私は、一般社団法人ウィルドア共同代表理事として、10代の学びの環境を変える挑戦を続けてきました。高校生が抱える生きづらさは、経済的困窮のように可視化されやすい課題だけではありません。周囲に悪意はなくても、「その関心は浮く」「その進路はやめた方がいい」といった空気の中で、自分の声を出せずに孤立し、可能性を閉じてしまう若者がいます。私はそこに対し、学校教育と社会教育をつなぐ中間支援の立場から、オンライン・学校・地域を横断して、自分に合う学びや居場所と出会える仕組みをつくってきました。ウィルドアはこの10年で累計5万人以上の10代に機会を届け、授業・プログラムは150校以上で実施してきました。オンラインサードプレイス「willdoor Compass」は経済産業省「未来の教室」実証事業に採択され、共同開発した「ワンダリングチャレンジ for School」は経産省主催のキャリア教育アワード優秀賞を受賞しました。また、都立高校への定期的なスタッフ派遣、長野県での学校横断の学び合い・発表の場づくり、18名の教員・コーディネーターとの研究会など、制度や担い手の側にも働きかけています。さらに、NPO・ソーシャルセクターの行が貴団体である特定非営利活動法人新公益連盟の理事に昨年就任し、U25 NPO研究会-N研-を立ち上げ、次世代のNPOリーダー育成にも注力しています。私の挑戦は、目の前の10代の自己実現を支えることと、その先に社会をより豊かにする担い手を増やすこと、この二つを同時に実現することです。教育の現場を変え、そこから社会を変える人を育てることが、私の実績であり現在進行形の挑戦です。
私の原点は、高校時代に抱いた「なぜ、夢を持てないことや、周囲の期待に合わせて生きることが当たり前になってしまうのだろう」という違和感です。その問いから、慶應義塾大学院在学中の2015年にウィルドアを立ち上げました。以来10年間、教育を学校の中だけで閉じず、社会とつなぎ直す中間支援の立場で事業を育ててきました。オンラインサードプレイス、探究プログラム、学校・行政との協働、伴走者育成へと活動を広げ、経済産業省「未来の教室」実証事業への採択、ワンダリングチャレンジでのキャリア教育アワード優秀賞、東京都生涯学習審議会委員への任命など、実践と制度の両面から取り組んできました。2020年には若者ダボス会議日本代表、世界経済フォーラムのGlobal Shapersにも選出されています。現在は新公益連盟理事として、U25 NPO研究会-N研-などを通じ、次世代のNPOリーダー育成にも挑んでいます。私の強みは、一人の若者の声に深く寄り添うことと、その声が埋もれないよう仕組みに変えることを両立してきた点です。私は、目の前の若者の人生を支えることと、社会を変える担い手を増やすことを分けて考えていません。個人の幸福と社会の変化を往復させながら、次の世代により自由で希望ある社会を手渡していきたいと考えています。最後まで実装し切る粘り強さと、異なる領域をつないで新しい公益の形を構想することが、私の自己PRです。
私が実現したいのは、すべての10代に「応援される」があたりまえの社会です。ここでいう応援とは、単に優しくされることではありません。本人の願いや違和感、まだ言葉になっていない関心を、周囲の都合で押しつぶさず、「あなたの人生の主役はあなた自身だ」と支える関係や仕組みが社会の中にある状態です。私は、100人いれば100通りの幸せがあると考えています。だからこそ、特定の正解や成功モデルを押しつける教育ではなく、一人ひとりが自分に合う学び方、つながり方、挑戦の仕方を選べる社会にしたい。その先に見ているのは、個人の幸福だけではありません。応援されながら育った若者は、やがて誰かを応援し、社会に新しい価値を生み出す側へ回っていきます。私は、10代が自分らしく生きられる学びの環境を整えることと、そこから社会を変える担い手を育むことを、一本の流れとして捉えています。特に新公益連盟での活動を通じて、ビジネスでも行政でもない「第3の道」としてNPOの可能性を次世代に開き、社会課題に真正面から向き合う若者を増やしたいと思うようになりました。教育によって「自分の人生を選べる人」を増やし、NPOや地域の実践によって「社会を変える側に立つ人」を増やす。その循環が広がったとき、日本の未来はもっと自由で、やさしく、しなやかなものになると信じています。私は、学びの環境を変えることを、未来の民主主義と公益を育てることだと考えています。
このビジョンを実現するために、私は三つのレイヤーで行動しています。第一に、10代への直接支援です。オンラインサードプレイス「willdoor Compass」では、地域や学校に左右されずに相談や対話、情報との出会いが得られる場をつくっています。さらにFES/Forum、ワンダリングチャレンジ、学校への出張授業などを通じて、高校生が自分の関心を言葉にし、同世代や大人と出会い、次の一歩を踏み出せる機会を広げています。第二に、仕組みづくりです。都立高校にスタッフを定期派遣して学校と地域・社会をつなぐ窓口をつくるほか、長野県では学校横断の学び合い・発表の場の企画運営を担ってきました。また、18名の教員・コーディネーターと研究会を実施し、伴走者を育てる研修にも力を入れています。第三に、担い手育成です。新公益連盟の理事としてU25 NPO研究会-N研-を担当し、25歳以下の若者が先輩NPO経営者との対話や公開メンタリングを通じて、社会課題を自分ごととして捉え、挑戦の一歩を踏み出せる場をつくっています。目の前の若者を支えること、支える大人を増やすこと、そして社会を変える次世代のNPOリーダーを育てること。この三層を同時に進めることで、単発の支援で終わらない持続可能な変化を生み出しています。私は現場支援と制度変革、個人の伴走とセクター育成を分断せず、一つの戦略として実践しています。
私の活動が生んでいるインパクトは、大きく二つあります。第一に、10代一人ひとりの人生の選択肢を広げていることです。ウィルドアはこの10年で累計5万人以上の10代に学びや出会いの機会を届け、授業・プログラムは150校以上で実施してきました。オンライン支援でも、離島や海外を含む各地の中高生を支え、延べ40団体と連携して新たな居場所や学びとの接点を届けてきました。実際に、学校の中では自分の関心を出せずに苦しんでいた高校生が、ウィルドアとの出会いを通じて学校外の社会へ踏み出し、仲間と学生団体を立ち上げた事例があります。別の若者は、自分に価値がないと思っていた状態から、アイデアを認められる経験を重ね、学校の枠を越えたプロジェクトを始めました。つまり私たちは、単なる進路支援ではなく、「自分の人生を自分で引き受ける力」を育んでいます。第二に、社会を変える担い手と仕組みを増やしていることです。都立高校や長野県との協働、18名の伴走者研究会、新公益連盟でのU25 NPO研究会を通じて、若者支援の実践を個別支援で終わらせず、制度・ネットワーク・次世代リーダー育成へと接続しています。目の前の10代の変化が、その先の地域、学校、NPOセクターの変化につながる。この連鎖こそが、私の活動の社会的インパクトです。私は、一人の若者の変化を社会の変化へ翻訳する挑戦を続けています。