会長意見書

  • HOME »
  • 会長意見書

公益社団法人 日本青年会議所
東北地区協議会 会長意見書

公益社団法人日本青年会議所 東北地区協議会
2019年度 会長 庭 勝也

「まちはそこに住む人の意識以上にはよくならない」という理念のもと、「知即愛の精神」をもって市民の意識を高揚すべく、政策立案実行団体として運動を展開します。

「まちはそこに住む人の意識以上にはよくならない」とは、社会心理学者レヴィンの法則にもある通り、人間の行動は、人間と環境により成り立ち変化するという考えを基にできた理念であり、「知即愛の精神」とは、知ること即ち愛すること、愛すること即ち知ること、どちらも同じ精神行動であるという哲学者西田幾太郎の言葉であります。
まちは、外からやってくる風、その土地の歴史や文化である土、そこから生まれてくる心、風と土と心で成り立っています。
これが、私が青年会議所で最初に教わったものであり、今でも私のJC運動の根幹であります。

【はじめに】
1915年一人の青年から始まった運動の灯は、現在117NOM、4780LOM、16万人を超える会員へと広がりを見せております。このスケールメリットを最大限活かせば世界を大きく変えることができます。16万人の共通意識としてJCI Creed、JCI Mission、JCI Visionがあります。JCI Creedとは、明るい豊かな社会とはどのような状態かを謳い、JCI Missionとは、私たちが運動をする上で常に成長の機会を提供することが使命であると謳い、JCI Visionとは、社会の枠にとらわれずリーダーシップを発揮することが重要であると謳っております。
さらに、JC宣言、東北には東北JC宣言があります。東北人としてのアイデンティティである「結」の精神をバックグラウンドとし、如何なる困難にも負けない強い地域の再建を目指し、力強い一歩を踏み出す宣言です。

われわれは
新たな価値を創造する旗手として
尊い結の精神を呼び覚まし
かつてない未来を切り拓くことを誓う

震災や原発事故の影響が色濃く残るここ東北は、若者の東京一極集中や少子高齢化の影響もあり、日本のどの地域よりも先んじて人口減少が進み、生産年齢人口の減少による経済の低迷や限界集落増加の懸念が高まっております。そのような中、政府も地方創生を打ち出しましたが、JCの組織を生かし独自の調査研究を行い、政策立案実行団体として、市民意識を変革していかなければなりません。また、青年会議所は単年度制ということもあり、毎年毎年違う方向を向いていたのでは目標を達成することはできません。私たち東北JAYCEEは、子どもたちの夢と希望溢れる東北を創るために、「輝く東北」へ向けての実践を行い、JCが地域の「結」となって市民意識変革運動を興す、「2010年代東北JC運動指針」を策定しました。そして、2012年には中長期的な将来を見据え、持続可能な新しい東北の再建に取り組むべく「自立した新東北再建ビジョン」を策定しました。さらに、2016年には地域がそれぞれの特色を活かした地方創生に取り組み、JCが地域のコーディネーターとしての役割を果たしながら運動を加速していく事こそが輝く東北の実現につながるとして、「躍進する東北」を策定しました。東北JCに向けた運動推進として、①地域社会に貢献できる人材育成、②地域コミュニティーの再生、③地域の枠を超えた活動の推進、④「地域のちから」を活かしたまちづくりの推進、⑤地方創生につなげる事業の推進、をアクションプランとして制定しました。
それぞれの地域に今あるものを見つめなおし徹底的に掘り下げる努力をし、地域に眠っている宝を地域の維持発展に対する経済的な宝へと昇華させていく使命が私たち青年経済人にはあります。

【震災復興】
東日本大震災から我々は何を学び、何を感じたのでしょう。そこからどう行動に移すべきか真剣に考えたはずです。
現在復興庁によると、「災害公営住宅」は計画の9割は完了し、移転して自宅を再建するための宅地も8割が完成し、住宅再建は2018年度にはおおむね完了するとしています。また、被災3県(岩手県、宮城県、福島県)の製造品出荷額等は、震災前の水準まで回復しており、津波被災農地の84%が営農再開可能となり、被害を受けた水産加工施設のうち93%が業務を再開しました。被災地域の「グループ補助金」交付先企業のうち、震災直前の売上水準まで回復したのは45%であり、調査に対し建設業の8割が「回復した」と回答した一方、水産・食品加工業では3割にとどまるなど、業種別にばらつきがあります。そして、東京電力福島第1原発は、廃炉完了まで20年かかるとされています。
被災地域に住み暮らす人々がふるさとを愛し、自分たちの手で震災以前よりも輝けるまちを創るのだという強い気持ちを持ち続け、行動し続けた結果が「今」であります。企業、行政、市民、社会の枠にとらわれずリーダーシップを発揮してきたJAYCEEがそこにはいました。東北の復興は我々青年の責務であり、東北の復興なくして日本創生はありません。各地域において東日本大震災を風化させることなく、復興を加速させるためにも「東北は一つ」という合言葉を胸に邁進しなければなりません。今までの「被災地域」から今後は「防災先進地域」と呼んで頂けるように、東北JCが導いていかなければなりません。大規模災害発災直後には、素早く情報を収集し、混乱を招かないためにも正確な情報を発信し、的確な災害支援をしていかなければなりません。そのために、今まで経験を積み重ねてきたノウハウを検証し、防災・減災体制のあり方も整えておく必要があります。災害に強い東北を目指すために、今後更にメンバーと市民の意識の向上をはかり、地域間連携の強化、県社会福祉協議会との連携強化、TADSネットの運用、防災減災への取り組みを引き続き行い、東北を牽引していかなければなりません。

