「はじめに ~青年会議所とは共に歩み輝きを放つ場所である~」
青年会議所とは、仲間が互いを映す鏡となり、時に励まし、時に問いかけながら、共に磨き合い成長していく場である。人は人との出会いの中でしか磨かれない。だからこそ同じ志を持つ仲間と真剣に向き合い、ぶつかり合い、支え合いながら歩む日々が私たち自身を高め、内に秘めた力を光り輝かせてくれる。そして、その磨かれた個が集い、連携し、地域に新たな価値と輝きをもたらす原動力となる。青年会議所には、年齢で区切られた限られた時間がある。しかし、その限られた時間の中で得られる経験、学び、仲間との絆は、生涯を通じて自分の核となる財産だ。多様な価値観と向き合い、時代の変化に柔軟に対応しながらも自らの信念を持ち続ける力は、この場所でこそ培われる。私たちは、自らが成長することを通して地域社会の発展に貢献していかなければならない。だから今こそ仲間と共に歩むことの意味を再確認し、次代を担うリーダーとしての覚悟を持って行動していく必要がある。一人ひとりが自らの輝きを信じて歩むことがやがてまちを照らす希望の光となる。青年一人ひとりが地域社会の未来を照らす存在となり、まち全体の希望の連鎖が生まれていくと信じている。すべてはより良い未来を創るために。
「福岡ブロック協議会の必要性」
福岡ブロック協議会は、日本青年会議所や九州地区協議会の運動を地域に展開する総合連絡調整機関であると同時に、県内各地の青年会議所が連携し、地域を越えた視点で運動を展開するために存在していると考えます。LOM だけの取り組みでは解決が難しい広域的な課題や政策課題に対し複数の LOM が協働することで、より大きな社会的インパクトを生み出すことが可能となります。また、地域性の異なる LOM が意見を交わすことで、多様な視点が生まれ、新たな価値や気づきが創造されていきます。福岡ブロック協議会は単なる“調整機関”にとどまることなく、県内各地の青年会議所とともに未来を描き、築いていく“共創機関”としての役割を担っていると考えます。それぞれの LOMが持つ強みを活かし合い、課題を共有し、可能性を重ね合わせることで、福岡全体の運
動に新たな広がりと深みが生まれていきます。特に、運営基盤や会員数の確保に課題を抱える LOM に対しては拡大支援を含む包括的な支援体制の整備が不可欠です。福岡ブロック協議会は、人的・技術的支援はもちろんのこと拡大戦略の立案や成功事例の共有、外部との接点創出などを通じて持続可能な組織運営に向けた後押しを行ってまいります。これは一方的な援助ではなく LOM 間の連帯によって相互に学び合い、成長し合う“共創”の姿勢を大切にする取り組みです。支援を通じて得た経験は、支える側にとっても大きな学びとなり、県内全体の運動の底上げにつなげなければならないと考えます。また、福岡ブロック協議会は、日本青年会議所や九州地区協議会との連携を担う架け橋でもあります。全国の運動方針や政策を地域の実情に合わせて展開し、県内22LOM へと伝播していくことで JC 運動の一体感と方向性を保ちつつ、より実効性のある活動へと導くことができます。そして何より重要なのは、青年会議所の使命である“人財育成”の実践です。福岡ブロック協議会は、LOM 単独では得がたい広域的なネットワークと多様な学びの場を提供することでメンバー一人ひとりがリーダーとしての視座を養う環境をつくります。志をともにする仲間とともに歩み、互いを高め合いながら成長していくその過程こそが、私たち JC の本質でありメンバー一人ひとりの成長がそれぞれの地域にとっての希望の光となるのです。これによって、青年会議所の存在意義が地域に深く根づき、多くの賛同と協力を得られるようになると信じています。
「福岡ブロックが創る国際感覚と共創の未来」
福岡は、古くからアジアの玄関口として栄え、多様な文化や人々を受け入れてきた歴史を有しています。地理的優位性に加え、空港や港湾をはじめとする交通インフラの整備、観光・ビジネス・教育といった多方面における国際的接点の多さは他地域にはない大きな強みであり、福岡の国際都市としての可能性を示しています。また、外国籍住民の増加やスタートアップ誘致、国際イベントの開催などを通して福岡はアジアと世界をつなぐ拠点としての存在感を強めています。これまでの国際交流は、国や都市とのつながりや文化的理解を目的とした「交流」が主軸でした。しかし、地球規模の課題が地域にも影響を及ぼす現代においては、地域と世界が対等な関係で課題を共有し、ともに未来を築く共創の姿勢こそがこれからの国際の在り方として求められています。