取材班 やっぱり海の男はもてますか?
吉岡 魚くさいってよくいわれますね笑。どれだけ風呂入っても魚くさいってよくいわれます(笑)。でも、きっかけにはなりますよねー。「うまい魚あります」とか、「この魚うまいですよ」「ほんとだ!」みたいな。
海の京都として有名な京丹後で、魅力を体験させていただいた後、JCI京丹後の吉岡高博理事長と近畿地区協議会会長中山吉典が、“まちへの想いと今後若い世代へ伝えたいこと”について対談しました。吉岡理事長は上記のような会話にも気さくに答えてくださり、温かいお人柄があふれる魅力的な方でした。
~青年会議所への入会をきめたキッカケと理事長を目指した理由~
中山 まずは、吉岡理事長自身が入会され、理事長を目指された理由などをお聞きしていきたいと思います。
吉岡 入会に関しては迷っていた時があります。私は(自らも業務に携わる)プレーヤーでやっていて、自分が動かないと会社や店がまわらないんですよね。京丹後のこれからの世代は、私のようにプレーヤー型が多くなってくるんです。「変えていくには、人に任せて自分は外に出ていろんな経験をして、店に還元をすることで大きくなっていかなアカン」とこんこんと言われ、そうだなと思って入会しました。理事長に関しては目指したわけではないんです。
~理事長として取り組みたいこと~
吉岡 僕自身が魚をさばかないと店がまわらない。盆・正月も休みなし、休む時はJCの活動があるから休むくらい、今はまだそういう感じです。そんな中で、背中で見せていくことが大事だと思っています。現メンバーにもプレーヤーのままではしんどいメンバーもいて、JCでの活動が作業に追われている感があるんです。
中山 議案であったり、何か「これをやらなアカン」というやらされた感でやるから想いがなくなるんでしょうね。
吉岡 そうなんです。使命感だけでやっているんです。それをどうやって変えられるかとなると、「まちのために何かしたい」ってところを最初にやっていかんと。課題をとらえて事業をやるのは大事ですが、考えすぎてよくわからなくなっていることがあると思うんですよね。とりあえずやってみて、例えば子ども達に向けたことだったら、まず子ども達のために何かやりたいって想えることが大事だと思います。まずはそこをメンバーに意識づけていきたいですね。
~若い世代に伝える~
中山 豊かさって、実は日本には既にあるのではないかと私は思うんです。理事長のお話をお聞きすると、心の豊かさが減っているんじゃないか。心の豊かさ、人をおもんばかる心、そういった心をどのように醸成させるかという価値観が大事だと思いました。プレイヤーとして背中を見せるというところに感銘を受けたのですが、どう言った背中の見せ方で若い世代に心の豊かさを伝えていきたいですか。
吉岡 子ども達に向けた事業を実施した時、「楽しかった」「よかった」という声を聴き、もっと何かしてあげたいとなった。自分の背中を見せるというのもあるけれども、メンバーには小さくてもいいから成功体験を積み重ねてもらうことが大事だと思う。次につながるかどうか今はまだわからんけど、喜んでもらえた、うれしいと感じたという体験が絶対重要だと思っています。
それから、もっとまちのために何かしたいって思ったら、出向やセミナーに参加したりだとか、何かにつながっていくと思うので、まずはそこから始めればいいんじゃないかなと。それがなかなかできないっていうこの青年会議所のシステムというかやり方っていうのは、ちょっと変えていかなアカンなとも思いますね。
中山 やり方っていうのを変えながらも、本年を一丁目一番地としてビジョンを持って、「こういう運動を必ず成功させたい」っていうのはどのような事業ですか。
吉岡 やっぱり何と言っても子ども達に何かをしてあげたい、ってのが僕の中にはあります。青少年の事業で、コロナ禍で子ども達を集めておこなう事業がなくなってきました。できることは陰ながらもちょこちょこやっていてそれも大事ですけど、インパクト、子ども達に直接関われるような、そんな取り組みをやっていきたいなという想いがありますね。
中山 子ども達って宝ですもんね!子ども達が成長して大きくなり、いずれ青年会議所に入会していただいて、継続していってというのが僕は恩送りだと思っていて、70年続く組織はそこに根幹があるのかなと感じました。非常に勉強になりました。
~近畿地区協議会に期待すること~
中山 今後、近畿地区協議会に期待することや今日の感想をお願いします。
吉岡 僕は去年地区の委員長をさせてもらって、なかなかうまいこといかなんだんですけどね。地区の立ち位置ってすごく微妙なところがあるなと思って、うまいこと回すためには上も下も連携していかないと、非常に難しい立場かなと。うまく連携していけば、もっと広域に事業展開ができるのではないかとは思いますけどね。
中山 今回対談してもらいましたが、やってみてよかったですか。
吉岡 そうですね、いろんな人が来るっていうのは本当に刺激があっていいなと。京丹後にいて、「何もない」っていう人、結構いるんですよ。「京丹後、何もないよ。自然と海しかないよと。「(他所から見たら)こんなんもあるじゃないかみたいなことを言われると、やっぱり気づきがありますよね。質的価値っていうのは、こんなんもあるんだっていうのを気づかせてもらうところから始まって、それは他所との交流からしか感じられないと思うんです。
~最後に 京丹後のまちの魅力~
中山 僕はもう大阪の人間なんで「雪をなめてる」ってよく言われるんですが、雪を見るとテンションが上がるんですよね。今日なんかも一人で撮ってまして、素晴らしいなと。雪国の人から見れば何言ってんだって言われる。でもそれが、人それぞれ価値観の違いだと思うんです。海と魚と山と雪、それ以外に「これ一押し!」という京丹後のまちのいいところを教えてください。
中山 吉岡理事長以外にですよ(笑)
吉岡 人は温かいし、良い人ばかりだし、いい人が集まっていると思いますよね、田舎は。それがもっとオープンになって他所に出たり、他所の人がこっちに来たりというやりとりがうまくいけばもっと都会でも田舎でもチャンスはいっぱいあると思います。
中山 最後に、メッセージがあればお願いします。
吉岡 京丹後は自然豊かです。自然っていうだけで来るんじゃなくて、野菜だったり、魚だったり、果物だったり、いろんなアクティビティだったり、春夏秋冬いろんな楽しみ方があるので、ぜひとも京丹後にお越しください。
~対談後~
吉岡 スーツ文化も何とかしたいんですよね(笑)。メンバーの中には、スーツに着替えないといけないので、現場からだとその時間がなく参加できないなんてことがあったり、僕自身も競りの時間があるからZOOMはできたとしてもスーツに着替えるのが難しい、なんてことも。
取材班 スーツの集団というイメージを言われることもありますね。確かにスーツに着替えると協議が深まるということでもないですもんね。
吉岡 プレイヤーの人間はそう感じている人も多いと思いますよ。場所や場面にもよると思いますが、緩和できるところは緩和していってもいいのかなと。
取材班 多様な職種が集まる青年会議所だからこそ、個性や魅力がより伝わるかもしれないですね。
組織を継続していくために、組織としての本来の目的を達成するために、何が必要なのかを枠にとらわれず真剣に向き合い、次の世代のことを考える姿がかっこいい!と感じる取材となりました。まさに私たちに、理事長としての背中を見せてくださいました。