。

それから60年余り、時代は変わり社会は変わったが、私たちの使命は何一つ変わっていない。次代を生きる人のために、未来の岸辺に、夢の船を漕ぎ出そう。

 

【夢溢れる人の和、かながわネットワーカーズ】

神奈川は人口900万人、政令指定都市3市を有すると共に、県内総生産は30兆円であり、アルゼンチンの国内総生産に匹敵する日本屈指の経済力を持つだけで無く、箱根・丹沢・湘南に代表される風光明媚な自然と調和したバランスの取れた地域である。歴史的には、鎌倉幕府の開闢以来、武家文化の発祥の地であり、東海道を通じた江戸への重要な物資情報の流通拠点として栄え、浦賀への黒船来航、横浜の開港など、日本の時代のターニングポイントであり続けてきた。このような天の時、地の利を活かし続けてこれたのは、そこに住まう人の和があったからに他ならない。地域の伝統的な文化、習慣を尊重し、そして多様な価値観を受け入れる気質がこの神奈川にあったからこそ、他に例を見ない特徴的な発展をすることができたと考えている。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、神奈川は主要な交通網の整備が進み、横浜・箱根・鎌倉に次ぐ新たな観光の核づくりも進み、様々な機会がまた神奈川に到来しようとしている。その反面で少子高齢化に伴う人口減少、地域間の成長率格差など多くの問題を抱えている。これらの問題は複雑化し、ある地域の問題が地域外の問題と連動するようにもなっている。故に、これからの神奈川の青年会議所運動も、機会を積極的に捉える感性と、限られた地域の課題解決のみならず、普段の活動エリアを超えた連携も求められるようになってくる。
未来の神奈川の天の時を捉え、県内21青年会議所が地域の課題に対して運動を推進してきた地の利を活かし、今しか描くことができない若者らしい神奈川のビジョンを語り合い、「次代に誇れる夢溢れる人の和をもった、かながわネットワーカーズ」を確立していきたい。

 

【若者を地域全体で共に育てる】

近年行われた国政選挙の県内投票率は約50%、神奈川県知事選挙においては約45%であった。このように県民の過半数近くが国家・地域の政治について関わりを持っていないという事実に私たちは真剣に目を向けなければならない。どんな国家でも、人が地域を創り、国家を創り出す。そこに住まう人の意識が主体的に地域に向かなければ、次代に誇れる国家として存続する事はできない。
現在、投票数に占める年代別人口構成では60代の約20%と比べると、20代はわずか8%と若年層の政治参画意識が極めて低いと言わざるえない。そのような中、2016年度の選挙より改正公職選挙法が施行され、投票権が18歳以上に引き下げられた。この投票権の引き下げによって、若年層による政治参画への注目度が高まり、政治参加並びに主権者教育の在り方について議論がされるようになった。神奈川では高校生へのシチズンシップ教育を全国に先んじて推進しているが、教育現場の実態では、教育する側のスキル・教材・時間といった多くの点で問題を抱えている。高校生に対して、投票権の引き下げの本来の狙いを伝える事や、政治参加をする事の本質を感じ、また議論をする機会を、学校での教育に頼りすぎること無く、地域全体で育む仕掛けが求められている。
神奈川ブロック協議会では2006年より「かながわハイスクール議会」を高校生の政治参画意識の向上を目的に開催している。近年では高校生からの提言が実際の県政に取り入れられる事も多くなり、高校生の政策参加も可能にした事業へ進化した。本年は、神奈川県議会議員や県庁職員との懇話会の実施などを通じて、かながわハイスクール議会の提言に対する具体的な政策実現に向けた協働に努め、また県内21青年会議所と共に、県内高等学校に政治参加教育プログラム「みらいく」の普及推進することで、「若年層の政治参画意識を神奈川全体で共に育てる」仕組み創りを進めていきたい。

 

