33の力強い連携による光輝く愛知の創造

会長所信

  • HOME »
  • 会長所信

【はじめに】

第二次世界大戦終結から4年後の1949年、「新日本の再建は我々青年の仕事である」と志を掲げ、日本に青年会議所の灯がともりました。その精神は瞬く間に全国に広がり、1951年に総合連絡調整機関として日本青年会議所が誕生しました。そして、1959年に「愛知は一つ」という志の下、県下7つの青年会議所が立ち上がり、県内会員会議所間の意思統一、親睦交流や情報交換を目的として愛知県協議会が発足しました。その後、1966年に愛知ブロック協議会に名称変更し、本年は発足から65年の節目を迎えます。長きに亘り、県内会員会議所の発展と日本青年会議所の運動の推進に力を尽くすべく、英知と勇気と情熱を注いでこられた先達に敬意を表すると共に、発足時と変わることなく「愛知は一つ」という志の下、33会員会議所の意見を総合調整し、青年会議所運動の進展に力を尽くす必要があります。

【青年会議所とは】

青年会議所とは人々の意識を変革する団体です。人々の意識を変革するのであれば、まずは自らの意識を変革することが重要です。その上で、我々の理念・理想・夢を真摯に訴え、多くの人々に賛同いただき、その人々の行動が変化することを運動と言います。また、その運動が我々の手を離れ、自走し、発展する仕組みをどのようにつくるかを考えなければなりません。そのために必要なことは、目の前の現実と向き合い、これまでの経緯を調べ、目指すべき未来の姿を想像し、明確な目的をもって、具体的に行動することです。
物質的に貧しかった時代から、モノや情報が溢れる時代になり、「明るい豊かな社会」の定義は時代と共に大きく変化してきました。目まぐるしく変化する時代の流れを読み解き、より良い社会を未来に託せるように現状分析を行い、「地域・国家・国際」と「社会・経済・環境・人材・組織」を掛け合わせ、あらゆるパートナーと協働し果敢に挑戦することが、愛知の責任世代である我々に強く求められています。
・目の前の機会に全力で取り組む
・関わる全ての人と誠実に接する
この2つを念頭に置き、強い信念をもち、多様な価値観をもった我々が率先して行動する中で自らの意識を変革し、人々に真摯に訴え賛同いただき、その人々の行動が変化し、更にそれが広がることで、今以上に愛知が輝きを増していきます。その姿こそが、我々が追い求める「明るい豊かな社会」であると考えます。

【観光都市あいち】

愛知県は地理的にもモノづくりという観点からも日本の中心で、交通の便が優れていることから、多くの人が愛知県を訪れます。しかし、その目的は仕事や他の地域への乗り継ぎがほとんどで、観光を目的に訪れる人が多いとは言えず、自然、歴史、産業、食文化、山車、祭といった愛知ならではの魅力に溢れているものの、活かしきれていない現実があります。愛知のそれぞれの地域では当たり前でも、外から見たら素晴らしい魅力であることを認識し広く発信することで、愛知の価値が高まり、日本の価値を高めることにつながります。
2016年にユネスコ無形文化遺産に登録された「山・鉾・屋台行事」、2022年11月に第一期オープンしたジブリパーク、2026年開催予定のアジア競技大会、2027年開業予定のリニア中央新幹線など、日々愛知の魅力が増していることを県民が理解し、自信をもたなければなりません。その上で、県外や国外から多くの人が愛知を訪れ、県内を滞留する中で様々な体験をし、宿泊したくなる仕組みを確立する必要があります。

【国際都市あいち】

国際組織であるJCIに所属している我々は、しばしば「国際」を意識します。JCI CREEDの一文には「人類の同胞愛は国家による統治を超越し」とあり、JCI VISIONには「青年会議所が、行動を起こす青年の国際的ネットワークを牽引する」とあり、綱領には「国際的な責任を自覚し」と記載されています。また、愛知においては世界との玄関口である中部国際空港があり、飛行機や船舶による輸出入が活発であり、在留外国人の割合が全国的に高いことなど、「国際」を意識することが多くあります。
物質的に貧しかった時代から、モノや情報が溢れ、人の個性を尊重し、世界的な目標を掲げ全ての人が一定以上の幸せを感じられる社会を目指す時代になったからこそ、愛知が恵まれていることを再認識し、そうではない国や地域、そこに暮らす人に目を向けて能動的に行動できる人材を育てる必要があります。

【愛知を支える人】

愛知県は農林水産業、工業、商業のバランスが取れた全国屈指の産業構造があり、豊かな自然、歴史、伝統、文化など、多様な魅力を併せもっており、国内はもとより世界からも注目を集めています。社会の最小単位は個人です。人が心身共に健康で活力に溢れていなければ世の中は成り立ちません。それは愛知にとっても同様で、愛知の様々な魅力を支えるのも人です。愛知の更なる発展のためにも、愛知を支える人が、身体的、精神的、社会的に良好な状態を目指す必要があります。

【主権者意識を高める】

我が国の政治は間接民主主義を採用しており、主権者である国民が自らの意思により投票し、政治の担当者を選出することで政治が動きます。しかし、政治は遠いところで行われていて個人の力では影響を与えられないと考えている人が多い現実があります。私たちの日常生活には様々な問題が密接に関係していて、これらの問題の解決に政治が直結していることは紛れもない事実です。私たちの生活をより向上させるためには、自分自身の努力は勿論のこと、政治に関心をもち、政治に対して意思表示をすることが重要です。そのためには、自らの地域が抱える課題に目を向け、積極的に議論し、主権者意識を高めて行動していく必要があります。

