2023 年度 会長所信
会長 金子 善弥
【はじめに】
福島ブロック協議会の存在意義とは何なのか。
私の答えは“LOM 支援”この一言に尽きる。
しかし「必要のない、一方的な LOM 支援」を求める LOM など、あるはずがない。
我々は「必要とされる、そして共感される LOM 支援」を提供できなければ価値がない。
だからこそ我々は徹底的に「LOM 支援」を追及していく。
私の考える最高の LOM 支援、それは“気づきを与える”ことである。人は学んで知っただ
けでは変わらない。大きな衝撃を受け、気づきを得た時に、始めて行動が変わる。人の行動
が変われば LOM が変わる。LOM が変われば社会も変えられる。これこそ本当の LOM 支援では
ないのだろうか。我々の使命は、福島ブロック協議会内 18 全ての LOM がより良くなる機会
を提供し、各地の青年会議所が躍動することで、福島をより一層活性化させることである。
私は約束する。ブロック協議会構成メンバーに対し、挑戦する気づきの機会を提供するこ
とを。そして地域社会・地域経済を牽引する人財へ共に成長することを。なぜなら、これこ
そが最大の地域貢献であり青年会議所の使命そのものであるからだ。
未来がどうなるかなんて誰にも分からない。2011 年東日本大震災や、戦後最大の脅威と
なった新型コロナウィルス感染症のパンデミックによる世界規模の社会的危機など、これ
ほどの困難を誰が予測出来ただろう。5 年後、3 年後、1 年後、誰にも予想することはでき
ない。むしろ1秒先すら予想することが出来ないのだから。
決められた未来なんて無い。今この瞬間の私たちの行動が、未来を創り出しているのだ。
青年会議所はボランティア団体ではない。私たちが正しいと思うこと、私たちが地域の発展
に繋がると思うことを徹底的に追及し、そして挑戦することで地域に新たな価値を創造す
る社会貢献団体だ。そのために私たちは失敗を恐れない。
地域を愛する青年の、地域活性化に向けた挑戦こそが、青年会議所に許された特権なのだ
から。私たちにしか出来ないことがある。私たちが福島をヤバくする。 それが 2023 年度福
島ブロック協議会の PRIDE だ。
【求められる LOM 支援】
全国の JC で共通している会員減少や有事の際の支援不足、会員のモチベーションの低下
や経験者不足など、様々な問題を LOM は抱えています。
その様な問題に、効果的な会員拡大セミナーの開催や効果的な発信の支援などの的確な
サポートが出来るブロック協議会の構築が必要です。
その為には本会や地区協議会だけでなく、各種他団体ともしっかりと連携し、正しい情報
や求められている具体的な支援をしていく事が重要です。
課題を抱えた LOM から選ばれる協議会となる為に、有益な情報を収集・発信し、LOM に寄
り添い、共に課題の解決を目指していくスタンスを徹底して追及し実行して参ります。
【防災・減災に対する意識の向上と災害への備え】
近年では首都直下地震や今後 30 年以内の発生率が常時 80%と言われており、2023 年に
発生してもおかしくない南海トラフ・宮城県沖地震などの巨大地震の発生が予測され、発
災した際は福島県においても甚大な被害が出ることが想定されます。また、台風災害や土
砂災害の危険性も常に身近にある中で、身に体感する災害も実際に発生しており、残念な
がら急に訪れる災害には防災意識一つで万全と言えるほどの対策をすることは出来ず、い
かに備えられるかが重要となってきます。
充実した備えには、信頼性のある情報の入手と、被災した際の被害の最小化や迅速な復
興が必要となりますが、全国に組織する青年会議所の持つネットワークはどこよりも早い
情報共有が実現でき、対外も含めた組織同士が連携をすることでとても多くの人の手を借
りることができます。これまでも災害が発生した際の情報伝達網の構築や他団体との災害