【人は人でしか磨かれない】

青年会議所運動は、1905年アメリカ合衆国セントルイスの若き銀行家ヘンリー・ギッセンバイヤー氏の高い志のもと始まった。その志はJCI Missionとして、私たちの運動に今も受け継がれている。
「青年が積極的な変革を創造し開拓するために、能動的な活動ができる機会を提供する」
現在日本の青年会議所の多くは、入会3年未満のメンバーで約60%が構成され、また平均在籍年数も約4年半というサイクルの早い組織に変わっている。故に、各地では新入会員に対して伝統や価値観を伝える事のできる経験豊富な人材が不足し、また例年の運動をこなす事に追われ、運動の本質や組織の在るべき姿をじっくりと考え議論する時間が少なくなっている。
このような問題意識のもと、本年は「人は人でしか磨かれない」という本質に立ち返り、「JAYCEEとしての研修は神奈川ブロック協議会に任せれば安心」と思われるような、神奈川ブロック協議会としてのスケールメリットを最大限に活かしたJAYCEE育成プログラム「かながわアカデミー」を構築する。かながわアカデミーでは、いままで開催してきた入会年数3年未満を対象とする「ベーシック研修」や、執行部候補者を育成する「志塾」のみならず、会員拡大支援につながる研修、組織内教育をできる人財育成を目的とした資質向上研修、また青年会議所が提供できる国際性の機会に対して視野の広がる研修などを年間通じて総合的に行う。このプログラムを通じ、県内21青年会議所で求められる次代のJAYCEE像を追求すると共に、全ての会員同士の出会いを深め合い「神奈川の先導者たらんJAYCEE、かながわJAYCEE」を育成する。

 

【「自立」と「共助」が調和した社会につながる次代を見据えたブロック大会】

日本青年会議所が主催する第1回全国会員大会を開催するにあたり、日本青年会議所第4代会頭服部禮次郎先輩は大会の本質について次のように述べられた。
「参加者一同の胸の中に心の成長を感じるような集まりであり、参会したあと永くその土地の人によき感銘を与えるような集まりを持ちたい。」
本年、神奈川ブロック協議会第45回ブロック大会は、公益社団法人茅ヶ崎青年会議所の主管のもと、茅ヶ崎の地で開催される。まずは大会の本質に立ち返り、私たちが推し進めた運動を最大限に深め、参加者が心の成長を感じていただけるようなフォーラム・セミナーを開催する。そして、神奈川ブロック協議会が最も大事にしている「神奈川はひとつ」という一体感を、茅ヶ崎の地域性への理解を通じて、県内21青年会議所会員全体に共有できる仕掛け創りを進める。その上で2010年代より日本青年会議所より提示された運動指針である、「自立」と「共助」が調和した社会につながる次代を見据えた大会を構築する。開催地である茅ヶ崎ならびに茅ヶ崎市民が大事にしている価値観を十分に研究し、私たちとの運動の融合点を見出し、地域の自立を共に助け合う地域益の観点をより深めることを通じて、参加した会員並びに茅ヶ崎の皆様に「神奈川のため、茅ヶ崎のためになったと永く深い感銘を持っていただける大会」を創り上げていく。

 

【発信無くしてJC無し】

神奈川は、最大の情報拠点である東京に近く、日本国のみならず世界中の最新情報が入りやすい地域である。その反面で、新聞五大紙の購読シェアが約90%を占め東京からの情報が多く、ローカル情報が県民に届きにくくなっている。青年会議所においても運動に公益性が求められ、参加動員の推進や運動自体の周知に対して情報発信は常に課題である。神奈川ブロック協議会としても、ホームページやSNSを使用しての自らの運動発信に留まることなく、県内21青年会議所の広報担当者や、県内で報道に携わるメディア各社と連携を深め「この媒体に接する事ができれば、県内の特徴的なローカル情報に出会える」といったような、神奈川県民全体の情報感度の向上ができる対外メディア戦略を構築していきたい。
また情報の連携を通じて、災害など有事への連携も深める。2011年3月11日に発災した東日本大震災や2016年4月16日に発災した熊本地震では、復旧・復興支援にあたり、全国の青年会議所の情報連携が大きな役割を果たした。いま私たちの生活は、地震のみならず、ゲリラ豪雨・台風・竜巻などにより、自然の脅威と隣り合わせである。神奈川ブロック協議会でも、まずは東日本大震災の被災の教訓を、被災地に心を寄せる事を通じて、次代に受け継ぐ仕掛け創りを進めていく。そして県内21青年会議所との災害協定である「AEGISネットワークKANAGAWA」の運用と検証をしながら、県内のいつどこで災害が起きても、迅速に青年会議所の連携が活かせ、復旧に対応できるよう情報収集と支援を行う。

