公益社団法人日本青年会議所
中国地区 岡山ブロック協議会
2022年度 会長所信
誰もが輝き愛溢れる岡山の創造
第58代会長
山本 竜義
<はじめに>
1949年、戦後の荒廃した日本を再建するために使命感と情熱にあふれた青年が集い、日本に青年会議所が設立されました。そして、その青年たちの意志が岡山県内15の地域にも伝播し、15LOMが誕生しました。明るい豊かな社会の実現に向け、郷土岡山の未来を信じ、57年という長きにわたり、引き継がれてきた岡山ブロック協議会という絆と先輩方の想いや情熱を次代にしっかりと引き継いでいかなくてはいけません。私たちの郷土岡山は、晴れの国と言うほど、気候風土に恵まれ、自然災害も少なく、中四国地方の交通拠点として発展をしてきました。しかし、2019年12月に突如発生した新型コロナウイルスの世界的パンデミックにより、社会活動、経済活動、またJC活動にも大きな影響を及ぼしており、未だ終息の目途は立たず、人々は不安と閉塞感に包まれています。ただ、新型コロナウイルスの影響はネガティブなことだけではなくテレワークの導入を加速化させ、新たな働き方を考える機会となり、JCにおいてもZoomを使ったWEB会議や講演会等、新たな取り組みを行うきっかけとなりました。この影響を全て後ろ向きに捉えるのではなく、「ニューノーマル」新しい常識として様々なことに前向きにチャレンジすることが必要です。こんな時だからこそ、「新日本の再建は我々青年の仕事である」という創始の想いを今一度噛みしめ、未来に向けて行動することが求められています。様々な困難や課題を乗り越えるために、JCとしての誇りを胸にメンバー一人ひとりの愛を結集し、郷土岡山のために共に行動してまいりましょう。
<共感を広げる会員拡大>
今、全国的に多くのLOMで組織の課題となっているのが会員の減少、会員拡大の問題であります。岡山も例外ではなく、2022年度の期首会員数は20名以下のLOMが70%近くあり、近い将来岡山ブロック協議会内でも消滅や合併という波がやってくることが予想をされます。ただ、人数が少ないLOMが会員拡大に対して努力をしていない訳では決してないと考えています。人口減少や他団体との競合等、その地域の様々な問題の中で苦しんでいるのであります。しかし、そんな状況でも歩みを止めるわけにはいきませんし、黙って消滅や合併という選択をするわけにはいきません。メンバー一人ひとりが会員減少に対する危機感を共有し、入会制度の見直しや地域独自のブランディング、JCの魅力の効果的な発信等、LOMの特性を活かした会員拡大の仕組みを構築することが必要だと考えます。そして、共感を広げ社会に最も必要とされる組織へ進化していかなくてはなりません。メンバー一人ひとりが組織のことを考え、行動することでJCの魅力を地域に発信してまいりましょう。
<成長につなぐ会員研修>
組織としてのもう一つ大きな課題として、在籍年数の短期化があります。平均在籍年数が約4年と短期化が進むからこそ、早い段階でしっかりとした教育を行い、JCの理念を学び、運動を起こすことができる人財になる必要があります。特に近年は新型コロナウイルスの影響で事業や行事が少なく、メンバーの成長や交流の機会が減っております。岡山ブロック協議会として研修会を開催することで、県内15LOMが均一に教育を受けることができ、またLOMの垣根を超えた友情を育むことができます。2022年度もこの新型コロナウイルスの状況がどうなっているか先が見えない状況でありますが、岡山ブロック協議会で会員の教育や成長の機会、また交流の場をしっかりと提供していきたいと考えております。JCは所属しているだけでは何の成長にもつながりませんし、JCの魅力を感じることもできません。JCというフィールドの無数に広がっている成長や出会いのチャンスを掴み取ることができるように、積極果敢にJCに取り組んでまいりましょう。
<地域の未来を担う青少年の健全育成>
子供たちを取り巻く環境は、核家族化や地域コミュニティの弱体化により、人とのつながりが希薄化しています。またデジタル化の流れと共に激しく変化が起こるようになり、犯罪の低年齢化、SNSによる心無い誹謗中傷や有害サイトを通じて犯罪に巻き込まれるなど様々な問題が多様化、複雑化し深刻な社会問題となっています。子供たちが未来に夢を描くことのできる社会をつくるため、自らを律し、また他人を思いやることができる豊かな人間性を育み、夢をもつ大切さや逞しい精神力を身につけることができる教育や仕組みを考えていかなくてはいけません。未来を担う子供たちを私たちが正しい方向へ導いてまいりましょう。
<愛溢れる岡山の創造>
今、各地域において過疎化や少子高齢化による人口減少、かつて栄えた地域の活力減退は進み、疲弊し続けております。このことを解決していくにはまず、その地域の人々の誇りや郷土愛を醸成していかなくてはいけません。それぞれの地域にある魅力や価値を再認識し、自分たちのまちは自分たちでつくるといった気概をもった人を一人でも多く増やし、発信をしていくことが大切だと考えております。またその地域の行政が策定する総合戦略等のビジョンが私たち青年としての目線から、まちの持続的な繁栄に貢献するものなのかを検証し、不足や改善点があれば、次代に責任をもつ私たちこそがビジョンをつくらなければなりません。LOMがそれぞれの地域をより良く変え続けるための、独自のまちの中期ビジョンを策定していけるように支援をしてまいります。未来へのビジョンを描き、愛溢れる岡山を創造してまいりましょう。
<結びに>
JCで獲得できる成長とは、単なるスキルアップではありません。JCでの成長とは、損得だけで物事を考えず、人を愛し、人のために無条件で奉仕ができるようになることです。人のために自己を犠牲にするような、非合理的なことを可能にするのが「愛」であり、愛を前提として社会活動ができるようになることが、JCにおける成長です。
JCは仕事でもやらされるものでもありません。崇高な理念のもと、自らが自分の時間とお金を使い、ひとのため、まちのために運動、活動を行っていることは本当に尊いことであります。これはどんな他団体にもない私たちの誇りであり、魅力でもあります。そして、この誇りがあるからJCの絆はどんなものより強く結ばれているのです。
2022年度、愛する岡山のため、この絆の輪をさらに広げ、誰もが輝き愛溢れる岡山を共に創造してまいりましょう。