革新から飛躍へ 33の灯火によるドラマチックな愛知を共創

会長所信

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公益社団法人 日本青年会議所 東海地区 愛知ブロック協議会
2022年度 会長所信

会長

 

 2022年度 会長 野々山 寿人

(JCI刈谷)

【はじめに】

いつの時代にも様々な社会課題はある。
今がそうであるように、日本はこれまでも戦争や自然がもたらす災いと闘い、幾度となく困難を乗り越えてきた。そうした先人がいる以上、私たちは諦めるわけにはいかない。如何なる困難にも立ち向かい乗り越えていかなくてはならない。

「かつてない困難からは、かつてない革新が生まれ
かつてない革新からは、かつてない飛躍が生まれる」
~松下 幸之助~

日本は今、混乱を極め、時代の転換期である。
これまで私たちは先人たちの努力の上にあぐらをかきどこか他人事で、誰かがやってくれるのを待ち望んでいたのかもしれない。
終戦後、訪れた日本の転機に、新しい時代を創造し光を与え、日本を再建するという志をもって青年が立ち上がった。
それが青年会議所の誕生であり出発点となっている。
そして青年会議所は、その運動の灯火をともした時から、「明るい豊かな社会」の実現に向けて、時代がもたらす困難に創始の志をもって挑んできた。
我々に は、地域から新しい時代を創造する責任があり、我々が描く未来こそが、日本を輝かせると確信している。

愛知ブロック協議会は、「愛知は一つ」という志のもと63年にわたり、一年ごとに英知と勇気と情熱を注がれ年々昇華されてきた偉大な結果である。
それぞれの時代の困難を乗り越え、長年継承されていることが明るい豊かな社会であると信じている。
しかし、2020年に起きた、新型コロナウイルス感染症を起因とするパンデミックにより、社会のあらゆる階層で分断が広がりつつある。
JC活動、運動は大きく形を変えることとなった。
仲間との時間を奪い、地域の皆様との触れ合う時間までも制限され、青年会議所の意義すら見出せなくなっているのではないだろうか。

「あなたは青年会議所に何を求めますか」
「あなたはなぜJC運動をしていますか」
「あなたはどのようなJAYCEEなのでしょうか」

国難の今、まちや地域を青年目線から幅広く捉え、社会課題を自ら見つけて核心をつき、より良く変えられるのは青年会議所しかない。
自身の利益を追求するのではなく、まちや地域のため、誰がため、一人ひとりができる範囲の中で社会へ無条件に奉仕をしている。
このような尊い決断をし、純粋な動機をもつ青年組織は他にはないであろう。
だからこそ混沌とした時代に地域を牽引するリーダーがより現実的に実践し、社会を変え続ける仕組みを創ることが新たな時代に課せられた青年会議所としての担いでもある。
未来を照らす灯火は地域から波紋のように広がる、インパクトを起こし、共に愛知を協創しよう。

【未来都市愛知】

私たちが住み暮らす愛知は、「SDGs未来都市」に選定されており、「世界をリードする日本一の産業の革新・創造拠点」、「人が輝き、女性や高齢者、障害のある人など、全ての人が活躍する愛知」、「県民みんなで未来へつなぐ『環境首都あいち』」など経済、社会、環境の調和のとれた、活力と持続力を兼ね備えた大都市圏を目指している。
さらに豊かな自然や多種多様な歴史文化があり、将来的には中京圏に及ぶ人口5000万人規模と期待され、日本の中心地としての将来性を高く評価され、国内だけでなく世界からの注目を集める地域である。
しかし、1956年より増加してきた人口は2020年には初の減少へと転じコロナ禍の影響で人口減少は加速し未曾有の事態が今まさに目の前で起ころうとしている。
地域において新たな可能性から価値が見出されたとき、その地域の特色を活かした価値にしなければならない。
そして、独自の地域を一人ひとりが創りあげるという自覚が必要である。
また、子供たちが大人となって生きていく未来は、今までと同じ思考や行動のままでは活躍することができない。
答えは一つでなく、答えが予測できない時代となる。
つまり、一つの正答を出せばよかった今までの勉強法では十分ではなく、そんな時代に生きるために、自ら考え、自ら学び生きる力を身につける必要がある。
さらに、中間世代の私たちが子供たちとともに成長することで将来に何が必要で、どのようなことがトレンドとなっているかを青年会議所として伝えていくことが責務でないだろうか。
誰もが地域で活躍すれば、地域はそれぞれの灯火で照らし始める。
地域や自身のおかれた場で活躍することができれば環境が整い、質の高い地域が生まれ、社会により良い影響をもたらすのである。
地域づくりの推進に当たっての横断的な視点からも各々にある青年会議所とともにまちの未来を描くことができれば主体的に自立した未来都市愛知を形成できるであろう。
子どもの吸収力はとても高く素晴らしい能力である。共に未来の子どもたちの夢を形にしようではないか。