私たちは、国際の意義を“つながること”から“共に課題を解決し、価値を生み出していく共創”へと再定義する必要があります。「地域から世界へ、世界から地域へ」という視点に立ち、福岡ブロック協議会は地域の未来を担う若者や青少年が国際的な視野を養い、自国の文化の再認識と多文化への理解と共感を育む機会の創出を目指してまいります。例を挙げるならばアジアの青年団体との交流や海外研修、地域在住外国人との協働事業など、実践型の取り組みがその柱となります。こうした取り組みを通じてグローバルな価値観を理解し、多様な文化の中で主体的に行動できる人財の育成に寄与していく必要があると考えます。しかしながら、福岡ブロック協議会は単体で事業を直接実施する組織ではありません。その役割は、LOM や地域行政、経済団体、教育機関など多様な団体との連携・協働を通じて国際事業の実施を支援し、後押しすることにあります。各地の LOM が国際的な活動に取り組む際に、人的・知的リソースを共有し、県内全体の国際事業の質と量を高めていくハブとしての機能を果たしていくことがブロック協議会に課された重要な使命であると考えます。国際は、
もはや遠い世界の話ではなく私たちのすぐ隣にある現実です。いま私たちに求められているのは“交流”にとどまらず、“共創”の視点で世界と向き合う姿勢です。青年会議所の国際事業は、地域と世界をつなぐ挑戦であると同時に、地域から未来の価値を発信していく確かな一歩であり、福岡ブロック協議会はその先駆者であり続けなければならないと考えます。
「支援から共創へ ― ブロック協議会が果たすべき新たな役割」
対面での交流や実践の場が思うように確保できない期間が数年にわたって続いたことで、福岡県内の各 LOM における人財育成の環境にも少なからず影響が及んでいます。本来であれば、LOM 内での役職経験に加え、出向や広域事業への参画を通じて、組織を越えた視点や実践的な学びを得ることが、中核を担うメンバーの成長に大きく寄与してきました。しかしながら、そうした経験の機会が十分に確保されてこなかったことにより、リーダーとして必要な「現場での気づき」や「挑戦と失敗を通じた成長」を体得する機会が限られているのが現状です。いま、各 LOM が直面しているのは、経験と学びを積み重ねる育成の流れが十分に機能せず、次の世代を担う人財が着実に育たないという現実です。このままでは、リーダーとしての力を備えた人財の層が徐々に薄くなり、将来にわたって地域の活動を支える基盤が弱まってしまうおそれがあります。これは、私たちが見過ごすことのできない重要な課題であると考えます。だからこそ、福岡ブロック協議会としては、次代を担う人財に対して意図的に経験の場を創出し、育成の質と量を高めていく取り組みが不可欠であると考えています。育成とは、偶然に任せるものではなく、機会をつくり、挑戦を促し、学びへと昇華させる「設計された場づくり」に他なりません。今後は、各 LOM と育成への明確な意思を共有し、全県的な視点で出向制度や合同事業、研修等を通じて、組織内外における実践的な成長機会を戦略的に創出してまいります。これにより、中核人財の育成環境が整備され、地域のリーダーが着実に育つ流れが着実に形成され、福岡ブロック内22LOM 全体の組織力が底上げされていくこ
とと信じています。
「地域の命を守るために、今私たちができること」
近年、全国的に災害の規模や深刻さが進む中、地域の防災力を高めることは、青年会議所が取り組むべき重要な使命の一つです。福岡ブロック協議会では、長年にわたり福岡県内各地青年会議所と連携し災害に対する備えと発災時の対応に取り組んでまいりました。防災・減災は「まちづくり」のみならず「人づくり」の視点から見ても極めて重要なテーマであり、私たちが主体的に関与することで、地域の安全・安心の基盤を強化することができます。福岡ブロック協議会では、県内各地の LOM と連携し、横断的なネットワークを構築することで、地域ごとの課題に応じた防災・減災の取り組みを支援してまいります。具体的には、各 LOM との連携をより深くし有事の際に迅速に実働できる組織をつくり、効率的な災害支援を行います。また「情報伝達の迅速化」「様々な機関
との連携」「平時からの備え」といった災害対応に欠かせない要素を強化するため、行政や地域団体、防災関係機関との連携を積極的に進め、青年会議所ならではのネットワークと行動力を活かして地域の防災力の底上げを図っていきます。福岡ブロック協議会は、災害に強い地域社会の実現に向けて、各 LOM が迅速に災害支援に取り組めるよう情報と機会を提供しながら、現場の課題に対応した支援を行ってまいります。そして、防災・減災においても、青年会議所が地域に貢献し、信頼される存在であり続けるよう連携と実効性ある支援体制の確立に努めてまいります。
