会長基本方針

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公益社団法人日本青年会議所 北海道地区協議会
会長基本方針
2020年 会長 金澤 宗一郎



【はじめに】

「男子三日会わざれば刮目して見よ」
三国志の呂蒙の言葉である。

人は三日も会わないでいると驚くほど成長しているので、目をこするくらいしっかりと相手を見なさい、という意味で使われているが、私は三日で人は成長することができるのだと解釈し、座右の銘として今も心にとめて生きている。

青年会議所は「修練・奉仕・友情」の三信条のもと、目的である「地域の総合的な発展に寄与」した運動を展開してきました。人生最後の学び舎とも言われる青年会議所には率直な想いや価値観をぶつけあえる志を同じくする最高の仲間がいます。切磋琢磨しながら共に成長し挑戦していくことで、人の価値観を根底から変えられる団体です。
かつて自分の限界を自分で決めてしまった私が、青年会議所に入って様々な学びを得たことで、今では「自分にはなんでもできる可能性がある」と自分の限界を否定しています。

「男子三日会わざれば刮目して見よ」、誰よりも私自身が、過去の自分と現在の自分との違いに驚き、現在を真剣に生きることで自らが望む未来を作ることができる、という「希望」を信じているのです。

【運営と運動が相乗し合う関係の形成】

昭和から平成、そして、令和へと歩みを進める中、私たちは物質的な豊かさを享受する一方で、人口減少や気候変動など、立ち向かうべき多くの課題を抱えています。第四次産業革命や人生百年時代の到来など、社会はこれまでの常識を超えて加速的に変化し、誰もが経験したことのない近未来に横たわるモデル無き未知の時代に突入しました。常に変化が求められ、あまつさえ自らが変化していかないと対応できない世の中になっていると感じています。本来、よりよく生きていくためのあるべき変化が、幸福への物差しを曖昧にし、人々は幸福という実感を得られず疲弊してしまっているのではないでしょうか。
しかしながら、青年会議所はその時代に、その時々に抱えていた地域社会の問題や課題を、他人事と捉えず誠実に向き合い、改善する政策を掲げ、地域を少しでもより良くする運動を展開してきました。そして、長い歴史の中で連綿と受け継がれてきたJCプロトコルを重んじ、厳粛で規律ある運営を行うことで、運動と運営の両輪がいつも互いに相乗し合う関係、盤石な運動体を形成し、各地域の変革に果敢に挑戦し成し得た不変の青年会議所があると信じています。
北海道各地会員会議所は年々会員減少が続いており、消滅したLOMや存続が危ぶまれているLOMも複数存在している現状があります。しかしながら、この現実を悲観せず組織変革のチャンスであると捉えたい。今求められているのは組織改革によってなされる運動の最大化です。組織運営と各地会員会議所の運動が相乗し合う関係を形成し、JCメンバーの会社、家族が心から応援していただける青年会議所を目指していきます。

2020年度、一般社団法人札幌青年会議所主管による第69回全国大会北海道札幌大会が開催されます。「札幌大会」ではなく、「北海道札幌大会」であることに大きな意味があります。青年会議所は企業を代表して集う青年経済人の団体です。企業を代表する全国会員会議所メンバーが札幌の地で一同に会し、北海道を発信する波及効果は絶大なものになるだろう。北海道46LOMが一体となり、全ての人が夢を描ける多様性と包摂性のある持続可能な北海道を発信していこう。

【時代に即した組織改革】

北海道は日本の総面積の約2割に当たる広大な大地と雄大かつ変化に富む山岳、太平洋、日本海、オホーツク海に囲まれ、積雪寒冷で四季がはっきりとした特徴をもつ地域です。そんな北海道で活動する我々メンバーが会すには、車を主とした交通手段が必要不可欠であり、長時間の移動を経てから諸会議等に参加しているメンバーがほとんどです。そして青年会議所は会議を重んじ、会議によって物事を決定する特徴を持ち、厳正で活発な議論を積み重ねてより良い運動をつくる貴重な時間ではありますが、一方で会議を重んじているが故に連日、長時間の会議になってしまうことも珍しくはありません。
長時間の移動を経てから長時間に亘る会議を行うことは、疲労や睡眠不足につながり、仕事や家庭生活に悪影響を及ぼし、さらには交通事故の危険性など大きな負担がかかります。せっかくの一同に会した貴重な会議の時間が、会議に臨むモチベーションや会議の質を下げてしまうことにつながります。
北海道の特徴をしっかりと把握したうえで、効率的な会議運営のあり方を検証し改善していく必要があります。

全国会員会議所メンバーのうち、女性会員の比率が8%であるのに対し、北海道の女性会員の比率は残念ながら8%を下回っています。ジェンダー後進国といわれる日本だから当然の結果であると考えるのではなく、多様性ある社会を実現していくためにも、女性の会員比率を向上させる組織改革に積極的に取り組むことができるチャンスと捉えたい。青年会議所が会議を重んじている組織であるならば多様であればあるほど運動は最大化される。そして会員拡大に悩んでいる課題解決の糸口として、組織運営と会員拡大運動が相乗し合う関係を形成していきます。

