【はじめに】
2020 年から世界を揺るがしてきた新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の健康、生活、社会、経済に大きな影響を与えました。そして、コロナ禍は以前から存在していた少子高齢化の進展による人口減少などの社会問題の進行を加速させ、さらにはウクライナ情勢の影響により近隣諸国の不確実性はより一層高まっているといわざるをえません。しかし、これまでも我々は危機のたびに進歩し、より強くなってきました。社会問題においてはオンラインの拡大や普及によって解決が加速しているケースが現れ、そして、リモートワークなどの行動変化にともなって巣ごもり需要と言われる新たな消費やデジタルトランスフォーメーション加速のための投資など、新たな需要が生まれています。このように先行きが読みづらい状況において、実態をできるだけ幅広く正確に把握し、迅速に対処することができるリーダーが社会的に求められています。だからこそ、私たちは JC に向けられている期待と役割を自覚し、運動に取り組んでいかなくてはなりません。一人ひとりがまちの未来へ夢をもち、各 LOM が独自性のある JC 運動を展開することで、それぞれのまちの個性が輝く魅力溢れる岐阜県を目指すことができます。その夢を実現するために未来を切り拓くリーダーとなりましょう。
【LOM が躍動する新たな支援モデルの構築】
岐阜県内の各 LOM はそれぞれのまちの様々な課題を解決するために日々、運動に邁進しています。その中で岐阜ブロック協議会は出向者の成長の場としての役割を十分に果たしてきましたが、本会との橋渡し役については本会から求められている成果に対して乖離が生じています。本会との結びつきを、さらなる LOM 支援につなげるためには、岐阜ブロック協議会として各 LOM が必要としている情報や支援内容を把握していくことが重要です。LOMが今以上に各地域で輝くためにも、岐阜ブロック協議会として活動方針の理解共有の機会を創出するのみに止まることなく、各 LOM との情報共有を行い、本会や東海地区協議会との連携を図るための新たな形を構築する必要があります。また、JCI 日本や東海地区協議会との積極的な連携は、より幅広い知見から会員拡大や環境問題などの課題解決に向けた情報共有や、各事業の広域的且つ効果的な運動発信などによって最大限の効果を各 LOM へもたらすことができ、さらには岐阜ブロック協議会の組織力の強化につながります。それぞれの役割を明確にし、JCI 日本及び東海地区協議会の担当会議、委員会と岐阜ブロック協議会の全ての議会委員会が連携を図ることで、より良い LOM支援につなげていきます。
【魅力溢れる LOM へ 理念共感と会員拡大支援】
会員拡大は全ての LOM が直面している課題の一つであり、まだ入会に至っていない青年に JC の魅力を伝え、共に活動してもらうための大切な運動です。しかし、多様な価値観をもつ青年に想いを共感していただくためには変えてはいけないこと、変えていくべきことを見極めて変化することで魅力的な組織をつくっていくことが必要です。そして、その柔軟な組織に魅力的な会員が多くいれば自然と人財が集まり、さらに会員の成長は組織力の向上へとつながり、益々魅力的な組織へとなっていくことができます。各 LOM が一層魅力的な存在となり、このポジティブループを引き起こすためにも会員拡大について支援していく必要があります。また、アカデミー生の成長を支援することも水平思考による会員拡大となります。個の成長だけではなく、仲間との出会いから生まれる多くの人脈によってアカデミー生の未来の可能性は無限に広がっていきます。岐阜ブロック協議会として、アカデミー生の理念共感の機会とともに、活動をより豊かにするための友情を育む機会を提供することで各 LOM の活動をより活性化させ、地域の未来のためにより良い変化を促します。
【JCI 日本との連携による MOTTAINAI 運動の推進】
これまでの JC の運動もあり SDGs の考え方が広く浸透しつつある今、次世代への責任として地球環境に配慮した行動が求められています。「もったいない運動」とはそれぞれがもっている存在価値を有効に活用しようという運動であり、1993 年に JCI 日本から始まり、大勢の方の共感を得て世界中に広まり「MOTTAINAI」へとさらに昇華を遂げました。この日本人特有のもったいないという考え方は世界的な課題である食品ロスの削減や、エネルギー資源の節約等の全ての環境問題に当てはめることができます。岐阜県にはこのような課題に加えて、山間地域特有の課題もあることから、環境問題への関心をより一層高めていく必要があります。まずは運動の発信者として新たな MOTTAINAI 運動について理解し、一人ひとりが身近なところからできる環境に配慮した運動について取り組むことが重要です。岐阜県の素晴らしい豊かな自然への関心を育むとともに、全ての LOM が時代に即した組織へと変化するためにも岐阜ブロック協議会として本会と連携を図り、MOTTAINAI の意識を醸成していきます。
【防災・疾病支援ネットワークの構築】
岐阜県は山間地域に位置し、豪雨にともなう河川の氾濫や土砂災害が発生しやすい土地柄であるといえます。また、現在も猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症のような新たな疾病は、いつ発生するのか予測することは難しい状況です。しかし、近年の異常気象やコロナ禍の中であっても JC は独自の防災事業を展開し、また感染対策を徹底して事業を実施してきました。さらには社会福祉協議会との連携によってそれぞれの地域での存在感はより一層増してきています。防災及び疾病は常に自分事であると捉え、岐阜ブロック協議会と各 LOM、さらには関係諸団体との連携の強化を図ることで迅速な対応ができるように備えていく必要があります。
【岐阜ブロック大会 2023】
多くの県民が参加することができる大会の構築は岐阜ブロック協議会及び JC の意義を認識してもらえる場といえます。2023 年度の岐阜ブロック協議会の運動の集大成としての運動発信だけでなく、学びにもつながる機会を創出すると共に、これまで連綿と受け継いできた岐阜ブロック協議会の歴史と伝統を次年度へと引き継ぐ機会とします。これまでも岐阜ブロック大会では多くの魅力を県民に対して発信してきましたが、コロナ禍という先の読めない時勢だからこそ地域に寄り添った活動をするために、それぞれの地域の魅力について改めて考え、より広域的に発信していく必要があります。岐阜ブロック大会の在り方を今一度見つめ直し、岐阜ブロック協議会の最大の運動発信の場として、今後も持続可能な大会となるように進めていきます。
【おわりに】
JC 運動はまちづくりに焦点が集まることが多いように感じます。しかし、本来はリーダーを育成するためにひとづくりを実践している団体です。そして、そのリーダーとしての重要な資質の一つが夢を語ることであるといえます。それぞれの人生を振り返ってみても夢を語る、或いは想い描くことは、その節目の度に大きな影響を与えてきたことでしょう。JC運動にとっても、それぞれの地域により良い変化をもたらそう、次世代を託すことができるリーダーを育成しようと先輩諸氏が真剣に語った夢が今、我々の活動の基盤となり、新たな夢へとつながっています。コロナ禍を抜け出し、明るい豊かな未来を切り拓くためのリーダーが社会的に求められているからこそ JC がその役目を果たさなければなりません。コロナ禍によって、進行が加速している地域課題への解決が求められる今、これまでの運動に敬意を払いながらも、過去の成功体験を追い求めるだけではなく、もっと良いやり方、もっと時代に合った方法があるのではないかと、活動に好奇心をもって臨み、変化を恐れず挑戦する必要があります。まずはまちの未来を思い描き、夢を語る大切さを知ることがリーダーへの第一歩です。さあ、今こそ地域の夢を語り合い、その夢が織り成す岐阜県の未来を想い描きながら地域のために全力で活動していきましょう。