「限られた在籍期間を最大限に活かすために 〜アカデミーの在り方〜」
近年、青年会議所においては在籍年数が短期化する傾向が強まり 3 年程度で卒業するメンバーが増加し組織内で経験を重ね、段階的に成長していく機会が減少しているのが実情です。このような環境下において福岡ブロック協議会が実施するアカデミー事業は、ますます重要性を増しています。限られた在籍期間の中で青年会議所の理念や組織、文化、リーダーとしての在り方をいかに本質的かつ効率的に学ぶか。その答えの一つがアカデミーにあると確信しています。アカデミーは単なる新入会員研修ではありません。多様な価値観を持つメンバーと出会い、自ら問いを立て、考え、行動する中で「青年としての使命」に触れることのできる貴重な場です。特に短期間で卒業するメンバーにとっては、青年会議所の本質を凝縮し様々なメンバーと価値観をぶつけ合い共に成長しあえる最初で最後の育成機会となります。また、入会歴にとらわれず「今ここにいる意味」を問い直す場として、アカデミーのプログラムを今よりさらにバージョンアップすることも必要です。形式的なカリキュラムではなく、“青年としてどう社会と向き合うか”“何を地域に残していくか”という本質的なテーマを扱うことで、たとえ短期間の在籍であっても確かな覚悟と成長を持って卒業できる環境をつくることができます。福岡ブロック協議会は、アカデミーを「限られた時間の中で、最大限の学びと気づきを得る場」として進化させ青年会議所運動の価値を次代へとつないでまいります。
「ブロック大会と FUKUOKA コンファレンスの意義と役割の違い」
福岡ブロック協議会が主催するブロック大会は、県内 22LOM の会員が一堂に会し青年会議所運動の理念を共有するとともに、経済人として、また地域のリーダーとしての資質を磨く学びの場として位置づけています。青年会議所に集う私たちは、地域の第一線で活動する若き経済人であり社会に変化を起こすべき存在です。変化の激しい時代において、次代を担う会員が自ら考え、行動し、仲間と切磋琢磨しながら価値を創造する力を育む機会として福岡ブロック大会は極めて重要な意味を持ちます。また、県内全体での連帯感を高めるとともに福岡ブロックとしての一体感を育む場でもあります。本年度は特に、「経済×少し先の未来」をテーマに据え、地域の持続的な成長に資する知見や実践を深める機会とすることを目指します。一方、FUKUOKA コンファレンスは、地域と青年会議所がともに未来を創ることを目的とした県民共創型の運動です。単なる発信や交流の場にとどまらず地域課題を共有することで市民と協働し、課題解決に向けた新たな価値を生み出すシステムとして位置づけたいと考えています。本年度は「国際」をキーワードとし、多様性を尊重し合いながら、福岡の地から世界とつながる視点で地域の未来を構想する場を創出します。多様な団体や自治体、企業との連携を通じて、青年会議所の社会的な役割を再認識するとともに、地域に開かれた持続可能な未来づくりを推進してまいります。福岡ブロック協議会は、福岡ブロック大会を通じて会員の成長と結束を促し、FUKUOKAコンファレンスを通じて地域市民との共創を進めてまいります。この二つの場を通して青年会議所の使命と社会的意義をより力強く地域に届けていきます。
「むすびに」
私たちは今、価値観や社会の在り方が大きく変化するまさに時代の転換点に立っている。こうした時代だからこそ青年会議所に求められるのは、人を育て、地域に希望の光をもたらす存在としての覚悟である。青年一人ひとりが自らの内にある可能性に気づき、それを行動によって自らを光り輝かせること。その姿が周囲を照らし、組織を照らし、やがて地域全体の未来を明るく導いていくと私は信じている。人が自らの可能性を輝かせ、地域に希望を灯すというこの挑戦を福岡ブロック協議会は 22 の LOM と共に果たしていこう。地域に根ざした様々な知見や情熱を持ち寄り、互いに磨き合い、共に学び合うことで私たちの運動はより深く、より強く、より輝きを増していく。福岡ブロック協議会は人の光を信じ、人と人とが共に輝く地域の未来をつくるため、青年会議所運動の理念と人づくりの文化を確かに次代へと繋いで行くべくその継承と実践に力を尽くしていかなければならない。