時支援協定など、高い意識の中で防災減災に向けた取り組みを行ってきました。特に、幾
多の災害を乗り越えてきた福島県民は高い防災意識を持っていると言えます。
これからも高い防災意識を保ち、災害への備えを充実させていく為には、大きな災害を
知らない子ども世代に防災・減災に対する意識の向上を図る運動が必要です。
また、2020 年に起き未だ続く新型コロナウィルスの感染拡大は我々世代が経験したこと
のない、まさに災害と言える大被害を起こしています。With コロナ時代に合わせたニュー
ノーマルな新しい生活様式に対応してきた様に、いつ何が起こるか分からない有事に備え
た安心安全な福島の未来と人々の生活を、臨機応変に青年会議所のスケールメリットを活
かしながら守ってまいります。
【即戦力となる人財育成】
先行きの見えない時代だからこそ、時代を切り開いていく力が必要です。
これからの青年会議所に必要とされる人財は、自らが率先して行動し、変化の原動力となれ
るリーダーです。
JC プロトコルや Purpose(理念共感型新プログラム)の実行、理念共感拡大グランドデザ
インを学ぶ事で、理念に共感した人財による、地域課題を解決に導く人財育成を目指します。
1 年間を通し LOM にとって即戦力となる人財となり、自分のやるべきことに責任を持ち、
自信を持ち取り組むことで、共感を生み、能動的に組織や地域を動かすことができる、変化
の原動力となれるリーダーを育成いたします。
そして何より、JC の魅力や楽しさを体感できるファンクションを開催するアカデミー事
業を通して、その人財がJCを楽しみ、JCにハマる事が出来る環境づくりに努めて参ります。
【地域の魅力ある観光資源・文化・伝統等のコンテンツの発掘・発信】
地域がこれまで長い歴史を歩んできた中で、潜在している魅力がたくさんあるにも関わ
らず、そのポテンシャルを効果的に引き出せている地域は多くありません。これまでの日本
における地域の枠を超えて、福島から日本を変えていくためのエネルギーを生み出してい
く為にも、世界中の人々に魅力が伝わるコンテンツへと更に進化していく必要があります。
一つとして同じモノはない地域資源を活かして、競合する事のない多種多様な地域発展
を目指していく為に、地域の連携パートナーと協議会が構築する仕組みが地域のインスト
ラクターとなり、協議会と共に今ある可能性溢れた魅力を吸い上げ、そのまちのストーリー
を構築することで、連携パートナーの役割を明確にして、地域すべてがストーリーを描くた
めのキャストとなってより良い発展を目指していく持続可能なモデルケースの創出を目指
して参ります。
【子供たちの健全な育成に向けて】
子供たちを取り巻く環境は少子化や家庭環境の変化に伴い社会性を養う機会が減少する
と共に、コロナウィルスの影響により学校での活動や地域での活動が制限され人と人との
交流機会が減少しています。
子供は地域の宝であり未来を担う存在です。
社会性を身に付ける重要な期間に活動を制限されている子供たちの健全な育成に向けて子
供たちが将来に希望を抱き成長する機会が必要です。
日本青年会議所は国際的に盛んであるサッカーを通じて勝ち負けに関係なく相手を思い
やる心「グッドルーザーの精神」を育む JC カップ U-11 少年少女サッカー大会を開催して
います。本年は福島県においても大会予選を開催し、子供たちがスポーツ交流を通じて道徳
心を養い、将来に夢や希望を描く機会とすると共に、地域間の交流人口の増加促進による地
域活性化の契機となる大会を構築します。
【地域を明るい未来へ導くブロック大会】
2023 年度の主管青年会議所である猪苗代青年会議所が活動エリアとする耶麻郡猪苗代
町・磐梯町は、水と緑に囲まれた自然環境に富み、農業、観光の調和が取れた田園都市とし
て福島県北部に位置しています。地酒や観光業を始め特産名産物として打ち出している商
