「今が未来を変えていく」
~ 彩が織りなす心躍る埼玉の創造 ~
<はじめに>
私たちが住み暮らす埼玉県は首都圏の中央から西部にわたる地域を占め、1都6県と接し交通の要所として栄えてきました。また、100年以上もの間全国で唯一人口増加を続け、人口及びGDPともに全国第5位を誇っています。さらに、緑豊かな自然や充実した都市機能を有しており、多種多様な価値観を育んできました。私は地域の枠を越えて連携し、埼玉県内の多彩なリソースをさらに有効活用することで、相乗効果を生み出し、より良い埼玉を創ることができると考えています。今こそ、人、地域、組織等あらゆるつながりを大切にし、相互に活かし合いながら、「彩(いろどり)」が織りなす持続可能な「心躍る埼玉」を創造しましょう。
私は今までのJCの経験から視座というものを大切にしています。視座とは物事を見るうえでの立ち位置を表しますが、自らの立ち位置を意識して役割を全うすることこそが本質をついた行動につながります。埼玉ブロック協議会の視座は、埼玉県の持続可能な社会を創造することだと考えます。「持続可能」とは、JCI日本において、全ての人々が笑顔で生きがいを持ち、自ら挑戦し続けることができる社会と定義されています。これを達成するには、今現在を損なうことなく、将来世代も満たすことのできる運動を展開する必要があります。つまり、県内各地域が眼前の課題を解決しつつも、未来に夢を描き持続的に発展することです。埼玉ブロック協議会はこの視座を以て、各LOMが現在と未来に向けて最大限の効果をもたらす運動ができるよう考え支援します。
<LOMの持続的発展に向けた交流と連携支援>
JC運動は各LOMで展開されており、それぞれの地域を発展、成長させることができれば、明るい豊かな社会へとつながる仕組みになっています。しかし、それぞれの地域は違えど直面している課題は共通しているものが多く、問題点を共有し、さらに連携して模索することで、解決方法の選択肢を広げることができます。また、各LOMで実施する事業や例会を連携して行うことは、発信力を高めることや、予算・人的リソース不足の問題の解消にもつながります。
まず、埼玉ブロック協議会内メンバーに埼玉ブロック協議会の役割を伝達し共感を得ます。そして、各LOMにヒアリングを行い、抱える課題に対しての解決支援を行います。LOM連携のメリットを示し、埼玉ブロック協議会が中心となって連携支援を行います。また、常日頃から交流ができるようアテンダンス制度を利用した仕組みを構築し、県内メンバーが他LOMの事業を平等に学ぶことができる機会を創出します。さらに、会員拡大に関しては成功事例やノウハウの共有をしていき、支援体制の強化を図ります。
地域の発展には、人と人とのつながりや将来を担う子供たちの育成が重要な要素となります。そこで、スポーツ交流事業を行うことが、地域の発展と子供たちの健全な成長につながると考えJCカップを実施します。
<リーダーシップを持ったJAYCEEの育成>
近年では人材の価値を最大限に引き出すリーダーを育成することが特に注目を集めています。青年会議所という人材育成機関が果たす役割は大きく、改めて時代に合わせた育成をしていかなければなりません。私は、今の時代に必要なリーダーシップの要件を、メンバーに対して「多様性を活かすこと」「挑戦を促すこと」「成長を実感させること」だと考えます。ここにさらに重要な項目として、「ビジョンを描くこと」を追加し、年間を通してこれら4つの資質を持つLOMを牽引できる人材を育成します。
まずJAYCEE育成塾を開講し、青年会議所の基礎的な知識を養い理解してもらいます。対象者は新入会員と、2020年以降コロナ禍においてJC運動を十分に実感できていない3年未満のメンバーを対象とします。また、多様性を活かすことや挑戦、成長の実感は、事業構築実施の成功・失敗の体験がもたらす影響が多いと考えます。そこで、埼玉ブロック大会やさよならブロックにおいて、事業を構築、実施する場を設けます。また、まちや組織のビジョンを描くには広い視野や知識が必要です。そこで、日本本会との連携推進運動を実施するとともに、出向者が得た学びや経験を聞くことで、LOMやブロック以外にも様々な価値観に触れて視野を広げる機会を創出します。
<未来を描く埼玉ブロック大会の実施>
埼玉県は、全国一のスピードで誰も経験したことがない少子高齢社会に突入することが予想され、生産人口が減少するなど対応が迫られています。また、震災や台風など自然災害は大規模な被害をもたらしています。埼玉県ではこの状況に鑑み、「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現に向けて埼玉版スーパー・シティプロジェクトを定め、地域特性を生かした魅力あるまちづくりを展開しています。埼玉ブロック大会では、県内各地の持続的な社会創造に向けて、行政や企業と共にスーパー・シティに関わる技術や取り組みを展開します。また、主管LOMであるJCI三郷と密に連携を取り、活動地域の魅力を展開しつつも、県内の各地域のアイデンティティを向上できるよう魅力発信の場を設けます。さらに、主管LOM以外にも参画する機会を提供し、ブロック大会という場で事業を行うことで参画LOMの成長へとつなげます。
<ビジネスの機会創出による地域経済の活性化>
首都圏という巨大マーケットの中央に立地する埼玉県は、新幹線5路線と高速道路5本という東日本随一の交通ネットワークを持ち、「東日本の玄関口」として今後も拡充が計画され、埼玉県の強みとなっている一方で、さらなる改善の余地があると考えます。交通ネットワークの整備は利便性の向上につながるばかりではなく、埼玉県の県内の経済圏の分断を解消、東京一極集中の是正、新交通による新たなビジネスの機会にもつながります。埼玉ブロック協議会では交通諸問題に対して、企業や各種団体が有する取り組みを調査研究し、行政諸団体へ提言するなど、解決への一歩を踏み出していきます。
また、近年では地域課題をビジネスの手法で解決するソーシャルビジネスが注目されています。県内の多種多様な人材を活かし、個性的なビジネスを実践して地域課題を解決すると共に新たな社会的価値を創出し、経済活性化を図ります。そして、本年は埼玉県知事選挙があることから、選挙に関する様々な情報を通して埼玉県のことを考える機会を設けます。
<おわりに>
私たちの先輩は様々な逆境にあっても仲間と夢を描き、強い覚悟を持ってJC運動を行い、熱い思いでまちづくりをしてきました。そして現在、描いた夢を絶え間ない努力によって実現した結果を、今を生きる私たちは享受しています。このように、JC運動の真の価値は、自分たちの世代である現在の改善のみならず、未来に夢を描いて次世代やさらなる後世に対しても、幸せを送ることだと信じています。そのためには、県内全てのLOMがまちのより良い未来を描き、実現に向かって行動しなければなりません。JCは常に未来を切り開いてきた歴史を持っており、多種多様な課題を運動によって解決し、持続可能な社会を創ることができるという強みを持っており、それが青年会議所の価値だと確信しています。埼玉ブロック協議会は、各LOMが未来に向かって描いた夢を支援し、それぞれが持続可能な地域社会の創造に向かって突き進むことができるよう邁進します。