 

【範は歴史にあり、次の50年に轍を刻む】

1968年、日本青年会議所関東地区第三ブロック協議会として山梨県と共に構成されていた神奈川の青年会議所運動は、運動の高まりに呼応して、初代会長松井繁先輩の「神奈川はひとつ」の合言葉のもと、県内11青年会議所、会員650名と共に新しいスタートを切った。
そして2017年は、神奈川ブロック協議会が設立されて50年目の節目の年になる。まずは「範は歴史にあり」という原理原則を軸に、先達が神奈川の未来を考え進めた50年間の運動の本質を改めて学び振り返る。その上で次の50年に向けた轍を刻めるような新しい「かながわ青年会議所物語」を、神奈川の21の夢と共に紡ぎだし、次代のJAYCEEに受け継いでいきたい。
また日本青年会議所本会が主導する運動には、県内21青年会議所の理解と協力を真摯に求め、国家全体の計を神奈川から支えるべく実施をしていく。そして公益社団法人としての時代に即したガバナンスを強化し、青年会議所の行動規範である「JCプロトコル」の率先垂範を通じ、県内21青年会議所の手本となり尊敬される組織運営に努めていきたいと考えている。

 

【むすびに】

初めて青年会議所に出会ったのは、大学在学中のことである。藤沢市湘南台のイベントにおいて、勢いだけで夢を語る私たちに静かに耳を傾け、大事なお金や時間と道具などを快く提供していただいた青年会議所の先輩達がいらっしゃった。

「地元に帰るならば、青年会議所をやってみなさい。」

出会いが私の人生を変えた。
大学卒業後すぐに地元伊勢原に帰った私は、2002年に青年会議所へ入会した。

青年会議所に入会した頃は、目の前のやることに追われ、そして先輩に置いて行かれないように、無我夢中で走った。それから数年が経ったある時、「何かこのままで良いのだろうか?」と思ってしまった。今まで感じたことの無いような脱力感に襲われ、すべてが嫌になった。

この時も出会いが自分のJAYCEE観を変えた。
その先輩は雄弁に多くを語る人ではなかったが、ただ誠実に、そして謙虚に、自分の役割を考え実践をされていた。すべてが嫌になってしまったからこそ、その先輩の後ろ姿が、すごく輝いているように見えた。

「その先輩のようになりたい」
もう一度青年会議所に向き合ってみようと思った。

それから人生のほぼ半分、休む事無く青年会議所に身を置いている。
だからこそ青年会議所で唯一確信をもって言える事がある。

「人との出会いは、人生を豊かにする」

人との出会いは、言葉との出会い。
言葉との出会いは、夢との出会い。
夢との出会いこそ、人生を豊かにする。
人生が豊かになれば、社会も明るく豊かになる。
故に人との出会いを創り出すことこそ、私たちの夢の船なのである。

2017年という神奈川ブロック協議会の「かけがえの無い一年」の出会いを、ただの機会に終わらす事なく、関わる全ての皆様の人生が豊かになるターニングポイントとしよう。
そして次代を生きる人のために、明るく豊かな神奈川、夢溢れる日本を共に創ろうではないか。

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+
  • LINE
PAGETOP