高付加価値化事例③

<取り組みを開始の経緯>

今回の事例は、工業用洗浄液を販売するメーカーについてです。
このメーカーは植物性の工業用洗浄液を開発したことにより、今まで工業界で使用されていた、体や環境に有害な成分を使用しての洗浄を、安全で健康的な環境にする取り組みを行ってきました。それだけでも大きな貢献度ですが、数年前の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、取引先工場の生産ライン減少や工場停止が大きな打撃を受けた際に発見された新しい拡販の現象です。

①観光庁、高付加価値化補助金を活用した客室のリニューアル

隣り合う2部屋を連結し、ベッドルームとリビング、ワーケーションスペースを完備し、長期滞在が可能な客室にリニューアルしました。

[具体的な取り組み]

①自社の洗浄液をコロナ対策に用いることはできないかと

今までに開発を行ってきた、洗浄液の成分を改めて解析・改良を行いました。
当時、入手が困難になったアルコール除菌製品に変わる、新たな製品の開発を行いました。
コロナ対策として使用されていたアルコールは、除菌能力は高いものの、人体への影響、とくにアレルギーを持つお子様や使用過多により手荒れの進行が課題点でした。
この製品は植物性かつ低刺激にすることで上記の症状を抑止することができ、保育園や
美容室といった施設、店舗への普及が進みました。

②販路の拡大・拡充

今まで工場向けのBtoBビジネスに収まっていた事業が、一般の方向けに販売する除菌液を開発したことで、BtoCへのビジネスへと展開された。このことで会社自体の販路の拡大を行うことができたこと、また、工業界で培われた専門性や技術力が、ユーザーの必要とする用途に合致した事で売上を伸ばすことができました。
また使用方法を限定しない多くのユーザーに渡ったことにより、そこから新たな使用方法が編み出されていきました。
現在は、拡充された販路の中でOEM製品の販売も開始、またエンドユーザーから寄せられる多くの声から生まれる新たな製品の開発も行うようになりました。