LOM財産共有

LOM活性化の鍵は褒賞事業にあり!
東北地区内において、JCI日本の褒賞事業に積極的に参画されているLOMの皆様から伺ったお話を、全3回にわたりご紹介いたします。

第1回はAWARDS JAPAN 2020において、「おおたま未来デザイン事業」をエントリーし最優秀組織改革実践プロジェクトに選ばれた、福島ブロックの(一社)もとみや青年会議所(以下、JCIもとみや)の菊田広嗣君と廣瀬英孝君にお話を伺いました。

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取材ご協力:(一社)もとみや青年会議所 菊田広嗣君(2020年度理事長)
                          廣瀬英孝君(2020年度専務理事)

――AWARDS JAPAN 2020において受賞おめでとうございます。早速ですが、受賞されました「おおたま未来デザイン事業」の概要を教えていただけませんでしょうか。

菊田君:事業を行った背景から説明させていただきますと、凄い早さで国際化が進んでいるので、これからは国際的なことにも視野を広げられる人材の育成が必要になってくると考えました。その上ではまずは国際的な課題を知らなければなりません。事業を通して、国際的にはどのような課題があるのかを知った上で、自分たちの身近な課題に気付くとともに理解することで、様々な物事に対する視野を広げ、マクロでもミクロでも同じように課題を見つけられる人材を育てたいと考えました。またJCI日本ではSDGsを推奨しておりますので、SDGsというものをしっかりと認識していただきたいとも考えました。事業においては、まずはSDGsとはどういうものかを理解していただき、そのうえで持続可能な社会に向けて必要なことは何かということを、自らの周りのことからグループディスカッションを行って課題を発見し、解決するにはどうしていくかということを考えていただきました。この事業は、参加者の方々に地域のことを真剣に考えていただくことで、大玉村の地域創生へつなげたいという想いから、大玉村の中学生の皆様を対象として、大玉村と大玉村の教育委員会の皆様などにご協力いただきながら実施いたしました。ここがこの事業のポイントともなるのですが、最終的にはJCIもとみやの手から離れていただき、大玉村が独自で今後も生徒の皆さんに対して同じような考え方の事業を繰り返していただき、さらに広く伝播していただくことを目指した事業でありました。

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グループディスカッションの様子

――この事業は以前から継続されてきた事業なのでしょうか。
菊田君:この事業は2019年度に立ち上げた事業でしたが、JCIもとみやが主催で実施したのはその年のみでありました。JCIもとみやは本宮市と大玉村の1市1村の地区で運動や活動をしておりますが、この事業の構想をお伝えしたところ大玉村の村長が非常に前向きになってくださいました。村長が「これからはSDGsのような考え方は大事だし、子供たちにもそのような考え方を伝えていかなければならない」ということで、立ち上げの段階から大玉村に事業を委譲して今後も実施していただくということを睨んでおりました。

――なるほど。そうすると、この事業当初睨んだとおり大玉村に委譲されたのでしょうか。
菊田君:はい。ありがたいことに2020年度から大玉村が独自で、地域課題を村のみんなで考えようという「大玉コミュニティ広場」という事業を行っていただいております。それに対して私たちは主催には関与しておりませんが、大玉村から事業の生みの親ということで、事業開催時には招待をいただいております。

――地域の方々に事業を委譲するというJCの事業の理想の形が短期間で行われていることが非常に素晴らしいと思います。そのうえで、事業を通して地域の方々に何か変化などは見受けられましたか。

菊田君:まだ事業を行って多くの時間が経過した訳ではありませんし、事業を大玉村に委譲してこれからも進行形で行っていただく予定でありますので、本当の効果はこれから現れてくるのではないかと思っています。しかし、最もわかりやすく感じているのは、地域からの信頼が厚くなったということです。特に村長をはじめ大玉村の皆様の、我々に対する見る目が大きく変わったと感じております。この事業がAWARDSJAPAN2020で受賞したことは地元紙に掲載されたのですが、行政の方々からも「良かったね」という言葉を頂戴することができました。また今後、我々が他の事業を行う際にも、積極的に協力する旨のお話もいただいているので、苦労しながらでも事業をやり通し、さらに褒賞事業に参画して受賞できたことは本当に良かったと思います。また、私たちが事業を行った際は、中学生の皆様を対象にしておりましたが、大玉村に委譲してからは中学生の他にも村民の方にも対象を広げ開催されるようになりました。大玉村が主催となり初めて実施した第一回コミュニティスクールでは、中学生と大玉村の皆様がディベートして、かつSDGsも議題になったことで、地域の方々にSDGsの考え方が広まったのではないかと思います。