【災害に強いあいち】

災害とは、自然災害などにより人や社会生活が被害を受ける事態のことです。そして、災害には自然災害、人為災害、特殊災害の3種類があり、予想し易く対策し易いものと、そうでないものがあります。いつ発災するか分からないからこそ、災害対策意識を高め、いつ、どこで、どの様な災害が起ころうとも、被害を最小限に抑え、緊急時に迅速かつ柔軟に対応できるように備える必要があります。また、青年会議所は全国組織であり、発災時にはそのネットワークが活かされます。被害状況の収集・把握、人的・物的・金銭的支援など多岐に亘ります。平時の災害対策意識向上は勿論ですが、発災時を想定して機動性と連携性を高めておく必要があります。

【会員拡大】

愛知の青年会議所において最も重要なことは、33会員会議所がそれぞれの地域の諸問題と真正面から向き合い、その解決・改善のために地域に根ざした運動を展開することです。その達成のために愛知ブロック協議会を利用したいと思ってもらえるかが重要であり、日頃からの密接な情報交換と信頼関係の構築が愛知ブロック協議会を利用するという選択につながると考えます。その中で、33会員会議所の共通の課題は会員拡大であります。
青年会議所にある数々の人材育成プログラムの最たるものは会員拡大です。拡大とは、まずは自らが青年会議所の理念や青年会議所運動の意義を理解した上で、真摯に訴えることで他者にも賛同してもらい、仲間として協働したいという意識変革を促し入会に導く活動です。愛知はもとより全国に目を向けても、会員減少は喫緊の課題ですが、会員拡大に成功しているLOMは存在します。33会員会議所の会員拡大に関わる様々な事情を我が事と捉え、対話を繰り返し、何度も足を運び、課題の共有や成功事例の集約及び発信を通じて、愛知の同志を増やすための運動を起こす必要があります。

【愛知の次代を担う人材育成】

青年会議所に入会してから卒業するまでの平均在籍年数は全国的に短く、青年会議所の理念や青年会議所運動の意義を理解しないまま理事を経験し、ようやく青年会議所の本質を理解し始めて活動が面白くなる頃に卒業を向えてしまう会員が多くいます。また、それに起因する組織力の低下により、会員を育てることが困難なLOMも存在します。
会員拡大の結果入会してくれた貴重な若者に対し、入会間もないタイミングで青年会議所の理念や青年会議所運動の意義を伝え、明確な目的をもって、具体的に行動できるように育てる場が必要です。そして、ブロック協議会という場を活かし、LOMの垣根を超えて切磋琢磨することで強固なつながりを作り、それを心支えにそれぞれの地域の未来を切り開いていける人材になっていただくことを切に願います。

【青年会議所の認知度と価値の向上】

青年会議所は人々の意識を変革する団体でありますが、県民からあまり認知されていない現実があります。知られていないということは、どれだけ訴えても届かないということです。まずは、我々が青年会議所のことを改めて深く理解した上で、青年会議所のことを県民に知っていただき、理解していただき、賛同していただかなければなりません。そのために、事業構築段階で常に広報の視点をもち、様々なパートナーと連携し、県民に認知・理解・賛同していただけるように努めることで、青年会議所の価値を高める必要があります。

【公益性の高い愛知ブロック大会】

愛知ブロック協議会2023年度の集大成の場として、西三河エリア「西尾」の地にて、第56回愛知ブロック大会を開催します。2012年度まで「愛知ブロック会員大会」とういう名称でしたが、「会員のためだけの大会ではなく、県民の皆さんのための大会でもある」という熱い想いで、2013年度から「愛知ブロック大会」に名称変更してから10年が経過しました。また、2022年度には通算55回の節目を迎えました。より公益性の高い大会を目指し11年目を迎える本年は、誰のための、何のための大会なのかを今一度考え、開催地域の資源を活かした魅力の発信と、愛知県に根ざした大会にするべく構築を行います。併せて、第57回愛知ブロック大会の主管LOMを決定します。

【日本青年会議所の協議会として】

愛知ブロック協議会は33会員会議所に一番近い日本青年会議所です。よって、日本青年会議所の理念と方針を理解し、重点依頼運動や連携推進運動を33会員会議所と連携して効果的に展開しなければなりません。「地域・国家・国際」のあり方を共に考えることは、時代の先端を捉えることであり、33会員会議所の発展に寄与するものだからこそ、日本青年会議所の有益性を理解してもらえるように努める必要があります。また、全ての運動が日本青年会議所のルールに則って運営されているかを審査する必要があり、公益社団法人としての立場を確立しなければなりません。

【最後に】

世の中は解決すべき問題に溢れていますが、どこか他人事で、「誰か」がどうにかしてくれると思っています。しかし、そのような都合の良い「誰か」なんていないのです。気付いた人が行動を起こさなければ、何も解決などされません。我々は地域に目を向けることから始める団体です。目を向けることで問題が見えてきます。「これが問題だ」「これを良くしなければならないんだ」と気付くことができたのであれば、あとは行動を起こすだけなのです。行動を起こす時、一人でできることは限られます。しかし、周りを見渡すと同じ志をもつ仲間がいます。数人の仲間が団結し行動を起こせば、何だってできるのです。
目の前の機会に全力で取り組むことと、関わる全ての人と誠実に接することを通じ、自らの意識を変革しましょう。我々の意識変革を起点とし、身近な人が意識変革を起こし、その輪が広がることで世の中はより良くなっていきます。それこそが、我々の追い求める「明るい豊かな社会」の姿なのです。

いつの時代も世の中を切り開いていくのは我々青年です。常に変革の起点でありましょう。
「どんな時でも明るく前向きに」我々が行動することが、愛知を輝かせることにつながります。
我々自身が、未来への希望なのだから。

日本青年会議所

愛知県内の青年会議所

PAGETOP