公益社団法人 日本青年会議所 関東地区
東京ブロック協議会 2026年度 会長意見書
公益社団法人 日本青年会議所 関東地区
東京ブロック協議会 2026年度
第55代会長 長井 俊
【はじめに】
「青年時代の貴重な時間をどう生きるか、それをどう活かしていくか、そしてどんな人々と出会い自身を磨き上げるか」
私の人生で一番大切にしていることは、「人との出会いに感謝を忘れない」ことです。
青年会議所だけではなく、仕事や家族など、普段から多くの方々に我々は支えられています。人は一 人では何もできません。JCの最大の魅力は人と人との出会いであり、そこでの個人の成長であると私は考えます。しかし、その成長は、自分の積極的な姿勢でも変わっていくものであり、その人や活動から何かを吸収したいという想いが無ければ、自分よがりで成長はストップしてしまいます。自分の軸をも つことも大事であると思いますが、自分の思考を相手の思考と融合させ、自分にはない新たな価値観を知ることが重要であり、その積み重ねが新たな自分の成長へとつながっていくのです。
私は 2015 年に立川青年会議所に入会し、これまで出向を含め多くの役職を経験させていただきました。青年会議所は単年度制のため、1 年で組織が変わります。毎年役職も変わり、多くの経験や学びがある反面、時にはすべてが新しくなるが故に、戸惑い、足踏みをしてしまうこともあります。その中で役職を経験する度に、人を動かすことや地域に変化を起こしていく難しさを体感してきました。それでもこれまで私が活動を続けてこられたのは、その時々で支えてくれた地域の皆様や先輩諸兄姉、共に切磋琢磨してきた LOM メンバーや東京ブロック協議会内の仲間がいたからです。その一瞬一瞬の貴重な出会いは、かけがえのない私の人生の財産となっています。社会を動かすことは、1 人では困難です。また、自身が成長することでさえも、自分ひとりの力だけではなく、そこには仲間の存在があるからです。
多くのメンバーと共に歩んできた JC 運動。次はさらに多くの方々を輝かせたい。JC が楽しかったと 卒業してもらいたい。最高の仲間と運動ができた、その全てに「感謝を忘れない」そんなメンバーを増やしてまいります。
【多文化共生社会の実現に向けて】
多文化共生とは、異なる国籍や民族の人々が互いの文化的違いを尊重し、対等な関係を築きながら地域社会の一員として共に生活することを意味します。この概念はグローバル化が進む現代社会において非常に重要であり、特に外国人移住者が増加している東京では、地域社会における多文化共生の推進が不可欠です。
日本全国で働く外国人労働者の人数は、2024 年までに全国で 200 万人を超え、これまでで最も多くなっています。また、東京都に住む外国人の数は 72 万人を超え、2000 年から比較すると、2.5 倍も増加しています。1 つの要因としては、国を越えて人々がビジネスの機会を得る時代となり、多種多様な人々と関わり、様々な文化が絡み合うことでグローバル化は加速しています。また、ヒト・モノ・カネ、更に情報が国境を越えて動く中で、人々の付き合い方や考え方も多様化しています。つまり、様々な文化が混ざり合う文化的視点での交流、地域での住みやすさを整備する環境面での対策も含め地域の多文化共生について考えていく必要があります。
青年会議所は、国際的ネットワークがある組織だからこそ、グローバル化が進んでいるこの時代に我々が先頭に立っていかなければなりません。そのためにも、東京中の多くのメンバーへ国際交流の機会を創出すると同時に、まずは日本人の私達から相手に興味をもち、諸外国の方々との積極的な交流を結びながら、誰もがまちに住みやすい環境を整えてまいります。国籍を超え、様々な文化や人々が混ざり合う地域で、次代に誇れる地域を目指し、多くの市民やメンバーを「輝」かせていきましょう。
【ALL TOKYO を更なる高みへ】
2023 年度全国大会東京大会の開催を契機に、掲げた ALL TOKYO という言葉が引き継がれ 4 年目を迎える年となります。2023 年度に東京青年会議所が、全国大会を主管するにあたり、東京ブロック一丸となって大会を盛り上げたいという想いから始まった言葉。想いを受け継ぎ、時代が少し変わり、さらに多くの人財が増えたことで、新しいメンバーの巻き込みを行っていく必要があります。次代のメンバーに ALL TOKYO という言葉を紡いでいくことと、さらに各 LOM へブランディングしていくためにもブロック大会の名称は ALL TOKYO ブロック大会で継続してまいります。
2026 年度には、主に 2 つの大会が東京ブロック協議会内で開催されます。第 55 回 ALL TOKYO ブロック大会町田大会の開催と第 74 回関東地区大会立川大会の開催であります。この 2 つの大会に関わることができることを最大の契機と捉え、各 LOM の皆様方との交流を図り、連携をしながら多くの都民に運動を発信してまいります。また、それぞれの大会において 5 益を達成するべく、主管 LOM・関係諸団体と手を取り合い最高の大会にしていきましょう。