写真③

大玉コミュニティ広場の様子

――続きまして、この事業をJCI日本の褒賞事業にエントリーしようと思ったきっかけや経緯があれば教えていただきたいのですが。
菊田君:実は私どもは2017年度に東北地区の褒賞事業において優秀賞をいただいている経緯があります。それは海外との交流事業ということで優秀賞をいただいたのですが、それが今回エントリーする一つのきっかけともなりました。また、対外の目線からきっちりと評価され、また表彰されることは、LOMのメンバーの「自分たちの行っている事業が人のためになっている」という誇りになり、モチベーションを上げることにつながると考えます。「これからもJCIもとみやは地域のためにしっかりと事業を行っていく」というメンバーの向上心や士気を上げるための手法の一つとして、常に褒賞事業への参画は頭の片隅には置いておりました。JCIもとみやは、最近は若手のメンバーも多いもので、どのLOMでも苦労されていると思いますが、新入会員や若手の会員のモチベーションを上げて活動を活性化していくことが課題の一つでありました。そういった面で褒賞事業というのはメンバーのモチベーションを上げるのに最適だと考えてエントリーをいたしました。

――非常にかみ砕いてご説明いただきありがとうございました。次に、褒賞偉業へ積極的に参画される中で、何か苦労したこと、大変だったことがあれば教えていただきたいのですが。

廣瀬君:こちらの事業は菊田君が説明したとおり、地域の子供たちを巻き込んでSDGsを絡めて地域の課題を考えるというもので、手前味噌で恐縮ですが大変素晴らしい事業だったと思います。その中で、褒賞事業に参画したわけですが、その素晴らしい事業を文章として表現して、それを評価していただくということが、申請の担当として重責でプレッシャーを感じました。昨年度、褒賞事業を担当していたJCI日本のロールモデル推進委員会に当LOMより出向させていただきました佐川君(2021年度東北地区スポーツ活性化委員会)とも相談して、LOMの理事会後などに指導をいただいたり、どのようにしたらこの事業の素晴らしさを伝えきれるのかということを真剣に考えました。その結果、褒賞事業にエントリー出来ただけではなく、受賞という成果を残すことができ大変良かったです。良い事業であることは自分では分かるのですが、どのようにして相手に伝えるかということが、今回最も苦労いたしましたし、大変勉強させていただきました。

――先ほどお話しをお伺いしましたが、これまでにもJCIもとみやさんは地区の褒賞事業など参画されてきましたが、今回の日本の褒賞事業に参画されて得られた気づきなどありましたら教えていただけませんか。

菊田君:一点目としてはメンバーの一体感やモチベーションの向上があったと思われますが、その上でメンバー全員が「この事業がどのような人に対してどのような思いで実施されたのか」ということを再認識し、深く掘り下げることができたのがすごく良かったです。まずはエントリーするときに、「エントリーしようと思うけどこの事業って確かこんな事業だったよな」と一回振り返ることができます。その後ノミネート、結果発表を待つときや例えば今日のこの取材に関しても、一回一回の機会においてLOMの中で再度話題として上がりますから、「こんな事業だったな」と振り返ることができます。そのようにして何回も反復することで、青年会議所の運動や活動の本筋を再認識する機会ができることも貴重かなと感じております。

――私自身、本年度このような役職を務めさせていただいておりますが、褒賞事業に関しては本当に無知に等しく、本日この取材をさせていただきながら多くのことを学ばせていただき、感服しております。この記事を読んだ今まであまり褒賞事業に関わってこなかったLOMの皆様に対しても非常に有益なお話だと思います。

菊田君:基本に立ち返って反省することもできますし、メンバーのモチベーションに対する効果もあると思います。それと大事なことで少し語弊があるかもしれませんが、自然とLOMとしての一体感が生まれるので、普段あまりJCに対して興味のないメンバーに対しても、「やっぱりうちのLOMはすごい」と感じさせることもできると思います。これからどんどん事業に参加してもらうための呼び水にもなるので非常に良い手法であると改めて感じております。エントリーの際の苦労はありましたが、エントリーすることだけでも大変意義があると思いますし、受賞したことによってさらに大きな効果があったと感じておりますので、褒賞事業への参画というものは間違いなく良いことであると思います。

