名前:五十嵐勝平(いがらししょうへい)さん
職業:飲食店経営 HP
JCI歴: 2013年入会 / 2019年卒業
主な経歴:2018年 姉妹JC親善交流委員会 委員長ほか

八王子のみんなから愛される五十嵐先輩、そんな五十嵐先輩の経営する焼肉DORA(ドラ)にて大変貴重なお話を伺いました。仕事の忙しい時期に姉妹JC交流のため奮闘した怒濤の経験談を是非ご賞味ください。

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――本日はよろしくお願いします。まずはお仕事について教えていただけたらと思います。

五十嵐:仕事は飲食店、焼肉屋ですね。八王子で焼肉店を4店舗と、あとジンギスカン店を2店舗、あとすき焼き、しゃぶしゃぶ店をそれぞれ1店舗運営している感じです。会社の専務をやっています。八王子駅前中心に飲食業を展開しているといったところです。

――お肉屋専門の飲食業ですね。

五十嵐:お肉というのは牛肉、輸入から、国産牛とか、和牛とか、いろいろお肉の種類があるんだけど、うちは黒毛和牛専門。その中でも東北を中心とした雌牛の30カ月程度の牛に限って仕入れています。うちは肉屋さんとか通さずに、直接競り落とした牛を使う。その辺の焼肉屋さんだと、牛をある程度大きな肉屋さんが買って、そのバラしたものを買う焼肉屋さんが大多数。でもそれだと自分で選べる範囲が少ないし、その肉屋さんがいい牛を持っていなければ選びようがないという障害が20年前くらいにあって、直接牛を買おうということに変更したの。今は週に2回、品川の屠殺場へ行って、牛を競りで買ってくるという感じ。
うちらは直接競る権利を持っていないから、仲買人に、あの牛を落としてくれと言って、落としてもらいます。この仲買人の方から、結構な有名店もここから買ってるね。でもそれはみんなパーツで買っていて、一匹買いしてるヤツはほとんどいない。一匹買ったものを、向こうで約2週間そのまま置いとく。熟成だね。牛って新品だと硬いのよ。硬くて食べられないから、2週間くらい向こうの冷蔵庫に置いといて、ある程度の形まで(30キロくらい)バラしてもらって、冷蔵車に乗っけて持って帰ってくる。

「最初の4年くらいは、例会にも行ったり行かなかったり」
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――五十嵐さんが青年会議所に入られたきっかけを教えてください。

五十嵐:お客さんです。焼肉まんてんで店長をやっている時に、JCIの方がよく来店されていて。最初は、JC、JCってなんだろう、21時くらいになると突然集団で現れるぞ、と思って眺めていた。それからお誘いを受けて、最初は、毎日店に入らないと回らないからと言っていたんだけど(笑)。行ける時が少ないかもしれないけど入りますね、というのがスタートだね。それが34歳かな、2013年。

――最初はそんなに行っていなかったんですか?

五十嵐:最初の4年くらいはね。例会にも行ったり、行かなかったり。委員会は基本夜だけど、夜は店だから、森林パトロール隊(高尾山の清掃活動をしながら自然を守る、JCI八王子の事業)に4年間くらいいたよ。2018年にはじめて委員長をやって、ようやく森林パトロール隊から抜け出したね(笑)。

「まあ大変だったよ。パソコンも持ってなかったし(笑)」
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――いきなり委員長をやったのですか?

五十嵐:副委員長もやらずにいきなり委員長やったから、まあ大変だったよ。パソコンも持ってなかったし(笑)。そしていきなり議案。これが2018年、39歳。
この年は、「姉妹JCとの関連を強めていこう」というのと、「八王子の伝統文化をまた盛り上げていこう」という二本柱だったんだけど、そこでなんの前歴もない僕が任命されて。何もわからないから「やってみます」なんて言えるんだよね(笑)。前年の予定者段階が9月くらいから始まるから、そこですぐにパソコンを買って、パソコンの練習をしながら、本当に右も左もわからず、新しく覚えることをたくさんやったよ。

――ずっと森パトだったんですもんね(笑)。

五十嵐: 八王子の姉妹JCは北海道苫小牧、日光と、韓国の西釜山。もう何年も、ほぼ交流がない状況を復活させようという事業がひとつ。もうひとつは、姉妹都市(JC)に八王子の伝統文化を知ってもらおう、という事業。
その当時、日韓の慰安婦像問題とかで日韓関係が問題になっていた。メディアでは「いま韓国に行ったら何をされるかわからないぞ」という印象を受けるような報道ばかりだったんだけど。焼肉屋には韓国の留学生アルバイトが結構いるから、「報道ではこんなこと言っているけど、実際どうなの?」と聞くと、「ほんの一部の話ですよ」って聞いてた。
JCI八王子とJCI西釜山、JCI同士で交流することによって、それを多くの人に知ってもらって、日韓友好に繋げていこうと。日韓の高校生、八王子高校と釜山の東亜高校のバスケ部で親善試合を釜山で行ったんだよ。

「直前になると、議案にはないものがポンポン生み出されていくわけ(笑)」
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――それがBOF(ブリッジ・オーバー・ザ・フューチャー・プロジェクト)という事業ですか?

