会長所信
【はじめに】
1949年、戦争の傷跡がまちにも人々の心にも深く残る中、新日本再建への使命感と情熱に燃えた青年たちが集い、日本に青年会議所が創立されました。その志は岡山県内15の地域にも広がり、15LOMが誕生。その歴史の中で1965年には、県内各地青年会議所の協力体制を結ぶ組織として岡山ブロック協議会が設立され、愛する岡山の発展と会員の成長を目的に、多岐にわたる運動を築き上げてまいりました。
62年に亘り、「明るい豊かな社会の実現」という不変の理念のもと、幾多の困難な時代にあっても社会課題の解決に挑み続けてこられた先輩諸兄姉の存在があったからこそ、今日の岡山があります。私たちJAYCEEは、その歩みを受け継ぎ、高い志を掲げて果敢に挑戦し続け、JC運動の価値をさらに高めていかなければなりません。挑戦の過程で失敗することがあっても、それは未来を切り拓くための貴重な経験です。臆せず挑み続ける姿勢こそが求められます。
私たちは、この歴史を礎とし、先輩諸兄姉から受け継いだ「地域や仲間、次世代のために尽くそうとする真の心」を胸に歩みを進めます。挑戦を恐れずに邁進することで、幸せな岡山の未来を創造してまいります。
【協議会の在り方】
岡山ブロック協議会は、LOM支援という本来の役割に立ち返り、地域発展に資するLOMの運動効果を最大化する存在でなければなりません。
日本青年会議所の2020年代 地区協議会・ブロック協議会モデル 答申書には、「協議会は、LOM支援という協議会の最も重要な役割に原点回帰するため、日本青年会議所本会と一体となって現状の課題を改善し、時代に応じた機能と形態へアップデートすべきである」と協議会の在り方について示しています。
この答申に基づき、岡山ブロック協議会は連絡調整機関として県内各LOMの声に耳を傾け、課題を共に整理し、その解決に向けた取り組みを重ねていきます。さらに、必要に応じて外部の知見や情報を共有し、LOMが展開する運動効果の最大化に貢献します。こうした取り組みを通じて、岡山ブロック協議会は支援の原点を体現し、県内各地域と共に歩みながら、岡山県全体の持続的な発展を力強く実現してまいります。
【拡大運動とブランディングの強化】
会員拡大は、青年会議所が創立以来一貫して取り組んできた根幹の運動です。新たな自己成長を求め、地域に貢献しようとする同志が集えば集うほど、それは地域発展の大きな原動力となります。だからこそ、まず「会員拡大が地域の発展に直結する」という意義を共有し、会員拡大をリードできる人財を育成することが不可欠です。
一方で、会員拡大の課題はLOMごとに異なり、目指すべき姿や計画の進め方が十分に検証されていない現実があります。岡山ブロック協議会は、各LOMが将来像を描き、その理想を現実に近づけられるよう、歩調を合わせた支援を行います。
また、これからも地域に必要とされる組織であり続けるためには、「組織のブランディング」が重要な戦略となります。どれほど素晴らしい運動を展開しても、地域の方々から認知されなければ成果にはつながりません。また、その想いを継ぐ次世代のメンバーがいなくなれば、青年会議所の存続そのものが危うくなります。だからこそ、青年会議所は「社会に役立つ組織」「社会に認められる組織」「志ある人財が集う組織」として広く認知されるよう、情報発信とブランディング戦略を強化してまいります。
【誇りあるJAYCEEの育成】
岡山ブロック協議会においては、会員数の減少や在籍年数の短期化が進み、3年未満のメンバーが全体の半数近くを占めるLOMも少なくありません。そのため、入会して間もない段階から要職を担う機会が増え、十分な経験を積む前に大きな責任を負う状況も生じています。また、参画意識の低下により組織の弱体化が進んでいるのも現実です。