写真④

AWARDSJAPAN2020での受賞は地元紙でも報道された

――メンバーのモチベーションのお話にもリンクしてくるかもしれませんが、褒賞事業参画・受賞後で、メンバーの行動や心境の変化など見受けられたことはございましたか。

菊田君:一つ間違いなく言えるのは、自分たちがやってきた方向に間違いがなかったということを認識することができ、メンバーの迷いがなくなったということだと思います。私たちは地域に住まう青年として「地域の役に立っている」「JCI日本という大元の組織も認めてくれている」「自分たちの方向性に間違いは無い」という想いが溢れました。事業に邁進する上で「これって本当にJCでやるべき事業なのか」「この事業って独りよがりになっていないか」というような迷いは絶対に生じると思いますが、褒賞事業に参画、そして受賞した後は確信をもって青年会議所の運動や活動に取り組めるようになったと感じております。

写真⑤

――今回もとみや青年会議所はAWARDSJAPAN2020の最優秀組織改革実践プロジェクトを受賞されたわけですが、受賞されたとき率直にどのように感じられましたか。

菊田君:本当に率直なことを申し上げますと、まず1番は他のLOMが本当にもったいないなと感じました。自分で言うのもなんですが、この事業に関しては、大玉村への事業の委譲が非常に円滑にいき、またSDGsを取り入れたことが本当に上手く重なりました。正直、自分たちの中でも「上手いこといった事業だな」という気持ちはあったのですが、他のLOMでもこの事業に負けず劣らずどころか、もっと素晴らしい事業をたくさん行っていると私は思っております。行っているのに褒賞事業のエントリーとなると、例えば「うちよりも凄いLOMがある」と思って挑戦しないことが非常にもったいないと思います。

――先ほどから、この事業の概要などお伺いしましたが非常に素晴らしい事業で、受賞に値すると感じていたのですが、当事者としては受賞の喜びよりも、他のLOMのもったいなさが強く感じられたのですね。

菊田君:もちろん喜びが無いといったら嘘になりますが、ただ受賞の喜びよりも他のLOMの皆様に対するもったいなさや、自信を持って積極的にエントリーして欲しいという気持ちが最初に出てきました。その次に出てきたのが、JCIもとみやは2017年度に一度いただいているので、もうしばらくはこのような機会は無いだろうと思っていたのが、まさかまた今回受賞することができたという驚きと共に、自分たちのやってきたことに対しての誇らしい気持ちです。でも全てが正直な気持ちです。こういった気持ちや感情は一つ一つ単独で来るわけでは無く、まとめて押し寄せて来るものですね。

写真⑥
上段左:菊田広嗣君(JCIもとみや2020年度理事長)
上段右:廣瀬英孝君(JCIもとみや2020年度専務理事)
下段左:佐川隆司君(東北地区協議会 スポーツ活性化委員会委員長)
下段右:和泉康允君(東北地区協議会 チームビルディング担当副会長)
上段中:熊谷英敏(東北地区協議会 LOM財産共有委員会委員長)

――最後に、褒賞事業への参画は各LOMによって温度差があるようなのですが、参画することに障壁などを感じているLOMにアドバイスがあれば教えていただきたいのですが。

菊田君:皆様何回も聞いていらっしゃると思うのですが、JCというのは市民意識の変革団体と言われています。意識を変革するためには、まずは自分が変わり、そして周りが変わり、地域が変わり、日本が変わり、世界が変わるという考えでありますから、まずは自分と自分の身のまわりから少しずつ変えていくことが基本であると思います。そういった中で、まずは「褒賞事業にエントリーできるような事業を自分がしっかりと行う」という気持ちが自らのモチベーションの向上に繋がると思います。また、エントリーするにはLOM全体の力が必要ですので、メンバー全員で協力することでLOMが変わっていくと思います。そして、LOMが変われば地域も絶対に変わっていきます。各LOMで行っている事業は、絶対に間違ったことはやっていないと思います。地域のことを考える青年として、絶対に素晴らしい事業をやっていると思うので、褒賞事業に一つもエントリーしないことはもったいないです。繰り返すようですが、褒賞事業への参画の過程で自分の意識を変革することができますし、それによって仲間やLOMの意識も変革されて、地域の意識も変革されていくと思います。自らの費用と時間を使って日頃の運動や活動を行っているのですから、そんな中で得るものを少しでも多く持って帰らないともったいないと考えたときに、私は褒賞事業への参画、エントリーというものは様々なことに対する起爆剤になるのではないかと思います。当LOMでも引き続き褒賞事業にエントリー出来るよう各事業に励みますし、各LOMの皆様へも褒賞事業への積極的な参画をお勧めしたいと思います。

取材・原稿:熊谷 英敏(東北地区協議会 LOM財産共有委員会委員長)