名前:是枝嗣人(これえだつぐと)さん
職業:小金井祭典株式会社 代表 HP
JCI歴:2013年入会 / 2019年卒業
主な経歴:2018年理事長、2019年東京ブロック協議会副会長ほか

6月初旬にもかかわらず真夏のような暑さの中、武蔵小金井駅から歩いて是枝嗣人(これえだつぐと)先輩が経営する小金井祭典株式会社(葬儀社)の本社を訪問。微かに線香の香りが漂う上品なオフィスでお話を伺う。趣味は珈琲と日本茶という是枝先輩は、自ら日本茶を淹れて、おもてなしをしてくれた。

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【葬儀社という仕事】
三笠:本日はよろしくお願いします。小金井青年会議所(以下、JCI小金井)2018年に第45代理事長を経験された是枝先輩ですが、お仕事は葬儀社。日常ではあまり馴染みのない仕事ですが、具体的にはどのようなことをしているのですか?

是枝:葬儀社のメインの仕事は、亡くなってから火葬までのご遺体の保全・管理、そしてお葬式の準備・施行の手伝いです。最近は、その後の各種手続きのサポートまで行う会社も増えています。僕の会社では仕事の範囲をもっと幅広くとらえていて、良い老後を送るシニアライフのサポートから、大切な人を亡くした際の心や暮らしの支援までトータルで行うことが重要だと考え、「グリーフサポート」に注力しています。グリーフについて詳しくなりたいと思い、東京大学の市民講座で、貢献・老齢学・シニアライフについて勉強しました。学んだことを活かして、葬儀社としてではなくグリーフの専門家として、社会福祉士や行政書士と一緒にセミナーもやっています。

「仏教の知識と、茶道のおもてなしの心の両方を活かせる仕事がしたい」
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三笠:葬儀社をやろうと思ったのはなぜですか?

是枝:昔から歴史や宗教に興味があり、大学は仏教学科でした。そして、大学で茶道部に入ってお茶の世界にハマったんです。仏教の知識と、茶道のおもてなしの心の両方を活かせる仕事がしたいと考えました。また、僕は、いわゆる「ロスジェネ世代」のど真ん中で、就職が非常に厳しい世代。人と同じことをやったらダメだと思っていました。
三笠:就職が厳しいなか、創業するに至るまでの経緯について教えてください。
是枝:葬儀社をやってみたいと思ったものの、馴染みのない世界なので、まずは大学3年生の時に、小金井市内の葬儀社でアルバイトをしました。その後、お葬式の専門の派遣業社に移籍。派遣として、街の小さな葬儀社から、政治家や芸能人まで扱う大きな葬儀社まで30社ほど出入りして学びました。そして2007年、小金井市内の葬儀社から道具をいただいて、独立。独立後1年ほどで、「エコなお葬式」を提案してマスコミで取り上げられ、認知度が向上しました。エコなお葬式とは、従来あったエコな棺、エコな線香などをトータルで組み合わせたもので、地球環境に優しいお葬式のことです。

「葬儀社は明るい接客ではないので、いつか明るい接客をやってみたい」
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三笠:仕事以外に、プライベートのお話も伺いたいのですが、何か趣味はありますか?

是枝:珈琲や日本茶を淹れるのが趣味です。珈琲は、自分で豆から挽いて淹れています。毎朝30分、妻と一緒に珈琲を飲む時間を取るようにしています。その時間が持てれば、どんなに帰りが遅くなっても妻に怒られることはありませんので、実際には趣味と実益を兼ねていますね(笑)。日本茶も、茶道をやっていたこともあり、茶葉にもこだわっています。お葬式のお茶が美味しくないという概念を変えたいと思って。珈琲やお茶の美味しい会社は良い会社だと言う人も多いですし、ちゃんと淹れられるようにしようと社員にも言っています。

三笠:今後、何かやってみたことなどありますか?