【柔軟な組織であるために】

本協議会は、33LOMが活動する各々のまちにおいて最も頼られ、必要とされる青年の団体として確かな歩みを進めるために、ガバナンスを一層強化しなければならない。
そして、33LOMと有機的な組織連携を図ることにより、一貫性のある情報受発信と組織運営を行う必要がある。
また、多くの青年会議所の課題として会員の減少があげられる。
個の多様性を最大限尊重し、先達が築き上げた歴史と伝統に敬意を表し継承するのはもちろん、現代に即したニーズに大きく舵を切る勇気をもち、ニューノーマルな世界を先駆けて変革をしていかなければならない。
最もLOMに近い日本青年会議所として、有機的につなぐ伝達者となり、国内外で展開されている事業を33LOMに提供し運動へとつなげて頂きたい。
そして、広域的な問題や課題に対してのカウンターパートとして、各々のまちで青年世代からの目線で独自の中期ビジョンを構築していく必要がある。
さらに、時代に即し生産性を向上させ、あらゆる活動の中で、意思決定迄の時間とコストを最小化することが求められる。
自己変革を行うことで、いつも33LOMの隣で共に凛然とした歩みを進めていく。
また、エリアやLOMの枠にとらわれず情報交換をし、本協議会として横のつながりを新たに創り未来の同志を増やせるよう運動を起こしていこう。
本協議会には六つのエリアと33LOMある。
それぞれが織り成せば、計り知れない力になる。
枠にとらわれることなく、新常態となり柔軟な組織となる。
一人ひとりの力は小さいかもしれない。
何事も成功するまでは不可能に思えるものでもある。
一人では知恵、10人集まれば声、100人集まれば大きな力になる。
同志が増えれば自然とまちを動かす原動力となり、その力が波紋のように広がれば地域は持続的な繁栄に発展し、その先には有益で魅力的な組織となっているであろう。

【持続的な国際協力】

昨年は国際的な平和の祭典、東京オリンピック・パラリンピックが行われ日本国民も多くの方が歓 喜、感動されたのではないだろうか。
2022年は国際芸術祭「あいち2022」が愛知県で開催される。
日本は世界各国・地域から終戦後の援助や東日本大震災後の支援協力を数え切れないほど頂いた。
感謝を伝える立場でもあり、国際社会全体の平和と安定、発展のために、開発途上国や地域の人々を支援してきた。
国家という基本的な枠組みは失われないものの、グローバル化した世界において、人類は相互理解と連携をこれからも続けていくことになる。
国際協力は国家間や民間で行われており、経済、環境、人財など幅広く現地におもむかなくても様々な形で参加することが可能となり進化してきた。
また、地球温暖化は世界規模での課題であり待ったなしの状況である。
そこで、ものづくり王国愛知の企業の技術を活かして、現実に起こっている気候変動によるバリューチェーンへの悪影響、経済損失の拡大への対応策を輸出できれば企業の存在価値も高まるとともに現地の温暖化適応につながる。
そして、技術を輸出する点で捉えれば、自然災害が起こりうる国、地域に支援の輪を広げることができるとも言える。
どちらについてもカウンターパートと協働できれば相乗効果が生まれ、最大限の協力と現地への現実的な支援となる。
日本はこうして海外からの援助によって発展し、近代化することができた。
被援助国としての経験をもち、その感謝を知っているからこそ、経済発展を成し遂げた今、開発途上国へのきめ細やかな支援をすることができ、技術を輸出した企業はさらなる発展を遂げる。
コロナ禍だから国際協力は難しいのではなく、コロナ禍だからこそ、逆に世界との壁がなくなりつつあることを認識し、民間レベルにおけるさらなる連携を推し進めていこう。

【未来への投資】

1949年に日本で最初に設立された東京青年会議所の設立趣意書の一文に「青年会議所は国内経済の充実と、国際経済との密接なる提携」とある。
改めて2018年に日本青年会議所ではビジネスの機会という言葉を明確化した。
もちろん青年会議所に入会したからといって売上があがるものではない。
しかし、20歳から40歳までの青年経済人が青年会議所の理念を掲げ同じ志をもち活動している信頼できる仲間に変わりはない。
ビジネスに関して協力し合うことは何も問題はなく、むしろ効果はあがるのではないだろうか。
デジタル技術の進化、アフターコロナで働き方は大きく変わるなかで従業員やその家族をはじめ一人ひとりがより良く生きるべく、ビジネス×青年会議所を考える新たな時代にきている。