【リーダーの育成】
青年会議所に入会したら、社会の発展に寄与できる人材として成長することができるということを、世の中に認知されることが必要です。一人ひとりが成長を遂げながら、社会においてあらゆる分野で活躍し、憧れの存在として昇華しているならば、必然的に会員数は増加していくと確信しています。その理想に一歩でも近づくためには、現状を打開すべく、一人ひとりが当事者意識をもって会員拡大を行い、自らが成長を遂げていかなければいけません。市民からの共感と信頼を得るために会員拡大を行うことは、己の指導力を高めていく、私たち自身のための運動でもあります。地域の担い手である私たち青年経済人は、「胆識」をもってまちづくりに邁進しなければなりません。人の話や書物を読んで得られるものが知識であり、知識に物事の本質を見通す判断力が加わったものが見識となります。そして、見識に決断力と実行力が加わったものが胆力ある見識、つまり胆識です。まちづくりを行う上で常に必要なものは、確かな見識をもって行動に移すことです。胆識ある人材の育成を目指し個人が成長することは、地域が求めるリーダーとして成長することにつながります。そして、胆識をもって市民を巻き込みまちづくりに取り組むことで、社会の負託に応えることとなり、まちの成長につながります。理想のリーダー像は多様にありますが、共通して言えるのは高い志をもって自らの責任を自覚し、他人のために行動できる人間です。東北地区協議会は、東北というスケールメリットの中でメンバーが挑戦し成長できる機会を提供することが、東北77LOMに対してのアイデンティティになると考えます。

【東北青年フォーラム】
第67回の東北青年フォーラムは、一般社団法人能代青年会議所を主管LOMとして開催致します。能代は、古くから日本海交易の要衝で『日本書紀』の阿倍比羅夫による蝦夷経営に関する記事に「渟代(ぬしろ)」の名で登場し、江戸時代は北前船の寄港地、近代には秋田杉の一大集散地として「東洋一の木都」と謳われ、伝統的に製材業・木工業が盛んで発展してきた歴史あるまちです。また、二度にわたる大火、大洪水、日本海中部地震等度重なる災害を乗り越えてきたコミュニティーが確立された地域であります。
東北青年フォーラムは、会員の意識を高揚させる大会でなければなりません。大会を通して参加者が何を得られるのかをしっかりと考え構築していく必要があります。そして、開催地域を活性化させ市民の意識を変革していく大会とします。開催地域益を最大限発揮するため、行政や企業、市民を巻き込んだ大会とし、まちを考える機会を提供致します。さらに、東北各地にポジティブな変化を巻き起こす大会とします。東北にとっても、能代にとっても転機となるような魅力ある大会をメンバー一丸となって構築して参りましょう。

【LOM支援】
日本JC、東北地区協議会、ブロック協議会はLOMが行う運動の効果を最大限引き出すための連絡調整機関であります。また、日本JCの方針、協働推進運動等、各ブロック協議会を通して、各LOMに伝達すると同時に、各LOMが抱える、疑問や意見等を集約し、東北地区協議会の意見として、日本JCへ進言する事であります。そのためにも、6ブロック協議会、東北77LOMとの連携の強化を図っていかなければなりません。組織とは、「個」の結集であり、組織力を高めていくためには、一人ひとりの主体的な参画とメンバー同士の深い交流が必要不可欠です。私たちは、自分一人のために活動するのではなく、「個」である一人ひとりが多様な価値観をぶつけ合い、また互いに相寄り理解し合うことにより、有機的なつながりをもった強固な信頼関係を構築していくことができます。「個」で挑む力よりも、「個」の結集した強固な組織とならなければなりません。そのような組織こそが、力強い運動を展開し、地域の発展のために取り組んでいけるのです。また、公益社団法人格を有する連絡調整機関として健全な財政基盤の確立と、社会的価値とJC運動のブランディング向上のためにコンプライアンス体制を確立し、明確なルールのもと法令遵守を行って参ります。運営面では東北77LOMの手本となり、LOMが抱える法人格の維持や会計、公益性、コンプライアンスの遵守などの課題を解決します。青年会議所は常に地域主権であり、地区協議会は常にLOMを支えます。

【結びに】
青年会議所には、自分の価値観を変えてしまうような刺激的な出逢いがあり、社業だけでは絶対に得ることのできない成長の機会が用意されています。青年会議所での活動を通し、自己が成長する過程において重要なことのひとつに利他の精神があります。はじめは自分のためにやってきたことが、いつしか人のためになり、まちのためへと変わっていきます。青年会議所運動で市民の意識高揚を望むのであれば、自己の意識高揚を実現するべきです。そして、積み重ねた活動が運動となり、社会にポジティブな変化を生むからこそ、日々の活動を大切にしなければなりません。
松下幸之助の言葉に、「失敗したところでやめてしまうから失敗になる、成功するところまで続ければそれは成功になる」という言葉があります。変化を恐れ挑戦しないリスクは、失敗するリスクよりもはるかに大きいものであります。成功、失敗の経験を繰り返し、自分の答えを見つけ出し、時には、どんな困難が立ちはだかろうとも、断固たる決意をもち、志を立て、未来を切り開いていきましょう。現状に満足せず、何事にも挑戦し続けるという強い意志がそこになければ、人の営みは停滞し、まちは瞬く間に活力を失います。
私たちが住み暮らすこのまちの「今」は、私たちの意識を映し出す鏡であるからこそ、目の前の物事へ真摯に取り組み、「今」を生きるものとして気概をもって運動を展開していきましょう。

PAGETOP
Copyright © 東北地区協議会 All Rights Reserved.