【SDGsの推進】

2019年1月、京都会議において外務省とSDGs推進におけるタイアップ宣言に署名し、全国の会員会議所とSDGs宣言が総会にて審議された。日本国内ではまだ認知度は低いが、既に世界ではSDGsという明確な17の目標が示されており、社会の改善の指標となっています。さらには世界中の企業が経営戦略にSDGsを取り込み、SDGsの投資も活発化され進んでいます。2019年度北海道地区協議会ではSDGsを推進してきましたが、持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現していくためにも引き続きSDGsを力強く推進していきます。
地域社会で幅広くSDGsを推進していくためには、ネットワークの拡充が必要であります。内閣府地方創生推進室が、SDGsの達成に取り組んでいる都市を選定するSDGs未来都市として、2018年度は29都市が選定され、北海道からは北海道を含む札幌市、ニセコ町、下川町の4都市が選定されています。SDGs未来都市とのタイアップはSDGs推進の追い風になります。またSDGsを取り入れる明確なメリットを示し、民間企業や次代に向けた教育機関への導入にも積極的に取り組みたい。
SDGsの黎明期、北海道からSDGsを力強く推進し、市民の信頼にもつなげていこう。

【北海道地域経済ビジョン】

2014年に出版された、増田寛也編著「地方消滅」は北海道に住まう我々にとって衝撃的なものでした。日本創生会議が発表した、20~39歳の女性人口が50%減少すると予想される「消滅可能性都市」は、全道の市町村の約78%が該当する、という内容です。経済動向に関しても、北海道は全国の経済成長の動向を下回っています。これは製造業の全産業に占める比率が低く成長率も低いこと、農林水産業の比率は高いものの成長率が低いこと、そして2000年代以降続いた公共事業費の削減により建設業が低迷したことが主な理由となっている。換言すれば産業構造が高度化していないために、産業全体に占める比率、そして成長率を確保できていないのが現状です。
国家主導の地域開発を続けてきた日本は、日本列島改造論や田園都市構想など国家戦略によって様々な施策が打ち出されてはきましたが、現状克服の兆しは見えていません。とりわけ戦後、日本経済の復興を遂げるために国策として開発された北海道は、社会構造の変化や地域経済の停滞に伴い持続的成長を遂げられない地域を数多く抱えています。北海道は日本の縮図と言われており、突出した札幌一極集中を是正していくためにも、国家主導の地域開発から地域主導の地域経営に向けた地域経済ビジョンを構築し、地域的価値を高め持続可能な北海道へと発展させていきます。
北海道は全国的にも優位性を持つ地域の特性が数多くあり、特性を見出し独自の地域づくりに努力し、全国の中でも先端をゆく実践を行っている自治体も存在しています。財政基盤となる中小零細企業に属しているJCメンバーが主体となり、ソフトとハードの融合、産官学民の連携、内外とのネットワークを発展させ、地域的価値を高める社会実験を行い地域再生のモデルを産み出していきます。

【北海道の強靭化】

2019年も激甚災害に指定される、全国各地で著しい被害を及ぼした災害が相次ぎました。北海道でも2018年9月に発災した北海道胆振東部地震による北海道全土の停電、2016年8月には1週間の間に3つの台風が直撃するといった、前代未聞の事態が起こりました。近年多発している人びとの生命や財産を脅かす災害を受け、不安を抱えている道民は多いだろう。天災は忘れた頃にやってくる、そして、その天災は人智を超える脅威であることを認識し、防災と減災による有事に備えた組織体制を構築していく必要があります。「北海道JC SS NET」の内部組織の整備と更なるネットワーク拡充を進め、北海道民の生命と財産を護るのはもちろんのこと、全国各地での災害時の災害支援についても模索していきたい。

人口減少、少子高齢化が急速に進む北海道では交通インフラの再構築が急務となっています。北海道内7空港の一括民営化に向けた改革や北海道新幹線の札幌延伸による収支の転換など明るい話題もある一方、JR北海道が単独では維持困難とする路線の廃線を巡り議論が続いている他に、バスやタクシーなど公共交通機関の存続も危ぶまれています。少子高齢化により車の運転できる人の割合が少なくなり、それをフォローすることもできなくなったため交通難民が増加し深刻な社会問題となっています。行政が赤字覚悟で住民にサービスを提供していくことを看過せず、持続可能な北海道の交通インフラを整備する必要があります。
近年、自治体と企業が協働してライドシェアリングや自動運転などの実証実験が各地で散見され、交通難民の課題解決策となる開発が進んでいます。さらに物流分野でも鉄道と宅配業者が連携し、貨客混載の実験も始まっています。民間企業と各自治体が上手く連携し法制度を活用しながら、事業として持続可能な仕組みを構築していきます。

