高付加価値化事例②

地域資源の発掘とブランディングによる商品・サービスの高付加価値化

日本三大清流の1つとして知られる長良川。いぜんは水運の道として、木材や美濃和紙、海産物など様々な商品が運ばれていました。現在も鵜飼、を中心とした伝統漁法での鮎漁を中心に川漁が盛んです。また、和紙や提灯、和傘などの伝統産業が誕生するなど、長良川を中心とした川文化と共に経済が発展してきました。

<取り組みの背景>

地域の資源や文化の本当の価値が評価されず、本来もつ価値を伝えらないでいる地域全体の課題があります。
伝統工芸品の技術継承の課題となり、地域の伝統産業が消滅の危機に陥っている現状を改善し、今後も地域文化と共に発展していくまちづくりをしていく必要があり、活動を展開しています。

<具体的な取り組み>

オンパク、を活用した地域に眠っている魅力や資源、価値を呼び起こすワークショップを開催。そこで出たアイデアを基に体験プログラム化し、作り上げられた体験プログラムを複数集め、イベントとして開催し、集客と地域観光の活性化を促してきました。

2011年から始まった長良川おんぱくでは、100~180の体験プログラムを提供し、10年に渡り、開催してきました。数多くの体験プログラムが生まれた長良川おんぱく、であるが、その中で生まれた高付加価値な体験プログラムが、「長良川舟遊び」です。1300年の歴史と伝統のある鵜飼と、長良川流域に古くからある花街文化を融合した、観光商品としてパッケージ化して販売しました。

ここでならではの体験×ここでしかできない体験、を組み合わせた芸舞妓と鵜飼観覧船に乗り、船上での食事や地酒を楽しんだ後、鵜飼観覧を楽しむコースになっています。

通常の鵜飼観覧は8,000円~10,000円で提供されていますが、「長良川舟遊び」プランは4~5名規模で一つの舟を貸切り、一人5万円程度の価格に設定され、国内富裕層やインバウンド向けに販売されています。

また、地元の伝統工芸である岐阜和傘の後継者の育成にも取り組んでいます。後継者不足の課題を分析する中で見えてきたことは、後継者を育てても生活させる自信がない、という将来に向けての不安でした。そこで、「一般社団法人岐阜和傘協会」を設立し、和傘職人の育成を進めています。また、伝統工芸を伝える拠点も構え、商品の魅力を直接感じられる機会を作り、和傘のブランディングに向けた活動を行ってきました。そんな中、一本の和傘が話題となり、一つ20万円で販売できるよう商品化。これまで40本以上を販売し、現在も生産・販売を続けています。

和傘のブランディングの向上によって、新たな職人が生まれる、という好循環も生まれ、伝統技術の継承も進んでいます。