20の価値と21への共鳴~想い伝わり共に動き出す静岡へ~

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櫻井

第57代会長 櫻井 亮

20の価値と21への共鳴
想い伝わり共に動き出す静岡へ

【はじめに】
バイカモ(梅花藻)という花がある。冷涼で流れのある清流中に生育し、梅の花のような小さな白い花を水中につける。非常に変異に富み、様々な方法で繁殖を行う花である。しかし、静水では育つことが出来ない。この花の生き方は、苦難な時代を生きる我々と酷似しているようにも思う。どんなに冷たくとも、どんなに流れがきつかろうとも、人を魅了する花をつける。この花が今後も、人々に価値を与え続ける花であるかのように、我々青年会議所の創始の精神に基づいた価値が今求められている。

【創始の精神】
戦後復興の最中、「新日本の再建は、我々青年の仕事である」と志を掲げ、我々の先達は日本青年会議所を発足させた。日本固有の和の精神性を根底に、国内経済の再起と国際経済との密接なる提携を目指し、幾多もの苦難を乗り越え、数々の運動を展開した。70年前の創始の精神ではあるが、誰もが経験したことのない混沌とした時代側面として通ずるものがある。誰かがやってくれるのではなく、その誰かに自分自身がなるという圧倒的当事者意識である。今という大きな揺らぎの中では、過去の積み重ねが未来を決定するのではない。どのような未来を描き切るかによって、過去と現在がどのような因果関係を持つのかが創られる時である。そして、それを描くのはいつの時代も青年である。

【静岡のアイデンティティ】
「学ぶ」という言葉は「真似ぶ」を語源としている。この静岡は東海道五十三次を基点として栄えてきた。東京と京都を結ぶ経由地として、起点の文化を真似てきたのだ。その真似てきた知識と行き交う人の求めるニーズを汲み取り、地域に合った価値を発明してきた。その集合体が現在の静岡県である。我々には学びを昇華させ、人を想う文化が根付いているのだ。
しかし、18世紀イギリスに端を発した産業革命以降、人を想う価値から量的な産業の効率化の時代へと推し進めることになった。日本も漏れなく追いつき追い越せ精神を掲げ、近代化路線を歩み、行き過ぎた持続的イノベーションの時代を迎えてしまった。
いつの時代になっても変わらないもの、それは人を想う気持ちであり、本質的な意味での価値あるものの提供である。八百万神の考えのよう、すべてのものには心やストーリーがある。人の心を動かす価値やストーリーを見つめ直すこと、そして静岡らしいクオリティ経済へと変わることが求められているのではないだろうか。

【現実を捉えた持続可能性の追求】
地域経済の観点からも、持続性の高い企業やまちに投資が集まる時代が到来している。人を想った企業やまちのビジネスモデルが共感・投資され、持続可能性に向けた動きを力強く加速させていく。言わば共感力のある企業やまちだけが持続可能性企業・都市としての未来を描けていく。ただ残念なことに、彼らはどれだけSDGsを行っているかなどのアピールに余念がない一方、現実的な成果を見た際には、実像がないケースが多々あることだ。持続可能性のために第一優先すべきはSDGsではなく、人を想う気持ちでリアルに動くことである。SDGsは後からついてくるものである。環境を語ったユートピアニズムではなく、環境と実利を語るリアリズムで動くべきである。

【生きるための価値観】
貯蓄第一主義の時代は終わった。現在、日本の個人金融資産のうち、約52%が預貯金で運用され、約29%が年金や保険で運用されている。つまり、個人金融資産の80%以上が貯蓄に回されている。この貯蓄第一主義は団塊の世代やその上の世代には最適なものであった。手厚い年金制度、終身雇用に伴う退職金、そして銀行の預金金利が5%を超えている時代だったからだ。しかし、もうすでにその時代は終焉を迎えている。
2019年、いわゆる老後2,000万円問題が発表され、老後の心配が生まれた。2020年、新型コロナウイルスの影響が経済にもあらわれ、今を生きるための心配が生まれた。さらに、国の債務は長期間にわたり増大し続けている一方、将来の経済を支える出生数は減少し続けている。誰があなたの今と老後を保証するのか。それはあなた自身である。
ファイナンシャルリテラシーの欠如。それが日本における生きるための課題の一つである。日本を形成する最小単位である個の不安を解消しなくては、「誰かのために」という思考と行動は生まれない。奥深くまで根付いた貯蓄第一主義の価値観を抜本的に変える施策を打ち出さなくてはならない。

【リカレント教育の場として情報網】
青年会議所は地域の課題を我々自ら調査し、自らの手で解決策を模索、政策の立案・実行までを行う組織である。地域に生きる青年経済人の責任として、まちづくりに向き合うActive Citizenなのである。だからこそ、新たな時代に向けた、企業やまちの生き方を再定義する運動を興している。しかし、我々の理想の範疇を越える、または理想とする姿を持つまちが新たにできるかもしれない。それがWoven City(スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想)である。企業とまちが協働し作り上げる全く新しい未来都市はどのような想いで構想・構築がなされているのだろうか。彼らが想う地域の課題、解決策、そして立案・実行のメソッドは、青年会議所を価値ある最高のリカレント教育の場とするためにも、学ばなければならない要素がふんだんにあると思える。
さらに、20の青年会議所で形成されている静岡県ではあるが、隣の青年会議所がどのような事業展開を行っているかさえ知らないケースも多い。学びの刺激なくして成長はなく、成長なくして変革は興せない。現実を捉え、期待される結果と変化を生み出す青年経済人育成機関として、最高の組織にすべく現状を破壊する必要がある。

【JAYCEEとしての価値】
「ずっと同志でありライバル」。この言葉は柳井正氏が孫正義氏を表現する時に使われた言葉である。この言葉はまさに我々青年会議所に所属する我々のあるべき人間関係でもある。日本固有の和の精神性を根底とした人を想う気持ち。その上に、まちを想う圧倒的当事者意識、そしてActive Citizenとしての使命感なくしてまちは何も変わらないし、あなた自身も変わらない。あなたの過去の因果関係が青年会議所の入会に繋がったのかもしれない。しかし、大きな変革を必須とされる時代にあなたは青年会議所にいる。それは将来何かを成すために、青年会議所にいる因果関係かもしれない。成すべきものはあなただけに課せられた使命ではない。あなたの横にいる「ずっと同志でありライバル」と切り拓く未来かもしれない。

【さいごに】
バイカモは非常に小さい花である。しかし、その周りには非常に多くのバイカモが咲き乱れている。たった一人の意識と行動が時代を作るきっかけとなる。そんな変革者たるものが一人でも多く起ったのならば、希望溢れる時代はすぐそこにまで来るのかもしれない。我々の価値ある行動から、一人でも多くの共感を得、彼らと共に鳴り響こう。

JAYCEEとして、
時代を変える第一歩を踏み込もう。
その一歩は普通の一歩ではない。
未来を描く根源となる一歩だ。
あなたが踏みしめた一歩の上を、
あなたの大切な人が通るのだから。

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