【はじめに】
「悠ちゃん、JCに所属してて、作る資料ってこのレベルなの?」入会2年目のある時に、 同業有志でイベントを企画しており、その際の資料作成中に、他LOMの歴代理事長でもある先輩に言われました。続けて矢継ぎ早に「何でJCやっているの?自分、家族、会社のた めにやることが、地域のためになる。この程度だと全く生かせてないよ。会社と家族の時間とお金とかいろんなの使うの申し訳ないから色々考え直した方がいいよ。」当時の自分には衝撃的な言葉でした。なぜ青年会議所に所属し、活動を行うのか、当時の自分には説明できませんでした。
青年会議所には様々な機会があります。そして掴んだ様々な機会を青年会議所だけで完結してはいけません。社業や地域・家庭に還元してこそ青年会議所です。メンバーの自分や 地域、仲間、社業、家族、すべての事をよりよくしていきたいという純粋な心が生み出す行動力で、幸せな地域を創造していきたい、そんなメンバーの気持ちと可能性を最大限に向上していく、そんな幸せな福島ブロック協議会を創造していきましょう。
【福島ブロック協議会の使命】
福島ブロック協議会は県内 16LOM からの負担金と出向者によって存在を維持してい ます。その前提が全てであり、福島ブロック協議会最大の使命とは何なのかと言われれば、 出資者ともいえる LOMを最大限支援することであると考えます。その支援にも多くの形があります。未来につながる人財育成、各LOMの運動・活動の後押し、県内規模での事業 展開の実践、大会開催によるLOM益や地域益の創出、時代に即した組織運営などが考えられます。何らかの形で各LOMに必要とされ、かつ出向者が成長を感じることができるブロ ック協議会を創造していきます。
またブロック協議会は日本青年会議所が展開する運動を県内各地に推進する役割があります。ブロック協議会は各LOMに必要とされるコンテンツを調査並びに理解をし、各LOMの運動・活動を輝くものにするべく、本会と一番近い存在として LOM に橋渡しを行います。そして各LOMの運動・活動の効果を最大限にし、幸せな福島の創造に向かって進んでいきます。
【自ら考え行動を起こすJAYCEEの育成】
日本の芸道や武道に「守破離」という言葉があります。これは茶道や武道で使われる、物事を極めるための三段階の修行過程を示す言葉です。具体的には、「守」で師の教えや型を忠実に守って基礎を習得し、「破」でその型を応用・発展させ、最終的に「離」で師や流派の型から離れて独自のスタイルを確立する、という段階を踏むことを指します。
近年、日本の青年会議所全体では会員数の減少、在籍年数の低下、それに伴う組織力の低下が課題としてあげられます。青年会議所には長い歴史で構築したJAYCEEを育成できる手法をもっております。入会歴の浅いメンバーに青年会議所の型を学んで頂き、学んだことを LOM で自ら考え行動に起こし、ゆくゆくは地域を牽引することができるリーダーとして羽ばたいていく、そのようなJAYCEEを一人でも多く育成していきます。入会年度の浅いメンバーが成長することで、あんなJAYCEEになりたい、そんな純粋な憧れを生み、次の新たなメンバーの成長につなげる、そんな好循環を生み続けることが幸せな福島の創造につながります。
【抜本的なLOM支援の実施】
LOM支援という言葉には様々な側面があります。拡大支援や日本青年会議所のコンテン ツを活用し、LOMの運動・活動をよりよくすることなどがあげられます。果たして、それ は真の LOM 支援ということができるのでしょうか。地域ごとに特産品や課題があるよう に、LOMの良さや課題もそれぞれ異なると考えます。青年会議所は40歳までの同年代がそれぞれの長所を生かし、地域や組織の課題解決に向けて邁進しております。ブロック協議会としてLOMとの対話を継続的に行い、また各LOMの例会や事業に参加することで、真に必要とされるLOM支援が展開できると考えます。またLOMの枠を越えた同年代の長所を伝え合うことで、よりLOM の運動や活動を躍進させることができると信じています。 LOMや地域の実情に沿ったオーダーメイド型の伴走支援を行い、必要とされる協議会へ組織をアップデートしていきます。
【国内での国際の機会を生む】
本年度のASPAC(Asia Pacific Area Conference)は隣県である新潟市で開催されます。世界には約15万人のメンバーが各国各地のLOMに在籍しております。そのメンバーも地域の社会課題や自己成長などの同じ志を持って活動しております。ASPACはアジアの各国から多くのメンバーが来日し、本年は日本国内にいながら JCI の諸会議やコンテンツを体感できます。各地域の魅力をアジア各国のメンバーに伝えることができる絶好の場となります。世界に興味はあるが、海外に飛び出す勇気の出ないメンバーを福島ブロック協議会が最 大限サポートし、これからの可能性にあふれた国際の機会を提供します。
震災から15年が経過し、着実に復興への歩みは進んでおります。当時は輸出規制されていた福島県産品も一部の国を除いて、規制解除が進んでおります。各地域の魅力を理解し世界に発信し、各地域の地域益を増進し、「福島」が復興の象徴を指す新たな言葉になるように歩みを進めます。
【家族と考える防災計画】