「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供すること」

JCI MISSIONの和訳であるように青年会議所の活動や運動に参画していく過程のなかで個の発展や成長につながることができる場である。
その中でビジネスの機会として得られるは、マネジメント能力、新たな情報、最後には人脈となる。
そして、国や県、市町から様々な補助金、助成金、給付金の受付がされている。
これらは、社会貢献がビジネスメリットに転換できることを周知し、地域の発展につながるビジネスの機会として情報提供をする必要がある。
さらに、青年会議所と地域の中小企業が交流できるコミュニティがあれば新たな価値が見出せられる。
青年会議所は、次の世代のためにと未来への願いを強く込め、我が国、そして全国のそれぞれの地域のあるべき姿を描き続けてきた。
また、「明るい豊かな社会」を創り上げようと、自らがその社会の一員として「明るい豊かな人間」になるために、運動や事業を通じて研鑽、修練を積み、学び得たことを行動で表現しながらそれぞれが互いに切磋琢磨している場、つまり「人づくり」の場である。
本協議会には、入会3年目までの会員を対象としたブロックアカデミー委員会がある。
33LOMの同じ境遇の仲間と失敗を恐れず、青年会議所の理念を学び、個の成長はもちろん、組織力を向上させるには、若い力が必要であり、リーダーとしてのスキルを高める場が求められる。
入会間もない会員がJ C運動を理解し組織力を向上する人財へと成長できる機会があれば地域の未来を描ける同志となる。
人生100年時代といわれる現在においてビジネスというのは青年世代の我々には共に歩むものであり、多くの人脈や見識、知識が身につくほど自身の力になる。
そして、未来の可能性は無限に広がっている。
地域の将来は誰かが決めるのではなく、世の中の流れに乗るものでもない。
我々青年が導かねばならず、前向きに挑戦した上で失敗したとしても次の成功の貴重な経験になり、次の世代が成功へとつなげてくれるだろう。

【地域とより近い存在であるために】

情報というのは見て、感じてもらって初めて発信となる。
JC運動が届いていなければ自己満足の世界でしかなく、素早く届けなければ価値は時間が経つにつれて皆無に等しい。
情報発信が簡易化したことにより、情報を入手するスピードは加速している。
相手にリアリティある情報を届け、他者を巻き込む広報活動は組織のブランディングにおいても重要である。
また近年では、ゲリラ豪雨や気温の上昇など今まで起きていた自然災害とは異なる災害が地域において頻発している。
そして、これらの自然災害は地域ごとに特色が異なり、課題も異なっている。それぞれの地域にどのようなリスクがあるのかを県民とレジリエンスを強化していくことも青年会議所としての担いでもある。
物事の情報はリアルタイムに発信するからこそ価値があり、人々に共感や有益な情報を与える。
しかし、その効果は数分、数秒遅れるだけで大きく変わってしまう。
この情報の価値を高めながら青年会議所の魅力を伝えていかなければならない。
そして、地域のコミュニティを創出することで情報を発信するだけでなく、受け取ることもできタイアップが可能となる。
また、自然災害において一人ひとりが自分の身の安全を守ること。
周囲の人と助け合う共助を行うためにも、まずは、地域の安全対策や災害時の身の安全の守り方など必要な対策を講じなければならない。
さらに、地域の組織と災害に備えて協定を結んでおけば有事の際に素早い対応が可能となり自発的な行動へと結びつく。
2022年のブロック大会は節目の55回目を迎える年である。
開催地の魅力を伝え多くの県民の皆様に参加をしてもらえる公の大会を構築することで本協議会の意義を認識してもらえるもっとも相応しい場となる。
そして、本協議会の最大の運動を発信する場として会員の皆様にも学びが習得できる大会にする必要がある。
さらに、ブロック大会の在り方を今一度見つめ直して、いかなる地域やエリアでも開催することができるか模索することで、今後も持続的な大会となるよう進めていく。
地域の皆様と近い距離でいることで声が届き、我々の運動に賛同を得られる。
協調の前提は個の確立にあって、各自の主体的な行動の総和が真の協調性を創出する。
優れた組織に求められるのは、今の組織という壁を突破し、自身が動かすという覚悟に帰結するのである。
人と地域、地域と地域がつながれば青年会議所としてのプレゼンスが高まり、我々にしかできない運動となる。

【さいごに】

「You only live ones」

二度とない生命をこの世に受けた。
快くこれを受け入れ精一杯、完全燃焼して生きた甲斐があるよう充実した人生を送ろう。
授かった命の一日、一瞬を誠実に生きることにより、初めてその生きる喜びを味わえるのではないだろうか。
20歳から40歳という人生でもっとも輝くこの時期に我々は青年会議所を選んだ。
この尊い決断を自信にし、活きる時間にすることで明るい豊かな社会につながると確信して。
チャレンジせず後悔するよりもチャレンジして新たな経験をすることで大きく変われるそんな一年にして頂きたい。
一度きりの人生、ドラマチックにいこうではないか。

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