一人ひとりが主役となり「輝」くことで、「ALL TOKYO」という大きな光を作り上げましょう。
【地域社会への防災意識の醸成】
近年、気候変動の影響により、水災害や土砂災害が増加しています。特に、2018 年の豪雨や 2020 年の豪雨では、過去最多の土砂災害が発生しました。これにより、河川の氾濫や土砂崩れの危険性が高まっており、防災対策の強化が急務とされています。私たちの生活が豊かになっている反面、その弊害として気温の上昇や豪雨災害など、自然災害の根本的な原因である環境側面にも注目し、他人事で考えるのではなく、自分たちが生されている地球での現状を我が事と捉え解決する必要があります。
また、直近で大きな地震が頻発しているのにも関わらず、地域社会における防災意識というのはまだまだ薄い傾向にあり、上記の災害に対する備えというのは十分で無い方がほとんどであるというデータもあります。その要因としては様々であると思いますが、自然災害多発国と言われるこの国で日頃から備えておいて損はありません。今ある環境を次代に引き継いでいくためにも、家族単位で備えをしておくことが必要です。
2026 年度には、第 74 回関東地区大会立川大会も開催され、防災や環境対策の学びや発信に繋げられる機会です。気候変動や近年の地震などの災害がいつ私たちに降りかかってきても不思議ではない現状や、個人の生活様式の多様化に伴い相互扶助の必要性が薄まり、地域の人間関係の希薄化が進む昨今であるからこそ、より多くの都民や関東中のメンバーに対し、防災や環境の学びを発信し、安全で安心な強靭な地域を作っていく一歩にしてまいります。
一人ひとりの備えや意識で、「輝」が失われない地域を作りあげましょう。
【青年という貴重な時間に多くの人と出会い、共に学ぼう】
東京ブロック協議会内の会員数は、減少傾向にあります。単純に人口の減少や少子高齢化なども挙げられるかもしれませんが、SNSの普及により、直接会わなくても人と人とが繋がれる社会になり、組織に所属しなくても多くの出会いがあることも要因の一つと私は考えます。しかし、青年会議所には確固たる魅力があります。
青年会議所は「学び舎」と言われています。それは、青年会議所の大事な要素の一つに、地域のリーダーを作りあげるために「青年に発展と成長の機会を提供する」ことがあるからです。具体的には、青年会議所のメンバーは職業や役職、環境が違う人達が集まり、仕事とは違うフィールドで本気で意見を 交わすことで他者から学び、成長しています。その学びは、紛れもなく人と人との交流によって生まれるものであり、多くのメンバーと触れ合うことで、多様な価値観を融合させ成長していくのです。その 学びを、さらに高みへ引き上げていくのがブロック協議会のアカデミーです。
東京ブロック協議会の入会 3 年未満の会員数は、半数以上となっており、どこの LOM でも若手から活躍しているメンバーは少なくありません。つまり東京ブロック協議会をさらに活性化するためには、これから LOM で中心を担っていくアカデミー生メンバーの成長を急速に促す必要があります。
私も、多くのメンバーや地域の方々との出会いを通して、また実践や失敗を繰り返し、考えが変わり、そして行動が変わった 1 人です。青年会議所の活動の中で、本気で地域や青年会議所と向き合い、今まで出会うことができなかった方々とも出会うことができ、様々な価値観に触れることができました。人が行動し、人を動かすとき、その想いは必ず誰かとの出会いによって生まれているものであると思います。
人は学び合い、成長し続けます。人との出会いは、必ず自分を変えてくれます。そして、チャレンジからする失敗は、自分自身をステップアップさせてくれます。失敗を恐れずみんなでチャレンジしていきましょう。新たなチャレンジとして、関東地区大会立川大会にもアカデミー生に参画していただき、実践から気づきを得てもらいたいと思っています。
次の時代のリーダーであるアカデミー生を、東京ブロック協議会から「輝」かせましょう。
【垣根を超えた連携を生み出す、LOM 支援】
2024 年度から、作り上げられてきた LOM 支援委員会が 3 年目を迎える年となります。東京を 3 エリアに分け、エリア制度を敷き、その中でのメンバー同士の交流や情報交換を進めてきました。