日本は地震や台風、雪害など自然災害が多発する国です。福島県でも東日本大震災を筆頭に、毎年様々な災害が発生し、そのたびに尊い命が犠牲になり、家屋にも被害が出ておりま す。人間の手で完璧に自然災害を防ぐことはできませんが、万が一に備えた防災や減災を行うことは可能です。防災の基本は「自助・共助・公助」です。自分と家族を守ること、近隣住民や地域社会で助け合うこと、そして行政や公的機関による支援を受けることです。私たち一人ひとりが、自分にできる備えを考え行動することが、命を守り地域の安全につながるのです。
福島ブロック協議会は日本青年会議所と連携し、FCP(Family Continuity Plan:家族継続計画)の導入に向け運動を推進していきます。FCPとは、災害時における家族の安全確保のための具体的な行動計画を平時から策定しておくものです。社会の最小単位である家庭内での防災対話や情報共有を通じて、家族一人ひとりの防災意識を強化する取り組みでもあります。万が一に備えた防災意識を家族単位で向上し、一人ひとりの防災意識を向上することで、安心・安全で幸せな福島を創造していきます。
【共通の運動で未来を創る】
日本全国には666のLOMが存在し、各々が日本の地域課題の解決に向けて日々運動を展開しております。日本青年会議所と全国各地の LOM が共通認識をもって一つの課題解決に向けて運動を展開することで、大きなインパクトが生まれると考えます。
日本青年会議所とともに、カーボンニュートラルの実現に向けた運動を福島ブロックとして行います。カーボンニュートラルとは、温室効果ガス、特に二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることを目指す取り組みです。これは環境を守るためだけのものではなく、すでに現実となっている気候変動の影響から、私たちの暮らしや経済、健康、安全保障などすべての基盤を守るための重要なアクションです。子どもたちや未来の世代に、素晴らしい日本の環境や四季を残していくには、今を生きる我々が行動を起こす必要があります。各LOMと連携して行う行動は小さいものでも、全LOMや全ブロック、全地区が行動を起こすことで日本の未来を守り、福島の未来をよりよい状態で次世代に引き継ぎましょう。
【スポーツの力で子供たちの未来を育む】
スポーツは見る者に感動や勇気を与えてくれるだけでなく、運動能力の向上や健康促進、 チームワークやリーダーシップなどの社会的スキルを育む一助として、地域の未来を担う子供たちに様々な好影響を与えます。また勝ち負けの経験を通じ努力することの大切さやフェアプレーの大切さ、相手を敬う心なども学ぶことができる青少年の健全な育成にはなくてはならない重要な要素です。福島ブロック協議会ではスポーツが持つこれらの要素に、 グッドルーザーの精神という新たな要素を加え開催されるJCカップU-11の福島大会を毎 年開催してきました。この大会を通して大会の趣旨であるグッドルーザーの精神を学ぶとともに、福島の未来を担う子供たちの挑戦のきっかけとなるよう福島予選大会を開催しま す。
【ブロック大会inもとみやの開催】
福島ブロック協議会最大の運動の発信の場として、毎年開催地域を変えて開催されるブロック大会は、主管青年会議所・主催者との綿密な連携のもと、開催地の魅力や特徴を最大限活かし、年々進化を遂げ開催されてきました。2026年度のブロック大会は一般社団法人もとみや青年会議所の主管のもと開催されます。一般社団法人もとみや青年会議所の活動エリアは本宮市と大玉村となっており、福島のへそと言われるように地図上の県内の中心地として物流拠点として関東と東北を結んでおります。本年はこのような立地を生かしたコンパクトに開催できるブロック大会を主管青年会議所とともに構築していきます。また地域益と主管した LOM 益を生み出し、また開催地に青年会議所をより理解してもらう機会といたします。
またブロック大会は県内16LOM多くのメンバーが一堂に会する貴重な機会となります。 入会の浅いメンバーがはじめて参加する対外事業であることも少なくありません。他の諸大会の参加につながるように、各ファンクションに意義や目的を持った事業構築を行い、青年会議所らしい大会運営を行い、次年度以降も各 LOM が開催したいと感じるブロック大会を運営いたします。
【おわりに】
「人は人によって磨かれる」2021年に福島ブロック協議会に委員長として出向した時の 副会長がよく使っていた言葉です。その年にJAYCEEの枠を越えて、自分自身を磨いてい ただく様々な成長の機会をいただき、今の自分があります。当時の副会長から頂いたやる気 スイッチを次世代のメンバーへとつなげる、そんなやる気スイッチの好循環を起こしていきます。自身や地域を愛し、それらを幸せにできる行動を起こす、そんなJAYCEEを一人でも増やしていきます。10 年前の自分にはわからなかった青年会議所に所属し、活動することの意味も今の自分には説明できます。
組織や個人が地域に求められている存在になるために、16LOMとブロック協議会が連携し、青年会議所というツールを最大限活用し、各々がやりがいを感じることができる最高の青年会議所運動・活動を行いましょう。メンバー一人ひとりが輝くことで、地域の未来が明るくなります。
全ては幸せな福島の創造のために