品も豊富に存在します。猪苗代青年会議所と心が行き渡る連携をしっかり取り、豊富な資源
を人的運動面とデジタル面の両軸から県内外に行き渡らせ、これまでの 4 益に「社会益」を
組み込んで、GX(グリーントランスフォーメーション)などの新たな社会の先駆けとなる福
島への運動を猪苗代の地から発信していく為に、第 53 回福島ブロック大会猪苗代大会を開
催いたします。
様々な背景と共に地域の課題からその時代に即した運動展開を繰り広げてきたブロック
大会ではありますが、そもそもブロック大会を毎年開催する理由はどこにあるのでしょう
か。
言わずとも我々は明るい豊かな社会の実現を目指しており、地域の社会課題を解決する
事業を展開し、その運動の集大成の場としてブロック大会を必要としているのです。私が考
える、現代における明るい豊かな社会の実現とは、我々の運動により地域が活力を持ち、ひ
いては日本の国力が増していく状態にあることだと思います。そして、その運動への答えこ
そ、これまで青年会議所がブロック大会で追求してきた「地域益」「参加益」「主管益」「主
催益」の 4 益にあり、主管青年会議所と手を携えて地域性をよく理解した上で、我々の運動
がしっかりとはまる状態を生み出し、誰もが納得する年度集大成となる事業を関係者各位
と心を合わせて構築し、当該年度最大の発信が未来へ花咲かせる種となるべくブロック大
会を開催しなければなりません。
【福島ブランドの確立】
地域社会から必要とされる組織を目指す上で情報発信は欠かせない要素です。組織を持
続可能にする為の一つとして認知度を向上させることは必要不可欠です。社会の多様化が
進むにつれ、人々が何気なく行っている情報収集も多様な視点からのアプローチが必要に
なります。私たちが行っている運動も事業も、1 つの視点にとらわれず多様な視点で発信を
続けていくことが重要です。JC が地域社会の発展に向けて展開している様々な運動を効果
的に発信することで、認知度の向上やブランディングにつながります。
SNS の発達により情報を発信することは容易になりましたが、その一方で情報の量に埋も
れてしまうという問題により伝えることは容易ではなくなりました。ブランディングにつ
ながる地域社会のニーズを的確に捉えた効果的な事業の構築を前提に、誰に何をどのよう
に伝えるのかという広報の基本から考え、私たちの運動を伝えたい対象に的確に分かりや
すく伝わるよう情報発信し活動の周知や運動の推進につなげる必要があります。
私たちは多くの事業を開催し、事業ごとに広報がなされておりますが、すべての運動の広
報をブランディングとして行っていきます。青年会議所の魅力とは、地域社会の課題解決の
ために運動し、青年が社会により良い変化をもたらす為の発展と成長の機会を提供するこ
とであり、このような提供行動の発信こそが何よりのブランディングになると考えます。
運動の広報とブランディングをともに行うことによる相乗効果から、より良い効果が生
まれていきます。広報システムの確立と明確な広報戦略によって運動推進につなげると共
に、各 LOM の支援につながる基盤を構築します。
また、東日本大震災から 12 年が経過し、まだまだ課題は山積しておりますが、我々福島
県民は元気に前を向いている事を世界に発信し、風評被害の払拭に繋げていきます。
【結びに】
私は青年会議所に心から感謝している。
私を変えてくれたのは、私が成長するきっかけを与えてくれたのは、紛れもなく青年会議
所であった。
だから、私は青年会議所に恩返しをするために、この重責を担う覚悟を決めた。 まだま
だ未熟な私だが、福島を想う 18LOM 全てのメンバーと共に、さらにパワーアップし続ける
最強の青年団体にしていく。
福島の魅力を東北、日本、さらには世界へと発信することで、更なる活性化に繋げていく。
私の志はただ一つ。 結いの精神でつながる魅力的で誰もが憧れる福島の実現に繋がる
「LOM 支援」、これに尽きる。