五十嵐:そう。韓国と一緒に事業を進めるというのは、なかなか大変だったな。日本のJCIシステムと韓国のJCIシステムにも温度差があるし。どちらかというと日本のほうが時間にきっちりしていて、韓国は結構アバウトな部分も多かったかな。2ヶ月前に審議を通すというのは非常につらいね。こちらはそのつもりでやるんだけど、JCI西釜山は「まだ時間あるし」みたいな、ね。

――こっちだけの都合じゃないですからね。

五十嵐:直前になると、バスケの親善試合終わったら記念品の交換をしたいとなって、僕らも考えてなかったから、じゃあ作らなきゃとか。あとは、同じプロジェクトTシャツを作ろうぜ、とか。そういう議案にはないものがポンポン直前に生み出されていくわけ(笑)。

――五十嵐さん、広げていますね。

五十嵐:それから、事前学習で、韓国へ行く前に参加する高校生を集めて、うちの店で働いてた韓国の子に講義してもらったんだよ。日本と韓国の歴史観の違いを。日本人は日本で習った歴史しか知らないじゃん。韓国人は韓国で習った歴史、これがまったく違うんだよね、その伝え方が。そこにトラブルが生じているということは、学校では教えてくれない内容だよね。

「JCIのがよっぽど大変だぞ、と。そういう麻痺だね、あれは(笑)」
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――すごい経験をされてきていたんですね。

五十嵐:そんなことをやりながら、同時にメーメー牧場もオープンさせたよ(笑)。あと、うちの子どもをバンクーバーに1ヶ月ホームステイに行かせたから、俺も3日だけ行ったり。BOFが終わった3週間後には、姉妹JCを呼ぶ事業もやってという、なかなかハードな夏だったな。すべて7月8月の出来事だから。でもこれだけハードなことをやると、脳みそも狂ってくるんだろうね。お店を1軒出すなんてへっちゃらだから。そんなの仕事のうちじゃありません、みたいに感じてくるの(笑)。JCIのがよっぽど大変だぞ、と。そういう麻痺だね、あれは(笑)。

――BOFってそういう事業だったんですね。

五十嵐:最終的には八王子高校の文化祭で、今度は八王子高校の学生たち、日韓友好のためにこんなことをやってきましたよというのを、文化祭で報告して。最後は11月くらいに学生を連れて外務省へ報告に行って終わりだったかな。

「どんなにJCIの仕事が山積みでも、やる気になればこなせるんだなと(笑)」
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――1年ってそんなにできるんですね! JCI活動で得たもの、仕事で生かされていることはありますか。

五十嵐:すごく大変だったよ(笑)。これは西釜山の話で、それと同時に、北海道の苫小牧と、日光もあるから。予算書を作るのが大変だったな(笑)。でも、おかげでパソコンができるようになったね(笑)。
どんなにJCIの仕事が山積みでも、やる気になればこなせるんだなと(笑)。もちろん時間を作るのも大変だし、寝られない日もあるし、超過密スケジュールもあるけど。やってみた結果、やりきれちゃうものなんだなと。さっきも言ったように、店1軒作るなんて、JCIに比べれば大したことないぞと(笑)。

――めちゃくちゃ成長してますね(笑)。

五十嵐:成長したと思う。自分でもそう思うよ。でもそれはひとりじゃできないし。副委員長や幹事、常任、その上には副理事長がいる環境だから。JCI内だけじゃない、伝統文化で協力いただいた芸者さんだったり、焼肉屋をやっているだけじゃなかなか接点のない人たちと、ましてや八王子内の人たちとも多く関われて。地域が活性化することを本当に自分でも望むようになってきたよね。
JCI入るまでは、別に、どんなに社会が不景気になってもダメなところが潰れるだけでしょう、潰れない店に俺らがなってりゃいいんだから、と思っていた。でも今は、やっぱり地域がダメになっちゃいけないなと。自分たちがいるのも地域があるから、地域の人がいるからこそ、うちの仕事も成り立っているんだな、なんていう風に、考えが変わるようになったよ。

「地域の人からの共感が拡大にも繋がっていくんじゃないかな」
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――心も成長していますね。卒業してから残っているJCIの財産はありますか?

五十嵐:財産というと、やっぱりそれは仲間だね。まずJCI運動を通して、もう本当に戦友みたいなものだから、一緒にやっていた仲間は。活動をしていたというよりも、戦っていた感じ(笑)。
つらい瞬間は多々あるよ。でも委員長として、俺が音を上げちゃいけないしさ。いくぞ! って、絶対できるからって言って。うまくフォローしながら、なんとかやり遂げたかなと。

――仲間って本当大事ですよね。新型コロナの影響がありますが、いまどのようにJCI運動をすれば良いと思いますか。

五十嵐:コロナですごい世の中が変わってしまったから、課題がそこらじゅうに落ちている。JCIは課題を解決する集団だけど、今までは課題を探すのも大変なくらいだったじゃない。でも今は、数えられないくらいの課題がそこら中にある。そういう課題を、近いところから、JCIとして何ができるのか考えて行動に移していけると、地域の人から共感も得られるだろうし、またそれが拡大にも繋がっていくんじゃないかな。

仕事とJCの両立って本当に大変で挫けそうなときが何度かありました。しかし五十嵐先輩の新店オープンで忙しい中あれだけすごい事業を成し遂げた話を聞いたとき心が突き動かされました。そうやって成し遂げることで自身が成長し視野も広がる、今後は辛いときも歯を食いしばって前向きに取り組んでいこうと思います。
と、思った段階ですでに僕は成長しているわけで、やっぱり五十嵐先輩は偉大だなぁと感じました。僕も大きくなったら五十嵐先輩みたいな立派な人間になりたいです。
インタビュー後に食べた焼肉やっぱりおいしかったです! 色々とごちそうさまでした!!

取材・原稿:清水大輔、吉住悟子(JCI八王子)