東京ブロック協議会には 24 の青年会議所が存在します。それぞれの、文化や歴史、魅力がありますが、抱えている課題は様々であり、「会員拡大」、「人財育成」、「事業構築」など、多岐に亘ります。しかし、角度を変えるとその課題に対しての成功事例も複数存在します。LOM の垣根を越えれば、今まで LOM でできなかったことも、気付きを与えてくれる可能性があるということです。また、人数の関係で活動や事業が制限されている LOM なども含め、そのフォローなども近隣地域で行えるような体制を整えていくことも可能です。しかしながら、このエリア制度での情報共有や近隣 LOM との交流のその先に、新たなチャレンジや運動展開になかなか踏み込めていないという実態もあります。
その点を踏まえ、3 エリアを跨いだ情報共有の場を設け、エリア内に留まらず、東京ブロック協議会全体として LOM 支援をできる環境をつくります。ブロック協議会の担いである、LOM 支援を徹底すべく、各地の課題や実績に目を向け、常に伴走者の視点を持ち、日本本会や関東地区協議会と連携を図りながら、総合連絡調整機関として 24LOM に寄り添い、心が通った支援を実行に移してまいります。
LOM に「輝」を与える、互いを支え合う心を大事にした支援を徹底しましょう。
【交流から活性化を生むスパイラルを】
青年会議所の渉外事業では様々な学びと交流があります。これまでも、東京ブロック協議会では、渉外でのブロックナイトや野球大会、交流会事業など様々な交流の場を用意してきました。そのような交流の場において、最大限その渉外の地に行って良かった、時間を使って良かったと思っていただく必要があります。また、その中で何かを見出し、持って帰ってもらう必要もあります。
2026 年度の ASPAC は開催地が新潟県、世界会議はフィリピン共和国での開催と、距離としては近くでの開催となります。2025 年度世界会頭を輩出した NOM として、また東京ブロック協議会の仲間として、多くのメンバーで渉外に参加し、個人の成長と LOM の発展に貢献していきましょう。
交流は、LOM の垣根を超えた、メンバーとメンバーの繋がりをつくる場です。LOM の方々だけでなく、ALL TOKYO の仲間として、交流事業や渉外事業を中心に、メンバー間の絆を育んでまいります。 東京ブロック協議会から、各 LOM の一人でも多くのメンバーの心と心を繋げ、その繋がりが LOM 同士の繋がりとなり、協議会を活性化させるスパイラルを生み出しましょう。
交流から、個の「輝」を発信していきましょう。
【徹底したブランディングとパートナー連携】
青年会議所では、SNS をはじめとした、チラシやポスター、メディアへのプレスリリースを含めて多くの情報を地域に発信しています。そして、私たちの活動も今の課題に着目して、その課題に向き合い、都民にも学びになり得る運動を展開しているはずです。しかしながら、青年会議所を知っていてもその魅力を十分に伝えられていない方々もいる、という事実も忘れてはなりません。私たちのように、諸団体や企業でも広報に頭を悩ませている方々の声をよく耳にします。さらに、同じ青年会議所同士の広報でさえあまり何を発信しているかよく分かってない現状があるという事実もあります。
私達が日頃行っている広報は、決してやり方が間違っている訳ではありません。広報は個人や一つの 委員会が行っても発信力は弱く、一人ひとりが積極的に青年会議所の運動を発信することで、その発信力は何倍にも膨れ上がります。東京ブロック協議会には、約 1,400 人近くのメンバーがいます。LOM は 24 あります。ここが、連携できればその広報の力は何倍にも膨れ上がります。
2026 年度はブランディングを、24LOM と連携しながら行い、お互いの発信力を強めていけるような改革を行います。基本に忠実でありながら、多くのパートナーと連携し、発信力を高めてまいります。
一つひとつの運動に心を寄せ、東京ブロック協議会内だけでなく LOM との横断的な連携を取り、一丸となった広報で、私たちの「輝」を発信していきましょう。
【結びに】
ブロック協議会の最大の使命は、「人財育成」と「LOM 支援」であります。だからこそ、相手に心から共感してもらえるように活動をしていかなければ到底達成できません。そして、自己満足の活動になっていては、LOM はおろか組織内の人々の心さえ動かせるはずがありません。他人や組織を変えるというのは、大変難しいことです。しかし、心から地域や人、LOM を想い、行動することができればきっ と変えられるはずです。
共に輝けるリーダーになりましょう。そして、その光で多くの方に輝きを与えていきましょう。
個々の「輝」が、LOM の「輝」へ、そしてその集結が ALL TOKYO という大きな「光」となる組織へ
-スローガン-
輝
-VISION-
次代に紡ぐ、世界に誇れるまち東京の創造
-MISSION-
本気で取り組むからこそ生み出される学びと感謝を周囲に伝えられる人財育成
-VALUE-
・熱意から生まれる行動を
・行動を起こすことで、連携を生む力を
・連携から生まれる、ALL TOKYOの実現を
・そのすべてに、感謝を