これらの課題を克服するためには、第一に「理念の浸透」が不可欠です。青年会議所の理念、目的、存在意義を深く理解し、自らの言葉で語り行動へとつなげることのできる人財を育むことで、仲間を想い、JCメンバーであることに誇りを持つ組織を構築します。 第二に必要なのは「運動を起こすJAYCEEの育成」です。JCIMissionに示されている通り、青年会議所が目指す人財とは、社会により良い変化をもたらす運動を起こすことができる青年です。目指すべき人財を生み出すためにより多くの発展と成長の機会を提供できるようにしていかなければなりません。入会年数に関わらず、社会課題を見出し、地域社会を巻き込み、解決に向けた運動を起こすことができるよう学びと成長の仕組みを整えることで、誇りあるJAYCEEを育成してまいります。
【FCPによる家庭の防災意識の向上】
地域の防災力を高めるためには、社会の最前線である「家庭における防災意識の向上」が不可欠です。令和6年度に岡山県が発表した防災対策に関する調査によれば、災害への備えとして『避難場所や避難経路を確認している』と回答した割合は41.1%と半数にも満たず、『家族との連絡方法を決めている』と回答した割合は23.7%と、極めて低い水準にあることが明らかになっています。こうした現状は、多くの家庭において災害時の具体的な行動が十分に想定されていないことを示しており、初動の遅れや混乱を招く要因となりかねません。そのため、平常時から家族の行動や役割を明確にし、有事においても冷静かつ迅速に行動できるようにするFCP(家族継続計画)の視点が必要です。
家庭における具体的な防災行動計画や平常時から有事へ意識や行動を切り替えるための明確な基準をあらかじめ定めておくことで、初動の混乱を最小限に抑え、落ち着いた避難行動につなげることができます。これらの取組を積み重ねることにより、一人ひとりの防災意識が高まり、家庭の備えは地域全体の力となり、安心して暮らせる強靭な岡山を実現してまいります。
【日常から始めるカーボンニュートラルの推進】
岡山県では、2030年度に2013年度比39.3%削減、2050年のカーボンニュートラル達成を目標に掲げています。しかし、家庭や地域での環境配慮行動は十分に定着していないのが現状であり、日常生活における工夫と継続的な取り組みこそが削減の鍵となります。目標達成には、家庭を推進の最前線とし、子どもから家庭、そして地域へと行動を広げる仕組みが求められます。身近な体験を通じて環境意識を高めることで、日常の小さな行動から未来を変える力が生まれます。省エネや資源循環、食品ロス削減など、私たちの日常にはすぐに取り組めるものが数多く存在しています。子どもたちが学んだ行動を家庭へ持ち帰ることで、保護者や地域の意識変容へとつながり、やがて岡山県全体での環境配慮行動の定着を目指すことができます。
さらに、岡山ブロック協議会が主体となり、事例を積み重ねて発信し、県内各地のLOMが互いに学び合える体制を築いてまいります。こうした取り組みを継続することで、家庭発のカーボンニュートラル推進モデルを全国に広げ、岡山県全体の目標達成に寄与してまいります。
【結びに】
あなたは、何のために、誰のためにJCをしていますか。
私はまず、「自分のため」にJCをしてほしいと願っています。
あなた自身が成長を実感できる一年にしましょう。
日々の小さな挑戦を重ね、自らの成長にこだわり続けましょう。
岡山ブロック協議会は、出向された方や関わるすべてのメンバーに発展と成長の機会を提供し、そこで得た成長をそれぞれのLOMへ還元していただきたいと考えています。
成長とは、できなかったことができるようになること。できることをさらに高めること。
そのためには、考え方を変え、行動を変えることが必要です。
「1.01と0.99の法則」があります。
1.01の365乗⇒37.8
0.99の365乗⇒0.03
毎日わずか1%の成長を積み重ねれば、1年後には38倍の成果に。
逆に1%の油断を重ねれば、ほぼゼロに近づきます。
1年後、努力と挑戦が習慣化された新しい自分に出会いましょう。
あなたの成長は、家族のため、会社のため、LOMのため、地域のため、
そして「幸せな岡山の未来」のためにつながっていきます。