是枝:美味しい珈琲や日本茶を淹れながら、対面で人と話す場所を作れたら面白いなと思っています。葬儀社は明るい接客ではないので、いつか明るい接客をやってみたくて。おしゃべりマスターが、珈琲や日本茶を丁寧に淹れながら、シニアライフについて話す喫茶店とか(笑)。

「地域コミュニティを支えることが、葬送文化を守るためにも重要」
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三笠:是枝先輩は、JCI小金井以外にも多くの地域活動に参加されていますが、そのお話を伺いたいです。

是枝:地域活動は、滅茶苦茶たくさんやっています。昔は、小金井の会費王と呼ばれていたくらい、会費負担も相当な金額でした(笑)。僕の場合は、地域活動を通じて人と繋がることが、ある意味で仕事における営業にもなっています。また、葬送文化を守るためにも、地域コミュニティをしっかりと支えることが重要だと思っています。なので、地域活動と仕事は切っても切り離せないもので、凄く近い位置にあるんです。

【青年会議所(JCI)のコト】
三笠:それでは青年会議所(以下、JCI)の話もお伺いしたいと思います。まずは入会したきっかけを教えて下さい。

是枝:昔から、JCIの存在はよく知っていました。でも、多くの地域活動をやっていて忙しかったので、いつかJCIに入会したいという思いはありながらも、なかなかできず。2014年にブロック大会をやるから、イベント運営に慣れた人間が必要だと言われ、2013年の5月に入会しました。振り返れば、あのタイミングでの入会が、ギリギリ様々な経験が積めるタイミングだったと思います。あの時に入会して良かった。自分の経験も踏まえて、無理をすれば入会できるという人に対しては、早く入った方が良いとアドバイスをしています。

「ちゃんと仕事をして家族を大切にした人こそが、明るい豊かな社会を実現できる」
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三笠:多くの地域活動に参加する是枝先輩から見て、他団体と比較してJCIはどのような組織ですか?

是枝:様々な団体と比較して、一番厳しいのがJCIです。消防団の厳しさはまたちょっと別次元だけれど。調査・研究をしっかりして会議に臨む姿勢は断トツで、他にないですね。一方で、頭でっかちになりがちで、現場対応が薄い気もします。
ロータリーには、仕事をすることが社会奉仕になると考える「職業奉仕」という理念があります。これはJCIにも、もっとあっていい。仕事をないがしろにしてJCIをしてはダメだし、家族も大切にしなくてはいけない。ちゃんと仕事をして家族を大切にした人こそが、明るい豊かな社会を実現できるのだと思います。
入会前は、JCIメンバーはJCIの場じゃなくてもJCIの話をするので、少し排他的な集団だと思っていました(笑)。オブザーバーを呼んでおいて内輪で盛り上がっちゃうのもダメ。僕が理事長の時は、来てくれたオブザーバーに楽しんでもらうことを徹底していました。そして、入会までのサポートと同時に、退会させないようなフォローもしっかりとするべきだと思いますね。

三笠:JCIで一番印象に残っている出来事や事業は何ですか?

是枝:2016年の例会「ジャングルカフェ」ですね。ジャングルカンファレンスという医療業界のカンファレンスの形をとり、医者・料理人・栄養士・整体師などを講師に招きトークセッションを行い、健康について考えようというものです。当初予定していた講師が来られなくなるなどドタバタしてしまい、事前に講師を一堂に集めた打ち合わせもできず。しっかりとしたシナリオもないままに、流れを何となく決めておく程度で当日を迎えてしまいました。僕がコーディネーターとなり、講師のトークを回し、それなりに面白くまとまったと思いました。ところが、例会終了後、当時の理事長から、「話し上手な是枝君がコーディネーターだから、上手くいっただけ。どのメンバーがやっても成功しなければダメ。今回の例会は失敗だから、失敗として反省点をまとめて報告議案を書いて」と言われました。これがJCIなのだと思いました。事前準備の重要性も痛感しました。
失敗から学ぶことも大切です。失敗しても仕事ではないから首にならない。失敗してもいいのがJCI、だけど失敗しないように管理するのもJCIなのです。

「ピンチはチャンス。新型コロナの今だからこそ、楽しみながら頑張って欲しい」
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三笠: それでは最後に伺いますが、新型コロナの影響で、予定通りの活動ができないでいる現役メンバーに対して、何かアドバイスはありますか?

是枝:ピンチはチャンスだと思います。年次計画が全部白紙になる、普段のJCIでは出来ない組み立てができるのは、非常に魅力的です。滅茶苦茶やって、新しく変革できる楽しさを味わえるはず。本業の仕事も含めてみんな厳しいけど、その中でも楽しさを持って頑張って欲しいです。学べることも多いと思います。正直、大変そうだから、僕は去年卒業して良かったと思っていますが(笑)。

取材・原稿:三笠新太郎、広瀬まき(JCI小金井)