【北方領土問題の解決に向けて】

日ロ両首脳は2018年11月のシンガポール会談で、平和条約締結後の歯舞群島、色丹島の日本への引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に条約交渉を加速させることで一致。さらに2019年1月に日ロ首脳会談が行われ、北方領土問題解決への環境整備と位置付ける共同経済活動での試行事業を実施するなどで一致したが、平和条約締結交渉では具体的な進展には至らず現実的な交渉は未だ進んでいません。北方領土の主権を巡る歴史認識の違いと、日米安保条約に基づいて米軍が配備される可能性を懸念する安全保障の問題が日ロ間の協議で横たわる根本的な要因となっています。一方で2018年12月には、極東ウラジオストクと新千歳空港を結ぶ定期便が就航。約2時間で行けることから日本から一番近いヨーロッパとして認知されてきており、ロシア人の間でも人気のある北海道観光やスキー客の需要があるという。
一向に進む気配のない北方領土問題と平和条約交渉が続く中で、北海道の果たすべきその役割は大きい。地理的な距離の近さ、寒冷地という気候条件を活かした技術やノウハウが互いに有益であることを認識し、北海道の青年経済人として、責任世代としてビジネス交流を通して未来の平和について対話を積み重ねていきたい。平和条約締結を見据えた青年経済対話が日ロ友好の大きな架け橋となり、平和と公正を目的とした様々な社会的課題解決事業を行っていきます。

【スポーツを通じた活力があり絆の強い社会の実現】

日本で開催される2020年のオリンピック・パラリンピックは間違いなく日本中に活力を与えるだろう。
2020年に東京五輪の開催が決定してからスポーツ庁が創設され、スポーツを通じた活力があり絆の強い社会の実現に向けて確実に歩みを進めています。2017年には「第2期スポーツ基本計画」が策定され、その中においても、「スポーツで社会の課題解決に貢献し、前向きで活力に満ちた日本を創る」と示しています。
スポーツは、世界の人々に大きな感動や楽しみ、活力をもたらすものであり、言語や生活習慣を超え、人類が共同して発展させてきた世界共通の文化の一つです。また、スポーツ基本法においては、スポーツは「次代を担う青少年の体力を向上させるとともに、他者を尊敬しこれと協同する精神、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培い、実践的な思考力や判断力を育む等人格の形成に大きな影響を及ぼす」と規定されており、スポーツインテグリティ(誠実性・健全性・高潔性)を高め、自我の形成がなされる青少年期に大きな役割を果たします。
東京2020オリンピック・パラリンピックを好機として、社会の課題解決にスポーツを通じたアプローチが有効であることを踏まえ、スポーツを通じた共生社会の実現、経済・地域の活性化、国際貢献に積極的に取り組みます。

【第69回北海道地区大会旭川大会の開催】

思い出というものは皆が等しくもてるものではあるが、関係のない人が干渉することはできないものであり、その時々を共有してきた仲間だけの宝物である。
軌跡を紡いできたメンバーそれぞれのストーリーが表現され、様々な感情が溢れ出る。その時々と誠実に向き合い、率直な想いや価値観をぶつけあえる志を同じくする最高の仲間と一歩ずつ歩んできたからこそ美しい。それが地区大会である。
雄大な大雪山系の山々に囲まれ、石狩川をはじめ多くの河川が流れる、自然豊かで四季の変化に富み、都市機能も集積している日本最北の中核都市旭川。北海道の課題である札幌一極集中を是正していくうえでもその役割は大きい。主催である北海道地区協議会と主管である旭川青年会議所が共に軌跡を紡ぎ、最高の地区大会を創り上げていきます。

【エリアの意義と会員拡大】

北海道には46のLOMが点在し、全国47ブロック単位でのLOM数で見ると一番多い。そして、46LOM中23LOMが20名以下、うち7LOMが10名以下(いずれも2019年8月時点)の会員数であることも北海道の特質すべき点であります。このまま会員減少が続くと組織の運営に支障をきたし、運動の推進力が弱まってしまうと、会員拡大を最優先課題としているLOMも少なくありません。10年前まで20名の会員がいたLOMがあっという間に減少し、LOMの機能を失い自力での拡大が困難になった、地域とともにあった伝統の灯を消さざるを得ないのが悔しいと、涙を流し語っていたあるLOMの理事長の姿は今でも記憶に残っている。
北海道には4つのエリアがあり、エリアは入会3年目未満の会員の人材育成やメンバー間の交流を行い、独自の歴史と文化を紡ぎながら深い絆で結ばれてきました。各LOMが抱える悩みや課題に寄り添い、各LOMそれぞれの良さを活かして導いていけるのはエリアしかないと確信しています。そして強固な絆の中で率直な想いや価値観をぶつけあえるエリア会議で得られる意見は大変貴重なものです。エリアの運営と北海道地区協議会の運動が相乗し合う関係を形成していこう。

【おわりに】

Yesterday is history.
Tomorrow is a mystery.
Today is a gift.
That‘s why it is called the present.

フランクリン・ルーズベルト大統領の夫人エレノア・ルーズベルトが残した言葉です。「今」は贈り物であり、毎日は奇跡の連続です。一度きりの人生を大切に生きようではありませんか。「希望」ある未来を切り開いていくために。

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2020年度 会長  金澤 宗一郎君
(一般社団法人 帯広青年会議所)
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